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変圧器鉄心中の磁束変化
一次側と二次側の巻線同士の電磁結合を考えた時、結合分と結合に資さない漏れリアクタンス分がありますが、鉄心中の磁束変化は何によって決まるか? 自分であれこれ考えると、結合分は一次側と二次側で相殺し合い、鉄心中の磁束変化は漏れリアクタンスにより決まりそうだと思うのですが、これを解説した資料が見つかりません。この辺の詳しい話を根拠とともに伺いたいのですが。
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回答(1)追記 1次側に交流電圧を印加し、2次側に負荷を接続した場合、 2次側の負荷電流が作る(仮想的な)磁束を、相殺するように1次側に流れる電流が変化することが、次のURLの資料で説明されています。負荷電流による(仮想的な)磁束が相殺されたあとにおいても、励磁電流が作る主磁束はそのまま残ります。 http://hirachi.cocolog-nifty.com/kh/files/20071118-1.pdf
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- ohkawa3
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1次6000V 2次200V 50Hz 100kVAの単相トランスを仮定して、鉄心の有効断面積を0.02m^2、1次巻数を900ts、2次巻数を30tsと想定します。 このトランスの励磁電流を定格電流の0.3%とすれば、2次側に換算した励磁インダクタンスは、200V÷(500A×0.3%)÷2πf=0.424H 励磁電流による磁束密度Bmは、0.424H×(500A×0.3%×√2)÷(0.02m2×30)=1.50T ということです。 上記と同様に、2次負荷電流による磁束密度Bmを計算すれば、0.424H×(500A×√2)÷(0.02m2×30)=500Tのような鉄心の飽和磁束密度の200倍以上のあり得ない値となってしまいます。 密結合トランスでは、2次電流によって発生すると想定される磁束を打ち消すように1次電流が流れることで、鉄心の磁束密度は、無負荷状態と比べてほとんど変化しません。 現実には、漏れ磁束が存在するので、無負荷の際の磁束密度Bm1.50Tが、負荷電流が流れた際には僅かに低下して1.499T程度になります。(漏れインダクタンスを3%と仮定した際の試算例)
- ohkawa3
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>結合分は一次側と二次側で相殺し合い、鉄心中の磁束変化は漏れリアクタンスにより決まる 残念ながら、上記の考え方が誤っているので、そのような解説資料が見つからないのは当然と思います。 主磁束が相殺されてしまったら、電力伝達が不可能です。主磁束が正弦的に変化することによって1次、2次巻線に電圧が生じることが変圧器の基本原理であることを再確認ください。 https://kanri.nkdesk.com/denki/denki10.php
補足
頂いた資料ですが、その種の資料は確かにいくらでも転がっていますね。 しかし、この種の資料では一次側の電流により二次側に電圧が発生するまでは説明されているものの、 残念ながら二次側に負荷を接続した状態を説明した資料ではありません。 二次側に負荷を接続した場合、二次側に負荷電流が流れますが、それにより発生する磁束までは説明された資料は少いのです。 ・もし二次側の負荷電流により磁束が発生しないならどうして発生しないのか? ・もし二次側の負荷電流により発生する磁束が無視できるならこれがどうして無視できるのか? これらを既知の法則などで説明するか、それを説明した資料を示して頂けませんか?
補足
いい資料ですね。 これで一応私の中で、理屈に一貫性が得られました。 【鉄心全周を通る磁束】 ①励磁による一次側巻線で発生した磁束は二次側巻線と鎖交し二次側に電圧を発生する。 ②①で発生した電圧に応じ、二次側負荷と二次側巻線に負荷電流が流れる。 ③二次側巻線の負荷電流により二次側巻線で磁束が発生し一次側巻線と鎖交する。 ④一次側巻線で③の磁束を打ち消すだけの磁束を発生する電流が一次側に流れる(ほぼ巻線の逆数比)。 結果として、鉄心全体としては、③の二次側負荷電流による磁束と④の一次側負荷電流による磁束が打ち消し合い①の励磁磁束だけが残る。 【鉄心を部分的に通る磁束】 また漏れリアクタンスについては、 一次側も二次側も、磁束は互いに鎖交することなく、 鉄心から空中に漏れまた鉄心に戻る経路で、それぞれの巻線単独と鎖交し、鉄心の巻線近辺の局所でのみ磁束が通過する。 ということで、 納得できました。 またこれにより、入出力の電流位相が常にほぼ一致する理屈が把握できた気がします。 追伸 この資料の先生は、パワエレでさんざん見てずいぶん参考にさせて頂いた方です。 でもこの資料は見たいことがありませんでした。 地味だけどなかなか見かけない素晴らしい資料です。