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「生きとし生ける」と「ありとあらゆる」
タイトル文の両表現は、意味の強調の為に、連用形と連体形とを格助詞「と」で繋いでいますが、こういう方式が採用され始めた切っ掛けが、もし学術的に解明されているのでしたら、教えて頂けますでしょうか?
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もともと、動詞の連用形に、同じ動詞を重ねて動作の継続を表していました(例文1)。 1.吾(あ)は子を生み生みて、生みの終(はて)に三柱の貴き子を得つ。(古事記・上) この形に間投助詞の「し」「を」が挿入されることもあります。 この1の形に、「「に」「と」が挿入されて例文2,3の形となります。 2、桜花ふりにふるとも見る人の衣濡るべき雪ならなくに(貫之集) 3、秋風の吹きと吹きぬる武蔵野はなべて草葉の色なかりけり(古今集・821) 例文2、3は、継続とも捉えられますが、むしろ強調と見たほうが自然であろうとも思われます。「生きとし生ける」「ありとあらゆる」はもちろん3の形です。上代は2の形が専らで、平安時代以降2、3の形が並存するようです。 この場合の「に」「と」は、副詞語尾の「に」「と」と同じだろうと私は思っています。「ぐるぐるに巻く」「ぐるぐると巻く」の「に」「と」です。 此島正年の『国語助詞の研究』(昭和47年、楓風社〈現社名おうふう〉)には、 一度名詞化し(連用形名詞)、それを「に」が受けて「~の状態に」の気持ちで下の動詞へ続けたのであろう。そうして後に平安期になって、前述のように「と」が優勢になると「と」が挿入されるようになったのだろう。(82ページ) とあります。例によって要点のみの回答ですので、詳細は『国語助詞の研究』をご覧ください。他の説なども紹介してあります。
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- kimosabe
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回答No.2
No1です。 楓風社は「桜楓社」の誤りです。 失礼しました。
補足
有り難う御座います。 助かりました。