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「いうべくは」の文法上の解釈
「いうべくは」という言い方を短歌などで見ることがあるように思いますが、その解釈がはっきりわかりません。 例えば、斎藤史さんの歌に「ゆめに来むおもかげびとと言ふべくは髪白きまで老いしわれらよ」というのがあります。夫が死を迎えるときの歌で、夫を想っての相聞歌といっていいものでしょうが、この「言ふべくは」の意味と文法上の解釈を教えてください。「べく」は助動詞「べし」の連用形ですが、当然でしょうか、可能でしょうか(連体形の「べき」とした場合と意味がどう異なるのでしょうか)。また「は」は取り出していう普通の係助詞でしょうか。全体の直訳は「夢に浮かぶ愛しい人というべくある人は髪白きまで老いてしまったお互いであるよ」というようなことでしょうか。よろしくお願いします。
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noname#14748
回答No.1
この「は」については、「ば」という接続助詞だという説もあります。すると「べく」は未然形と考えられます。平安時代から仮名書きが使用されるようになってから、長きにわたって濁音・半濁音が表記されませんでした。だからこういう説もあり得るわけです。しかし、いずれにしても、「仮定条件」であることに変わりはありません。 問題は「べく」がどういう意味なのかです。「べし」の意味は何種類も考えられますが、この場合は「可能」でどうでしょう。すると「言えるならば」となりますね。 しかし、この歌、何となく解釈しにくい歌ですね。「死んだあなたの面影が、人が言うように夢の中に出てくると言えるなら、その時はお互い髪が白く年老いていることでしょう」
お礼
「は」が現在の「ば」と同じ仮定条件とは思っていなかったので、大変勉強になりました。それにしてもこの歌全体の意味は「べし」を可能としても正確にはわかりずらいですね。ありがとうございました。