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深層水発電について
深層水発電について、原理と発電装置について教えてください。後、発電機を作る際チタンが100万キロW/H級で6000t必要だとテレビでやっていたように思いますが、他の金属で駄目な理由があったら教えてください。 確か金属加工の本には、チタンの耐腐食性は、ステンレス程度だと書いていましたが。
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海洋温度差発電の研究レベルは100kWクラスです。(ご質問の1万分の1の大きさです) 500kWの送電に必要な施設の設計では毎時5000トン以上の海水をくみ上げ、1000kWを発電し、そのうち半分の500kWを海水をくみ上げるポンプの動力に使用する見込みです。熱交換器の伝熱面積(熱交換器に入っている熱交換用のパイプの表面積と考えてよい)が4000平方メートル必要とされています。 ところで黒部第4ダムは日本最大級の水力発電所ですがこの出力は常時わずか約10万kWで毎秒10トンの放水を必要とします。海洋温度差発電ではこれに比べてけた違いの水量を必要とするのがおわかりいただけると思います。 100万キロワットは原子力1基の大きさですが、最近建設されるガスタービンコンバインドサイクル発電所(たとえば東京電力の千葉とか横浜など)は40万クラスのタービンを8台ならべて発電所としての出力を3-400万キロワットクラスを確保しています。これらの商業規模に対抗できるような自然エネルギー利用の発電所は自然環境にかなりの影響が出ると予想します。 チタンが6000トンという以前に1万キロワットクラスをどうやって環境に影響を与えずに建設するのかが問題だと考えます。 海底の冷水は何千年の単位で沈殿しているものと聞いています。それを発電のために表層水といっしょに攪拌して放流してしまってよいとは誰も確認していません。貴重な海底生物も吸い上げられてしまうことと思います。 大規模な風力発電も10年前からジブラルタル海峡に設置され、以後アフリカからの渡り鳥の死骸が累々と見つかり問題点を指摘されてきましたが、近年日本でも大規模風力が「規制緩和」「活力」「特区」などの名目で環境への影響評価をせずに建設された結果、今年に入りオオタカの死骸が発見されました。 現在環境アセスは(発電出力を基準にしての)大規模発電施設のみですが、新規開発の際は明るい話しかしないことが多くマイナス面にも留意し発言することが必要と思います。 なお、チタンは強度がSUSより高いため薄肉化でき熱伝達がよく効率の向上が期待できます。また表面が平滑なのでフジツボやムラサキイガイなどの海生生物が付着しにくく効率の維持が期待できます。(通常の発電所では塩素ガスを注入して幼生を殺して付着しないようにしていますが、) また海水による腐食性、熱ストレスの強度などを勘案し新設の発電所ではチタンを使用しています。
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- ruehas
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こんにちは。 検索をなさるのであれば、「海洋温度差発電」というキーワードの方が一般的で情報が得やすいと思います。 基本的には熱回収発電システムで、古い順から三つくらいあります。 ランキン・サイクル カリーナ・サイクル ウエハラ・サイクル ランキン・サイクルの基本形を改良したカリーナ・サイクルは、ゴミ焼却場の熱回収発電機として既に広く実用化されていますよね。 温度、厳密には温度差があれば発電できるわけですが、ゴミ焼却場に比べたら海水の温度差なんて極僅かです。改良に改良を重ねて効率の問題を解決し、海洋温度差発電という夢をいよいよ実用化しようというのが、佐賀大学で研究をしていた上原博士のウエハラ・サイクルなのだそうです。 太陽の熱を蓄えた表層水と、温度の低い深層水の温度差を利用する熱回収システムで、主な構造は「蒸発器」と「凝縮器」というふたつの「熱交換器」と、「発電タービン」の三つに分かれています。それが「蒸発器-タービン-凝縮器」の順に組み合わされていて、この中を沸点の低い、主にアンモニアなどが「流体」として循環します(URL参照)。 蒸発器を温水(表層水)で暖めてやるとアンモニアは蒸発して高圧ガスとなります。この圧力で発電タービンを回します。凝縮気では冷水(深層水)で冷されたガスがアンモニア液に戻るので圧力は下がります。つまり、蒸発器からは高圧ガスが送り込まれ、凝縮器ではタービンの後ろからそれを引っ張るという形になります。凝縮器で液化されたアンモニアは再び蒸発器に送られてタービンを回します。つまり、暖めたり冷したりしている間は発電タービンを回すことがができ、それが海水を汲み上げるポンプに使われる電力を上回れば発電機ということになります。 何故チタンを使うのかという質問には、私は詳しく答えられません(ゴメンなさい)。 ただ、改良に改良を重ねたウエハラ・サイクルでは、従来のコア・チューブ式の熱交換器よりも効率の良い「プレート式熱交換器」が採用されるに至ったという記事はひとつ見付かりました。 チューブ式というのはチューブの中を流れるアンモニアを外から海水で冷したり暖めたりするものですが、プレート式というのは、プレートで隔たれた二液が熱交換を行なうため表面積が広くなるはずです。そのために選ばれた材質がチタンだったということではないでしょうか。もちろん、ステンレス製のプレート式熱交換器というものもこの世には幾らでもあるはずです。 海洋温度差発電の効率の要は蒸発器と凝縮器のふたつの熱交換器です。参考図でも分かるように、ウエハラ・サイクルでは他にも様々な改良が成されています。どうやら、海洋温度差発電の実用化というのは効率との戦いだったようですね。 中でも特徴的なのは、ウエハラ・サイクルが流体に純粋なアンモニアではなく、水とアンモニアを混ぜた「混合流体」を使っているということです。それに就いては、以前別の質問に答えたことがありますので、もし宜しければそちらも参考にして下さい。 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=708518
お礼
回答有難うございました。楽しく読ませていただきました。水とアンモニアを混合すると比熱が大きくなって発電効率が落ちるような気がしますが・・どうしてうまくいくのでしょうね。
- kwgm
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>深層水発電について原理と発電装置について教えてください。 沸点の低い液体(アンモニア?)を沸騰させて、その蒸気でタービンを回して発電します。 タービンを回した後の液体を冷たい深層水で冷やし液体に戻し、 それをまた沸騰させて、以下同文です。 >チタンの耐腐食性はステンレス程度だと書いていましたが。 耐腐食性が問題なのではなく、(熱交換器の)温度の伝わりやすさの問題だと思います。 情報源は私もそのTV番組だけですので「自信なし」で。
お礼
さっそくの回答有難うございました。熱伝導どの話だとすると、基本的に重たい金属の方が熱を通しやすいのでそんなに変わらないような気がします。多少効率が下がってもコストの安い方が有利なような気がするのですが。
お礼
問題意識あふれる回答有難うございました。環境にいいとTVではやっていましたが、色々な問題があるのですね。又風力発電も貴重種にたいして影響が出ていると走りませんでした。今後化石資源が枯渇してゆく中資源開発の行方は厳しいのでしょうか。