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昭和史論争って何ですか
教育学部の学生です。歴史教育をめぐる論争の一つとして昭和史論争というものがあると習ったのですが、昭和史論争とは何ですか?簡単でいいので教えてください。
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- makochi
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「~論争」は、1955年に出された岩波新書の『昭和史』(遠山茂樹・今井清一・藤原彰著)に端を発します。 論点はいくつかありましたが、主として昭和期の戦争責任をめぐって、その歴史における人間の存在(あり方)が争われました。 ここで批判されたのは、講座派マルクス主義史観による「人間不在の無味乾燥な歴史」であり、同書が「党派、思想によって人物や事実の評価が大きく変わる」典型例だとされました。 近年ではいわゆる「自由主義史観」この批判を行った亀井勝一郎を引き合いに出して、「戦後歴史学」の自虐性とやらを批判していますが、亀井自身は「皇国史観」によって歪められた戦前の歴史学を批判しており、自由主義史観のそれとは根本的に違います。 前置きが長くなりましたが、歴史教育におけるそれは、第1には、戦前の歴史である「皇国史観」を否定するあまり(当然否定されるべきですが)、「戦後歴史学」との代理戦争を歴史教育の現場に持ち込んだこと、第2に、歴史教科書の記述を出来事の羅列に終始させ、そこに在たはずの人間の存在を描くことを「歴史小説」に押し付けてしまったことと言えるでしょう。 共に、現代においても克服された課題とは言えません。逆に「昭和史論争」の論点が整理されないまま、自由主義史観の「新しい歴史教科書」などのトンデモ教科書の台頭を許しているのが実情です。 真に求められる歴史教育を考えるうえでも、「昭和史論争」を今一度読み返すのは意味のあることだと思います。 赤澤史朗さんの論文がググったら出てきたので、参考まで挙げておきます。
- kazuji-i
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「昭和史論争」とは、遠山茂樹ほか著『昭和史』(岩波新書、初版は1955年)によって引き起こされた論争です。 この本は、第二次大戦後はじめて昭和の歴史を簡潔に描き出したものでした。 特徴は、日本が戦前戦中の重大な事件などの捉え方に、「歴史の流れの総体を根本的に規定しているのは経済の動きである」という考えを取り入れた事です。 つまり「経済的基底還元論」といえる歴史解釈です。 これに対して、次のような批判が起きました。 「経済の動向ばかり描いて具体的な人間の姿や顔に欠けるのではないか」、「経済の動向がほかの次元に与えるインパクトばかりを強調しているのではないか」などです。 以上のことは、小田中直樹『歴史学ってなんだ?』(PHP新書、2004年)の45から46ページに書かれていました。
お礼
分かりやすい回答ありがとうございます。『歴史学ってなんだ?』を購入しました。勉強したいと思います。
- nigorizake
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たぶん、昭和の戦争=満州事変から太平洋戦争までの戦争が、侵略戦争か、日本の自存自衛の戦争か、という見方の違いのことだと思います。
お礼
回答ありがとうございます。戦争責任に関する論争なんですね。
お礼
回答ありがとうございます。