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【日中戦争】国際法についての質問です。
国際法についての質問です。 日中戦争での「重慶爆撃」は国際法違反に該当するのでしょうか?
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以前、調べたことがあります。 都市への無差別爆撃は、重慶爆撃に限らず、全て国際法違反だと思います。 ただ、どの国際法の、どの条文が適用されるのか、曖昧な記憶でしたので、今回裁判事例で確かめました。 ずばり、被害者である重慶その他都市市民が、2006年3月、損害賠償請求裁判を東京地裁に請求した「重慶大爆撃裁判」が好例です。 東京地裁の第一審判決の要点は次のとりです。 (参考URL「上洛上京物語)から抜粋) 2015年2月第一審判決は、個人賠償請求に対しては「国家無答責」法理(1947年国家賠償責任法以前の賠償請求に日本は責任を負わない)、並びに国家賠償に対しては1972年の日中国交回復に伴う中国による賠償請求権放棄により、喪失したとする判断により、請求は却下されたものの、重慶爆撃は「無差別爆撃」であるとともに当時の国際法規「空戦法規案」違反であることを認定した。 ただし、2017年12月14日の東京高裁での控訴審判決では、「国際法規:「空戦法規案」違反」とする一審判決の94頁の7行から13行を削除し、「国際法規:「空戦法規案」違反」に関する判断を否認しています。 個人に対する国家賠償を避けるための策です。 参考:https://inmylifeao.exblog.jp/28875546/ 上洛上京物語 この裁判に関しては、福岡大学法学部教授・山下恭弘氏が原告の求めに応じて、東京高裁に意見書(重慶大爆撃訴訟の意見書)を提出しています。 長文で詳しいです。 福岡大学機関リポジトリ 「空襲被害者と国際法:重慶大爆撃訴訟を素材として」 https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=4028&item_no=1&page_id=13&block_id=39 国際法上の適用法規として、 1ハーグ陸戦条約第3条 2ハーグ空戦規則案:国際慣習法第22条、第24条 を示して、重慶爆撃は違法であると4-8ページにわたり解説されています。 この解説によれば、都市への無差別爆撃は、全て国際法違反だと思います。 なお、2ハーグ空戦規則案は条約として発効していないので実定法ではないですが、基本的な規定は慣習法化されているので、慣習国際法であると考えられています。 国際法について説明できるほどの回答ではないですが、何かの参考になれば幸いです。