不連続点が1周期内に有限個の周期関数ならすべてフーリエ展開できるわけではありません。例えばy=tan^3(x)とすると周期はπで奇関数なので[-π/2,π/2]の区間でフーリエ展開しようとすれば、sin(2nx) (n=1,2,3…)で展開することになりますが、フーリエ係数は定義できません。sin(2nx)はすべてx=±π/2 で0になるので、これらの重ね合わせでx=±π/2 で発散する関数を表わすことには無理があります。しかしx=±π/2 で発散する関数でもy=tan(x) ならば(良い近似ではないが)
tan(x)~2(sin(2x)-sin(4x)+sin(6x)-sin(8x)+…)
というフーリエ展開が定義されます。このように「全ての周期関数」のようなものを考えることは一般に困難で、「絶対値の二乗が可積分である関数」のような制限を付けて理論が作られています。これがL^2と呼ばれる関数の空間です。上のtan^3(x)やtan(x)はL^2に属さないのでフーリエ展開できることが保証されていません。しかしL^2に制限することは問題を矮小化するものだと言う批判も可能でしょう。実際にやって見るとtan(x)はフーリエ展開できそうに見えます。フーリエ展開については多数の教科書があるので一般論は割愛します。ご質問は周期関数にどのような種類のものがあるかと言うことなので、二重周期関数について触れるべきでしょう。有限領域で極以外の特異点を持たない1価正則な二重周期関数を楕円関数と呼び、大変重要なものになっています。最近注目されているのは
周期運動→準周期運動→カオス
という遷移です。力学系の二つの自由度がそれぞれ、周期T1とT2を持つ時、この比が有理数ならばアトラクタは閉曲線となり、いつかは元に戻ってくることになります。しかし比が無理数の時、アトラクタはトーラスとなり、いつまでたっても元には戻りません。このとき準周期運動であると呼ばれます。
お礼
どうもありがとうございます。勉強させていただきます。