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「摂(せつ)」の語意
例えば、いつも肉ばかり食べているので、野菜を「とる」ようにする、と書きたい場合には「取る」と「摂る」のどちらが適切だと思いますか。 また、「摂」には「摂取」「摂政」「不摂生」というように使われますが、そもそも「摂」とはどういった語意が含まれているのか知りたいのですが、説明できる方がいらっしゃればそこもお願いします。(自説で構いません)
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こんにちわ(/は)。 >野菜を「とる」ようにする、と書きたい場合には「取る」と「摂る」のどちらが適切だと思いますか。 字義からすれば、「摂る」が正解です。ただし日本の文字習慣ではどうなっているのか不明です。あしからず。 >そもそも「摂」とはどういった語意が含まれているのか知りたいのですが、 この「摂」という字の元になっている字は「攝」です。旧字体といいます。中国から古くからある文字です。近代になってからその字を日本人が簡略化して「摂」のように改造して使用している字ですね。 「攝」の日本字読みは、音読みでショウ、セツ。訓読みで"かねる""とる"です。 -------- 日本で使用中の漢字は文字通り漢の国(中国)の文字を借用した字です。字義の真相を調べるには中国の字の歴史を見れば解読できます。 約2000年前の篆書体で既に原型があります。推定1800年前になると現在と同じ字形が確立しました。形声文字に分類。 手偏は、人の手を表す。 旁の耳三つは、人の耳元でささやくという字義ですが、「攝」の中国語発音sheシェを導くために用いただけで意味はありません。 では「攝(摂)」の字義はどうなっているでしょうか、以下おおまかに概ね歴史順に; a:持ち上げる。引っ張り出す。(摂衣:衣服を引っ張る)。 b:手に取る。吸い取る。(摂取)。 c:追って捕まえる。(摂狩:せつりょう)。 d:取り込む。集める。(攝影:日本語の撮影と同義)。 e:挟む。小脇に抱える。 f:補佐する。(摂理:代わって助ける)。 g:代理をする。(摂生政治)。 h:保って養う。(摂生。摂生生活)。 i:整頓する。(摂制:制作するの意) ---- 以下蛇足です; 「取」はちょっと怖いじなんです、実は。 数千年前の甲骨文字に原型があります。2000年程前の篆書体では現在とほぼ同形の字形になる。会意文字に分類。 偏の耳は、生き物の耳です。 旁の又は、人の手を表す。 偏と旁の二つの意味が会わさって、とっ捕まえた動物や戦争捕虜の動物や人の左耳を切り取る という意味です。 a:左耳をちょん切る。 b:捕まえる。 c:強力に奪取する。 d:取得する。 e:選び取る。 f:吸い取る。 g:手にとる。 h:妻を娶る。 歴史が古い文字なので字義は、時代とともにどんどん派生し造り字も増えました。娶・趣など。 以上の二つを見比べると、野菜や栄養を"とる"の用法では「摂」が正解であることがわかります。 しかし中国の習慣が日本に当てはまるとは限りませんので、習慣を尊重してください。知っていて損はしない程度に以上ご案内しました。迷ったら日本古来の平仮名で書いたほうが却って新鮮味があるかもしれません(^^♪。日本でも字源詞典の類をめくると詳しく出ていると思います。
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- chrow
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特に根拠のないイメージの話で申し訳ないですが、野菜を「とる」場合は「摂る」ほうが適切だと思います。 「取る」の場合だと、「手で持つ」とか、そういうイメージがあります。「野菜の山からひとつ、手に取る」といった感じの…取り分ける・分離させる、といった印象があります。 「摂る」の場合は、体内に取り入れる・吸収するといった、逆のイメージがあるので…野菜とか栄養の場合は、「摂る」かな、と思いました。
お礼
「取る」と「摂る」の違いについて、確かにそうだなと僕も思います。回答ありがとうがざいました。
- shkwta
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http://www.bunka.go.jp/kokugo/main.asp?fl=list&id=1000003929&clc=1000000068 http://dic.yahoo.co.jp/bin/dsearch?index=13538700&p=%A4%C8%A4%EB&dtype=0 食品や栄養の場合、「摂る」で「とる」と読ませてもかまいませんが、常用漢字表では「摂」に訓読みはないので、無理に使う必要はありません(「取る」は誤りではありません)。 摂の原意は、衣服のすそを手でからめとることです。
お礼
「衣服のすそを手でからめとること」から来ているんですね。参考になりました。ありがとうございます。
野菜を摂る が適切です。 摂の意味ですが、こちらで参考になりますか? せっ・する【摂する】 [動サ変]せっ・す[サ変] 1 職務などを代わって行う。代理をする。また、兼務する。 「幼稚なる故松平確堂に命じて事を―・せしむるの趣き」〈染崎延房・近世紀聞〉 2 取り入れる。摂取する。 「これを左の数言に―・することを得」〈河上肇・貧乏物語〉 3 もてなす。接待する。 「けしからず一夜―・して候ひしよ」〈謡・鵜飼〉
お礼
この場合には、野菜を「摂る」が適切なんですね。回答ありがとうございます。「摂する」という使い方は初めて知りました。「摂取する」は「摂する」に置き換えることが出来るということになりますね・・・難しいです。
お礼
詳しく解説して頂いたおかげで、「摂」の字義について大まかにですが見えてきたものがあります。もちろん日本の習慣は尊重しますが、あいまいなままでも使うに使えないので質問させて頂きました。迷った時には平仮名で逃げることにします(笑)。