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放射化学 安定核種について
次の核種の組み合わせのうち安定核種を含むものはどれですか?(数字は質量数です。) (1)23Na、24Na、25Na (2)28Al、29Al、30Al (3)32P、33P、34P (4)40K、42K、43K (5)56Mn、57Mn、58Mn 色々調べたのですが全くわかりません(T_T)わかる方理由もつけて教えてください。お願いします(>_<;)
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>陽子数と中性子数の数が等しいときに最も安定になりますよね? いいえ違います。 確かに、陽子同士や中性子同士の間に働く核力よりも、陽子と中性子の間に働く核力の方が強いため、核子の総数が同じ核種同士を比べると、陽子と中性子のペアが多い核種の方が、核力は強くなります。 (例えばC14とN14を比べるとN14の方が内部で働いている核力が強いはず) 原子核の安定性が核力だけで決まるのであれば、陽子と中性子のペアが多い核種が、より安定すると思われます。 ですが、原子核の中で働いている力は、核力だけではありません。 2個の粒子の間に働く電気的な力の強さは、各々の粒子の帯びている電荷の積に比例します。 つまり、原子核中の陽子の1個に注目し、その陽子を除いた原子核の残りの部分を1個の粒子とみなすと、陽子が受ける電気的反発力の強さは、「原子核の陽子数-1」に比例します。 ですから、陽子数の多い核種ほど、電気的反発力が強くなり、その反発力を押さえ込んで安定な核種となるためには、「より強い」核力が必要となります。 核力を強くするためには、原子核を構成する核子の数を増す必要があり、陽子数の多い核種では陽子数の少ない核種と比べると、中性子の割合が多い方が安定となります。 (天然に存在する同位体の混合物である元素の、原子量を調べてみると、例外はあるものの、おおむね原子番号の大きな元素ほど、原子量を原子番号で割った値が大きくなって行く傾向が見られます。マジックナンバー等の他の要因もあるため、逆転しているところも少なくありませんが) ですから、質量数が比較的小さい所では、N14は安定核種で、C14は放射性核種となりますが、質量数が大きくなると、Pb208が安定核種であるのに対し、Rf208(Rf:104番元素ラザホージウム)等と言う核種はおそらく存在する事すら出来ないと思われます。 上記のような要因を初めとする、前回ANo.3で書いた複数の要因が絡み合い、それらがバランスしている核種(放射線を出すとエネルギー収支が赤字になる)が、安定核種となるのです。
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- Tacosan
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He4 が安定すぎる反動として, Be8 が不安定な核種になっちゃってます. 質量数が小さく陽子と中性子の数も等しいんですが, Be8 → α+α の反応を起こします. 一応, 最小のα崩壊核種といっていいのかなぁ? Li5 も α崩壊といえばいえるけど, 実体は陽子放出だし. ちなみに nα の形 (つまり陽子と中性子がどちらも 2n個) の核種で不安定なのは, Ca40 まででも Be8 だけのはず.
お礼
何とかわかりました。ありがとうございました(^_^*)
本が手元に見つからないので関係しそうなサイトを。 http://www4.ueda.ne.jp/~guoningqiu/dojutaihome/index22.htm 内容は私の知識の範囲では知らない理論を使っているので不明。
お礼
何とかわかりました。ありがとうございました(^_^*)
- kagakusuki
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Naは23、ALは27、Pは31、Kは39と41、Mnは55が安定核種です。(ここは自信あり) 原子核にはプラスの電荷を持つ陽子と、電気的には中性の中性子が含まれていて、原子核を構成する粒子と言う意味で、この2種類の粒子の事を総称して核子と呼びます。 陽子同士は、同じ極性を持つ電荷を持つため、電気的には反発しあうため、離れている方が電気的には安定します。 しかし、核子同士の間で働く力は、電気的な力だけではありません。 核子同士が仮想的なπ粒子を交換する事で伝達する強い核力(通称「強い力」)、Z粒子やX粒子のようなウィークボソンを交換する事で伝達する弱い核力(通称「弱い力」)、重力量子を交換する事で伝達する重力、等もあります。(因みに、電気力や磁力はともに電磁力という力が異なる表れ方をしたもので、仮想的な光子を交換する事で伝達します。) このれら中で弱い力や重力は、力の到達距離が短すぎたり、力の強さが弱すぎたりするため、原子核の安定性には余り影響しません。(弱い力はβ崩壊に関る力なので、少しは影響しています。) 強い力は核子同士の距離が近すぎる場合には反発力となり、ある程度の距離までは引き合う力となり、離れている場合には力は到達しません。 核子同士の距離が原子核内程度の距離の場合には、強い力は引力となって、核子同士を引き合わせています。 陽子の数が多過ぎる場合、電気的な反発力が大きくなるため、原子核は不安定となり、量子力学の不確定性原理により、強い核力を振り切ったり、すり抜けたりして、α粒子が放出されます。 このため、陽子の多過ぎる核種は安定にはなりません。 それなら、中性子が多ければ、多いほど安定になるような気がしますが、そうはなりません。 中性子同士に働く強い力は、陽子同士に働く場合と同程度なのですが、陽子と中性子の間で働く強い力はそれよりも強いのです。 又、中性子の質量は939.56563MeVで、陽子の質量の938.27231MeVと電子の質量の0.5110MeVを足し合わせたよりも大きいのです。 質量とエネルギーは等価ですから、質量の大きい粒子はその分エネルギーが高く、自身が持つエネルギーだけで他の状態に変化する余地が大きいため、不安定となります。 質量が大きい中性子同士が弱く結合しているよりも、中性子を陽子と電子に分離させ、生じた陽子と元からある中性子の間で強い結合を作ったほうが、全体のエネルギーを考えると安定です。 そこで、原子核はβ粒子(電子)を放出して安定になろうとします。 しかし、中性子が少なくなり過ぎて、陽子の割合が増え過ぎると、電気的に不安定となります。 こうして、 ・陽子同士が離れる事によって解放する電気的なエネルギー ・核子同士が核力によって結合するときの結合エネルギー ・[中性子の質量エネルギー]+[中性子同士の結合エネルギー]と[陽子の質量エネルギー]+[電子の質量エネルギー]+[陽子と中性子の結合エネルギー]の差 等々がバランスしたところが安定核種となります。 このほかにも、表面エネルギー、陽子と中性子の数の違いによって生じる対称エネルギー、核子のクラスター構造の関係で生じるマジックナンバー、等々も関係するのですが、そのあたりは私にも良く判りません。 余談ですが、理科年表はポケット版ならば定価1,400円+消費税で販売されています。 他の専門書等と比べれば格安で、データーもそれなりに豊富なので、購入すれば科学関係のちょっとしたデーターを調べるだけのために、わざわざ休日まで待って図書館へ行く手間が省けます。
補足
丁寧に説明していただきありがとうございました(>_<)一つ疑問に思ったのですが、「Naは23、ALは27、Pは31、Kは39と41、Mnは55が安定核種」とありますが、陽子数と中性子数の数が等しいときに最も安定になりますよね?ですがこれは中性子数が一つ多いのにどうして安定核種となるのですか??重ね重ねすみませんが、宜しくお願いしますm(_ _;)m
- kagakusuki
- ベストアンサー率51% (2610/5101)
同じく、調べ方だけ。 理科年表(文部科学省 国立天文台 編)の 物理/化学部 原子,原子核,素粒子 安定同位体 のページでも調べられます。
補足
調べ方を教えてくださってありがとうございます。ですが近くに図書館がなく、その本を買うわけにもいかないのでできれば教えてくださるとありがたいです(_ _;)しかもこの問題はレポート等ではありませんので…。勝手ですが宜しくお願いしますm(_ _)m
>色々調べたのですが全くわかりません 調べ方だけ。 化学便覧 基礎偏 第一分冊 同位体 の項目約10ページを読む。 5分か10分も有れば全部引き終わる弟子用。
補足
調べ方を教えてくださってありがとうございます。ですが近くに図書館がなく、その本を買うわけにもいかないのでできれば教えてくださるとありがたいです(_ _;)しかもこの問題はレポート等ではありませんので…。勝手ですが宜しくお願いしますm(_ _)m
お礼
何回も丁寧にすみませんm(_ _;)mおかげで何とかわかりました。本当にありがとうございました(*^_^*)