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根軌跡法の軌跡同士が互いに横切り合うことは無い?
根軌跡法の一般的適用条件は省きますが、(かなり高次の場合)根軌跡同士が実軸上で重根となって点で重なる場合はあるけれど、複素平面上で根軌跡同士が互いに突き抜けて横切り合う場合は無いと考えていいでしょうか?無さそうな気がするんですがどうなんでしょう。理由が簡単ならそれも併せて知りたいと思います。ちなみに自明の場合もあるかもしれませんが、当方入門者なので一般的に自明でも当方にとってはよほど理解が容易でないと自明とは感じません。
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私は制御工学技術者ではありませんが、電気工学でも制御工学を学んでいますので、考えるところを述べさせていただきます。 被制御システムの伝達函数を G(s)、フィードバック系の伝達函数を H(s) としたとき特性方程式 1 + G(s) H(s) = 0 の左辺を、乗算のサフィクスとして 'i, 'j と表現することとして Π'i:1~m {( s - z'i )} / Π'j:1~n{ ( s - p'j )} = 0 …………… (1) で表したとき、現実の世界のシステムでは分子・分母を展開した s の整式の各べき乗の係数は実数でかつ正の数 ( 正実多項式 という ) となるよね。すると特性方程式では、実数でない複素数根の軌跡が交わるという事は、式 (1) の中の因数の一部に、定常ゲインなどのパラメーターの変化に対して、 k = 1, 2 a'k^2 < b'k として、乗算のサフィクスを式 (1) と同じように 'k, '1, '2, 'ⅰ, 'ⅱ, 'ⅲ, 'ⅳ を用いて ( s + z'ⅰ )( s + z'ⅱ )( s + z'ⅲ )( s + z'ⅳ ) → ( s^2 + a'1*s + b'1 ) * (s^2 + a2*s + b2 ) → ( s^2 + a'1*s + b'1 )^2 → ( s^2 + a'1*s + b'1 ) * (s^2 + a'2*s + b'2 ) …………… (2) という変化が起こるという事となる。従って正実多項式一般についていえば実数でない複素数根の軌跡が交わるという事は あり得ない事ではないとことになる。 しかし現実問題として上記の式 (2) のようなことはあり得るとは思えない。実数でない複素数として軌跡が交差するとなれば安定性の指標となる代表根が入替るという虞も出てくるが、世の中でそのような事が書かれたり議論されているテキストや論文は見たことがない。 このことに詳しい制御工学者がいたら、ぜひこの回答をカバーする回答を望みます。回答した私も興味が大いにあります。
補足
ご回答ありがとうございました。なかなか難しそうですね。Kを動かすと重根でなかったものが実軸上以外で重根化することは無いような気もしますが、はっきりとは分かりませんでしたので質問してみました。でも大体の様子は分かりました。とても参考になりました。