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配列決定について
- ゲノム配列を決定する際のショットガン法について
- cDNAの操作についての疑問点
- プロトコールのサイトや本を参考に求める情報について
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1のご質問に答えて、 ゲノムDNAといった場合、1コピーというわけではないことはわかりますよね。生物から抽出するのですから、大雑把にいって、そこに含まれている核の数だけ(二倍体ならさらに倍)のコピー数があるわけです。仮に2 マイクログラムのヒトゲノムDNAから、ゲノムライブラリーをつくるとします。ヒトのゲノムサイズが約3 Gb、分子量が約2 x 10の12乗ですから、2 マイクログラムは1 x 10のマイナス18乗mol、これにアボガドロ数をかけて、ざっと10万コピー以上のゲノムDNAがふくまれていることになります。これを酵素や超音波でランダムに切断するので、ずべてのコピーが同じところで切れるということはまずないのです。ですから、よっぽどのことがない限り、かならずオーバーラップはとれるのです。 ゲノムプロジェクトで、ショットガンをやる場合、読んだ全塩基数がゲノムサイズの2-3倍、ときには10倍くらいになるようにします。ヒトゲノムでいうなら最低でも10 Gb分くらい読むのを目標にします。そうすることで、ランダムなDNA断片を読んだとしても、一度も読めなかった領域というのがきわめて少なくなるのです。 また、真核生物のゲノムサイズは大きいので、いきなりショットガンでシークエンスはしません。まずゲノム全体をカバーするBAC, Cosmidを用意して、それらをそれぞれショットガンシークエンスすることで、サンプリングの偏りが少なくなるようにしています。
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- geneticist12
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2のご質問について タンパク質の分析をスタートにして、cDNAのクローニングをするための2つの異なる戦法について記述しているのだと思います。すなわち、 1.アミノ酸配列から、オリゴDNAプローブを設計して、cDNAライブラリーをハイブリダイゼイションでスクリーニングする(PCR普及以前によく行われていた)。 2. アミノ酸配列から、PCRプライマーを設計して、RT-PCRをする(こうして得られたcDNAは、全長のうちごく一部分なので、さらに、これをプローブにしてライブラリーをスクリーニングしたり、RACEをして全長をとる。PCR普及後はこっちの方がポピュラー)。 そのほかにも、精製したタンパク質で抗体をつくり、発現ライブラリーを抗体反応でスクリーニングする方法もありますね。 蛇足ですが、ベクターにクローニングしたDNAをシークエンスするときは、MCSの数十塩基そとがわの配列に対応するプライマーをつかいます。
お礼
丁寧にお答えいただきありがとうございました。 色々な方法があるのですね。RT-PCRやRACEについても勉強になりました。ここであのホットスタートなんだぁとか本を見ながら納得してしまいました。ありがとうございました☆
お礼
ありがとうございます! ゲノム配列決定で用いられたショットガン法は、染色体歩行などのようにプローブを用いて既知配列を繋げていくのではないのですね。とにかく多くの配列を読んで繋げるという方法は、たしかに自動化にも向いているように感じました。DNA濃度からコピー数を計算する例も勉強になりました!ありがとうございました。