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仮定法の”would”に隠された意味について。
ある英語学習者のための雑誌にこんなことがかかれていました。が私には、どうしても感覚的に理解できませんでした。 以下がその内容です。 例えは、皆で映画を見に行こうと言っているときに、誰か別の女の子が「私もいきたい。」と言ったとします。 でも、どう考えても、その子の好みの映画ではないというとき、2つの表現のどちらかを使うかで意味が大きく変わってきます。 ”You won't like it.”と言ったら、(A)「連れていくけど、気に入らないと思う。」という意味のなります。 また、”You wouldn't like it.”と言ったら、(B)「一緒に行っても気にいらないと思うから、連れて行かない。」という意味になります。 (A)、(B)を英訳すると、以下のようになると思うのですが、どうでしょうか? (A)I will take you to the movie, but I think you do not like it. (B)I will not take you to the movie, because if you watched it, you would not like it. でも、今まで(B)の中に拒絶の意味があるとは思いませんでした。 どのような使い方がほかにありますか? どんな場合に拒絶の意味が含まれるのでしょうか?
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(A)(B)単体ではなく、個々の具体的な文脈〔この場合は問いと答えの関係〕の中で、具体的に考えてみると、そのように理解するのが自然なケースがある、というのが筆者氏の言いたいことなのではないでしょうか。 たとえば Can I go with you(and see the film)? いっしょに行って(映画を観て)もいい? という問いに対して、 (A)You won't like it. (B)You wouldn't like it. と答えた場合、文面上は、いっしょに行くことのよしあしについて直接答えていないことは明らかです。 つまり、(A)(B)とも、行くことのよしあしについて判断を述べる情報(前後の文、節など)が文面上省略されていて、 筆者氏は、(A),(B)単体を見ながらも、文脈に従ってその情報を同時にイメージし、 それにもとづいて、 (A)連れていくけど、気に入らないと思う (B)一緒に行っても気にいらないと思うから、連れて行かない と理解しているのだと思われます。 筆者氏が補い、イメージしている省略情報は具体的になにか、ということがポイントのように思います。 (B)You wouldn't like it. 1) Can I go with you(and see the film)? いっしょに行って(映画を観て)もいい? に対して、 You wouldn't like it. 気にいらないと思うよ と言うのは、本来は、 仮にいっしょに行って(映画を観て)も、その映画は君の気には入らないと思うよ という意味の発言であるはず。 また would明らかに仮定法だから、省略情報はif節・仮定法と考えるのが最も一般的。 とすると、省略情報のif節は、 仮にいっしょに行って(映画を観て)も、という意味の仮定法と考えるのが最も一般的。 2)よって、ここのif節は、たとえば、 If you came with us (and saw the film), (英語のかたちはいろいろあるとしても、意味はこのようなものになるはず。 ただし、この英文は、説明の必要上かなりぎこちないものになっています) このif節は、仮定法過去。 仮定法は、実現可能性がゼロまたは希薄な仮定ばかりでなく、ある程度実現性のある仮定を表すこともあるが、結局は、直説法とくらべて、相対的に実現性のとぼしい仮定を表す(却下条件)。 話者は、実現を望むとは限らず、逆に実現してほしくないと考えていることもあり、いずれにしても、 ここでの話者は、いっしょにいくことの実現可能性をあらかじめ通常より低く見積もっている。 (came仮定法過去のかわりにwere to come またはshould come仮定法未来もありえ、 その場合saw はsee ) ifは譲歩(……だとしても)。 ↓ あらためて直訳すると: あくまで仮定のうえでの話しだがかりにいっしょに行ったとしても 意味: そもそもいっしょに行くことは(ほぼ)実現しないと思うが、というニュアンスが前提としてある。 つまり、いっしょに行く(連れて行く)ことについて少なくとも消極的または否定的。 ここをふまえて、筆者氏は (B)……連れて行かない と説明しているのではないでしょうか。 つまり、厳密には、 >(B)の中に拒絶の意味がある のではなくて、 (B)に伴うはずのif節の中に(消極的な姿勢も含めて)拒絶の意味がある ということなのではないでしょうか。 3) Can I go with you(and see the film)? いっしょに行ってもいい? Um. You wouldn't like it. うーん。君の好みじゃないんじゃないか。 この応答の部分をかりにくどさをかえりみずにパラフレーズしてみると、 Um. If you came with us (and saw the film), you wouldn't like it. うーん。来ても、君の好みじゃないんじゃないか。 So, you'd better not come with us. だから来ないほうがいいかな。 というようなことになると思われます。 これは、Can I go with you? の問に対して、 No. You have to stay. などのように全面的・直接的な否定で答えるのではなく、 一定の理由を付けたうえで、消極的な姿勢または間接的な否定で答えているわけで、 拒絶のしかたが、婉曲になっていると考えられます。 (A)You won't like it. 1) Can I go with you(and see the film)? いっしょに行って(映画を観て)もいい? に対して、 You won't like it. 気にいらないと思うよ と言うのは、本来は、 仮にいっしょに行って(映画を観て)も、その映画は君の気には入らないと思うよ という意味の発言であるはずで、 また won'tは明らかに直説法だから、ここの省略情報は、 仮にいっしょに行って(映画を観て)も、という意味のif節・直説法と考えるのが最も一般的。 2) よって、ここのif節は、たとえば、 If you come with us (and see the film), 直説法の条件文で、実現可能性50/50の単なる仮定(解放条件)。 つまり ここの話者は、いっしょにいく可能性を少なくとも50%は認め、そのうえで単に仮定を述べている。 仮定法(came, saw)の場合より、実現可能性を相対的に高く見積もっている。 ifは譲歩(……だとしても)。 ↓ あらためて直訳すると: もしいっしょに行ったとしても 意味: いっしょに行くことの実現可能性を、相手の意思次第として認めることが前提となっている。 つまり、いっしょに行く(連れて行く)ことについて(ある程度)肯定的。 ここをふまえて筆者氏は、 (A)連れていくけど…… と説明しているのではないでしょうか。 つまり、厳密には、 (A)の中に肯定の意味があるのではなくて、 (A)に伴うはずのif節の中に肯定の意味がある ということのように思われます。 3) Can I go with you(and see the film)? いっしょに行ってもいい? Um. You won't like it. うーん。君の好みじゃないと思うけど。 この応答の部分をかりにパラフレーズしてみると、 Um. If you come with us (and see the film), you won't like it. うーん。来たとしても、君の好みじゃないと思うよ。 But you can come with us, if you don't mind that. だけどそれでよければ来ていいよ。 または Yes. But if you come with us (and see the film), you won't like it. うん。けど、君の好みじゃないと思うよ。 So you can come with us, f you don't mind that. でもそれでよければ来ていいよ。 のような感じでしょうか。 これは Can I go with you? の問いに対して、 Of course, you can. などのように全面的・直接的な肯定で答えるのではなく、 来るのは自由だが(連れて行けといえば連れて行くが)、結果は自己責任で というように 一定の留保を付けて、ワンクッションおいた、ある意味消極的な肯定で答えているのだと思われます。 -------------------------------------------- I ask you to deliver my order by Dec.5. 12月5日までに届くようにして欲しい に対して It will not arrive by Dec.5. は、 will→直接法のif節が含意されていて、 たとえば、 If we ship it quickest, it will not arrive by Dec.5. 最速で出荷しても、間に合わないような状況である 直説法ship:こちらとしては(少なくとも50%の)出荷実行の意思はある (出荷されて困るなら、その旨意思表示せよ) のような意味。 You would not receive it by Dec. 5. は、 would→仮定法のif節が含意されていて、 たとえば、 If we shipped it quickest, you would not receive it by Dec. 5. (あくまで仮定の話しだが)最速で出荷しても、間に合わないような状況である 仮定法shipped:こちらとしては出荷実行の意思は低い(出荷は避けたい) (出荷を望むなら、その旨意思表示せよ) のような意味。 というようなことなのではないでしょうか。 いずれにせよ、このような連絡をもらったら、注文主としては、そのままにするのではなく、あらためて、向こうの意思を確認するとともに、配送をうながすなり断るなりする意思表示(返信)を当然にしなければならないでしょう。 -------------------------------------------------------------------------------------------- >どのような使い方がほかにありますか? >どんな場合に拒絶の意味が含まれるのでしょうか? 冒頭のくりかえしになりますが、 筆者氏の言いたいのは、 この文脈(映画と配送)においてはこのように理解できる(または理解しなければならない)、 というぐらいのことなのではないでしょうか。 ポイントは、 依頼の問いへの応答で will→省略されているif節が直説法→if節実現可能性あり(→話者の意思としては実現させるつもり) would→省略されているif節が仮定法→if節実現可能性希薄(→話者の意思としては実現を控えるつもり) と考えるべき場合があるということでしょう。 わたしは、この文脈(映画と配送)に示された筆者氏の考え(とわたしが考えるもの)が不合理であるとは思いません。 長文失礼いたしました。 ============================================== 余談(もっぱら自分の頭を整理するためにまとめたもの)です。興味があれば、お読みください。 基本 直説法の仮定:実現性50/50の単なる仮定 仮定法の仮定:実現性ゼロまたは希薄な仮定 援用 仮定法は、いつでも実現性ゼロ・希薄なのではなく、ある程度の実現性を表す表現として使われることもあります。つまり仮定法の実現性はゼロからある程度まで幅があり、 場面に応じて、いろいろなニュアンスで使われるようです。 けれども、直説法にくらべて、相対的に実現性が低いということには変わりがないように思われます。 Could you help me? 形を仮定法にすることで、 実現性は低い〔無理に手伝ってくれということではない〕と言っているが、 同時に 実現性ゼロ・希薄ではなく、ある程度実現性がある〔手伝ってくれませんか〕 ということも意味している表現。 仮定法の実現性ゼロ・希薄をゆるめた使い方。 ビジネス英語 If we offer a 6% discount, what will you say? 当方が6%割り引くと、どうなりますか? 直説法。単なる仮定。割引きをある程度現実的なものとして提示。 If we offered a 6% discount, what would you say? (あくまで仮定の話しですが)当方が6%割り引くと、どうなりますか? 仮定法。割引きの現実性を相対的に低いものとして提示(相手の出方をうかかがう感じ?)。 If you offer a 6% discount, we will buy a larger quantity. そちらが6%割り引くなら、買付けを増やします。 もし相手が割引きをOKしたら、買付けを増やす責任を負う。 If you offer a 6% discount, we would buy a larger quantity. そちらが6%割り引くなら、買付けの増量を検討します。 相手には直説法offerによって割引きをそれなりに現実的にせまりながら、 自分のほうは仮定法wouldで、増量する可能性がある(にとどまる)、として、確約を避ける という取引上のかけひきをやっているわけです。
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- Hornblower
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You won't like it.は未来のことを表しています。 映画を見てからでないと嫌いかどうかわかりません。つまり、「映画を見ることを」前提として、【見終わった時点】のことを、未来形で表しています。 一方、You wouldn't like it.は、【現在の時点】で、「仮に見たとしても好きではないだろう」と、仮定法で推定しています。拒絶というほど強い意味は生じませんが、連れて行くのに乗り気でないことを暗示しますね。
ずいぶん思い切ったことを書く雑誌ですねぇ。私にはとてもそんな勇気はありません。母語の日本語でだって... たぶん筆者の方は (1') I will take you there, but you will not like it. (2') If I took you there, you would not like it. (3) I will send it to you, but it will not arrive by Dec.5. (4) If I sent it to you, you would not receive it by Dec. 5. というつもりなのだと思います。 仮定法なら事実に反する仮定だから,それぞれ,「連れて行かない」「送らない」という風にしたのだと思います。しかし,いずれも状況次第でそうなることもあればならないこともあります。 文脈なしにこれを提示されたら,普通は (1) You won't like it. (君の好みじゃないよ) (2) You wouldn't like it.(君の好みじゃないと思うけどなぁ) (3) It will not arrive by Dec.5.(12月5日までには届きません) (4) You would not receive it by Dec. 5.(お受け取りはおそらく12月6日以降になるでしょう) くらいでしょう。仮定法なら「それでもついてくる?」「それでも送りますか?」というニュアンスが出ることもあるでしょう。イントネーションや口調によるところも大きいでしょう。 「君の好みじゃないと思うけど」と言えば,間接的な拒絶の意味になることは多いでしょうが,もしその意味しか思い浮かばないとしたら,想像力が不足しているか,言語感覚が貧しいと言わざるを得ませんね。 直説法ならなおさらです。You won't like it. のほうがよほど明確な拒絶になることが多いと思いますがねぇ。
お礼
お答えありがとうございました。 例文の状況で、”You wouldn't like it." や ”You would not receive it by Dec. 5”と言われたら、私なら一緒に行くことを期待したり、商品を待っているだろうな。と思いましたが、結構有名な英語が母国語の方が書かれたエッセイだったので、どういうことなのかな?とずーと悩んでいました。
- ohboy729
- ベストアンサー率41% (244/589)
感覚的ですが連想した文を書いてみます。 You say you want to marry her, but,(if I were you ) I wouldn't . (君は彼女と結婚したいと言うが、もし僕が君なら、しないね。だからやめとけば?) 拒絶と言うより仮定法で「もし、-なら・・しないだろう。だから、やめとけば?」という説諭、諭し方だと思います。 (A)連れて行くことは行くけど気に入らないだろうけどいいの? (B)もし見たらきっと気に入らないだろうからやめとけば?.( if you watched it, you would not like it.) こんな意味だと思います。
補足
(B)もし見たらきっと気に入らないだろうからやめとけば?.( if you watched it, you would not like it.) 私も、ここまでは考えられたのですが、筆者は以下のように”連れていかない。”という含みがあるのだと言っています。 「また、”You wouldn't like it.”と言ったら、(B)「一緒に行っても気にいらないと思うから、連れて行かない。」という意味になります。」 さらに、もう1つ次のような例文もありました。 「12月5日までに届くようにして欲しい」という商品送付の依頼に対する返信として、It will not arrive by Dec.5.と言えば「間に合わないが、それでも送る。」 You would not receive it by Dec. 5. と言えば「間に合わないから送るつもりはない。」という意味になります。 ここでも、「送るつもりはない」という含みがあると言っています。
お礼
>長文失礼いたしました。 いえ、いえ、とんでもありません。 ご丁寧な解説をありがとうございました。 自分自身の中では、仮定法の仮定:50/50ぐらいに考えておりましたので、このエッセイは衝撃でした。 私が、こんな複雑な状況に遭遇することはないと思われますが、小説等を読む際に役立つのではないかと思われます。 これから、lanwtwisさんの解説を熟読させていただきたいと思います。 本当に、ありがとうございました。