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心室肥大とST低下について。
心室肥大が生じると、心内膜下の虚血を伴ってST低下がみられるそうですが、虚血に至るまでのメカニズムが分かりません。 なぜ心室肥大が心内膜下の虚血を引き起こすのでしょうか?
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循環器の医師です。専門用語を使っておられますが、一般の方と思ってご回答します。基本的すぎる内容がありましたら失礼いたします。 心臓の筋肉は、冠動脈という心臓の栄養血管から酸素とエネルギーが供給されていますが、その冠動脈は心外膜側にあり、心内膜側に細かな枝を出しています。よって心内膜はその動脈の末端にあたり、もともと血流が不足しやすい所になります。さらに心筋の収縮により筋肉の内部は圧力が高くなり、血流が届きにくいのですが(結果的に冠動脈血流は主に拡張期に流れるという特性を持っています)、心内膜は最も圧力が高くなる場所なので、一層血流が不足しがちになります。心筋が肥大すると、冠動脈の守備範囲(筋肉の量)は増加し、心内膜は一層血流不足に陥りやすくなり、さらに筋肉内の圧力も増加するのでますます虚血になりやすくなります。 なお、細かな話ですが、虚血によっておこるST変化と肥大によっておこるST変化は形態もメカニズムも異なっており、上記はあくまで「なぜ心肥大で心内膜が虚血になりやすいか」のメカニズムです。
お礼
心筋肥大による心筋の増加に伴った心筋内の圧や収縮時の圧の増加が、冠動脈を圧迫して心内膜への血流を低下させるのですね。分かりやすく解答して頂き、大変有り難う御座いました。