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「情緒」と云う言葉に的確にマッチする外国語はないのか?
「情緒」を英訳すると、EMOTION,SOUL,FEELING といった単語しかないそうですが、これらの単語は「情緒」の適訳ではないとのことでした。これは故岡潔博士の本で読んだことですが、他の外国語ではどうなんでしょうか。「情緒」と云う言葉が持つ精神性は日本人独自のものなのでしょうか。お考えをお聞かせください。
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#3です。補足頂戴しました。 「情緒」≠"atmosphere"として、なんとなれば日本人の心の動きには……、と論ずる方法論はあると思います。 少々乱暴に聞こえるかもしれませんが、「犬」≠"dog"として、イヌという和語には元来セントバーナードやチワワは含まれておらずそもそも和犬とは……、と論ずるのと似ています。 いけないことではなく、筆者の意図を伝えるための手法であり、効果も期待できます。しかし、一旦普遍化(一般化)した言葉に特定の意味を再付与し、特殊な用途で用いることになりますので、説明が必要です。 厳密なことを言えば、どんな単語でも言語によって大なり小なりニュアンスの違いがあります。同じ言語でも年代差があり時代差があり、地域差があります。 「日本人独自」という言葉の使い方も注意が必要だと感じます。#4で民族主義について触れられていますが、本当に現代の多くの日本人が共有しているものなのか、本当に他国にはほとんど見られないユニークなものなのか、説明の苦しいものも多く散見されますので。もしかしたら「その人独自」であるだけなのかも知れません。 「情緒」について、”懐かしい、と思う心の動き””桜花のように散る、ことを是とする気持ち”が、はたしてユニークなのかと問われますと、感覚的に私自身はあまりそう感じません。専門ではありませんが、近隣部族の侵略や諍いが多い文化に表れやすそうな価値・美意識だと思われます。
その他の回答 (5)
{mood}風情、気分、が近いのではないでしょうか。 {blues}ブルースは、外国人と容易に共感できる、「情緒」であると思います。 あるmoodが、共通認識を持つcolorで表現されるのは、情緒が、色彩を帯びているように表現される日本と変わりがないと思われます。夏の終わりに群れて出てくるアカトンボ(アカネトンボ・アキアカネ・秋茜)なども、風情(mood)をよく表した名前です。この場合のアカは、茜色のアカです。それは、体色だけを言っているのではなく、秋についても言い表しています。 ブルース音楽のアオも、ただのブルーではなく、陰影に現れるアオであることから、それは色によって情緒を表しているのでしょう。 すると、熱いブルースの演奏からは、とても独特な、だけれど共感を呼ぶ情緒が、沁みだしてきます。黒人のルックスも、それを生み出している要因の一つに上げられるかもしれません。 しかし、歌舞伎の女形がそうであるように、容姿の自由で、より深い情緒を表現することもできます。 情緒とは、感情の深部にある、生き方を示唆する何かで、人間観だけで成り立つものではなく、例えば、犬や馬と人間の間柄にも、生まれえる、人間と、人間ならざる世界(自然、土地柄など)とを、まさに結んでいるのではないでしょうか? 現代なら、コンピューター風情、マシン情緒、なるものが、出てきているかもしれないですね。コンピューターやロボットは、既に、人間ならざるものとしての認識が、広くなされていますから。
お礼
興味をそそられるご意見、まことにありごとうございました。
- luune21
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こんな順番ではないでしょうか。 情緒には、もともとfeeling,atmosphere,emotionを含んだ意味があった。(異言語である以上こんな語はざら) ↓ 恐らく近代になって誰かが、emotionの訳語に情緒をあてた ↓ 医学分野でemotion=情緒、情緒=emotionと慣わすようになった ↓ ところが、情緒を雰囲気や情感の意味にも使っていたため、誤解を避けるため医学分野ではemotionを情動と訳すようになった(しかし、まだ情緒障害などに名残がある) ↓ 現在では、整理され、情緒は、1.雰囲気を意味する、2.感情の元、情動を意味するという優先順位となる つまり、すでに情緒をemotionと機械的に訳すことはできないし、やっていないと思われます。 情緒の精神性は日本独自のものではないと思います。ロマン主義のものではないでしょうか。ロマン主義は世界あちこち、歴史のあちこちにあります。ロマン主義は民族主義と仲がいいものですよ。
お礼
有難う御座います。ロマン主義と民族主義の仲良し関係をこれから勉強してみます。参考URLも拝見致しました。また、自己紹介の礼記の一文、感服いたしました。
- baihu
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「情緒」のニュアンスは、英語表現だと atmosphere, air, ambience などの方が近いような気がするのですが、そういった答えをご希望でしたら英語や外国語カテゴリなんでしょうね(^^; 参考URIでは、第一に挙がっている英訳が〔雰囲気〕(an) atmosphere ですね。プログレッシブ和英中辞典でもニューセンチュリー和英辞典でも、最初に出てきます。 ただ、岡潔氏の使う「情緒」は、一般的な意味よりも、いささか思い入れが強く込められているような気がします。 一般な文脈で使われる「情緒」という言葉には、それほどまで日本人独自の精神性だとは感じませんが、oikunojinさんはどのような「精神性」を読み取られ、それを「日本人独自」と仮定されたのか、もう少し説明いただければと思います。
補足
お答えと参考URL,ありがとうございます。情緒という日本語が、もし他の民族には無い、大和民族独自の意味を持っているとするなら、懐かしい、と思う心の動きや、桜花のように散る、ことを是とする気持ちと関わることなのか、重ねておたずねしたく思います。古来からの大和民族の心の色合い、といったことを岡潔氏は語っておられます。
- takuranke
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じょうしょ(情緒) じょうちょ-慣用読みで 人にある感慨をもよおさせる、その物独特の味わい。また、物事に触れて起こるさまざまな感慨。 「~のある風景」「江戸~」「~豊かに描写する」 〔心理〕「情動(じようどう)」に同じ。 「~不安定」 情動:感情のうち、急速にひき起こされ、その過程が一時的で急激なもの。怒り・恐れ・喜び・悲しみといった意識状態と同時に、顔色が変わる、呼吸や脈搏(みやくはく)が変化する、などの生理的な変化が伴う。情緒。 医学(心理学)においては情動と同じように扱われますが、日本人が通常使う意味ではEMOTION,SOUL,FEELING のどれにも当てはまら無いと思います。 何かの本で西洋人は日本人と同じように感じることは出来るが、言葉に出して表現できないと聞いたことがあります。 抽象的なものを言葉で表す文化は日本独特のもののようです。 逆に日本語では表せないものもありますね、というより日本語にすると変なもの(コンピュータ用語など)もあります、後は気質を表す独特な言い回しなど。
お礼
早速お返事くださって、ありがとうございました。参考にさせて頂きます。
- hihig
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WHOの国際疾病分類(ICD-10)では、emotionが情緒と和訳されています。 逆は必ずしも真ならずですが、情緒はemotionと英訳してもよろしいのではないでしょうか。
お礼
ありがとうございました。一つの見解を得ました。
お礼
私の補足質問は、飛躍して舌足らずの質問なので、ご回答いただけないかと思っておりました。有難う御座いました。ご回答の中で、今気になっている個所は、「岡潔氏の使う「情緒」は、一般的な意味よりも、いささか思い入れが強く込められているような気がします。」、「近隣部族の侵略や諍いが多い文化に表れやすそうな価値・美意識だと思われます。」、「もしかしたら「その人独自」であるだけなのかもしれません。」という個所です。この質問、自分ながら要を得た質問文ではなかったように思えて、今一度練り直したいと思います。ご回答感謝します。その節は又よろしくお願いいたします。