>社会人になって十数年、数学や古文はまったくと言っていいほど、使うことがありません。
どストレートに失礼なことを申し上げると、それは質問者さんがそういうものが必要としない、あまり高尚ではないお仕事に就かれているからです。ただ、そのお仕事を進めるためには、少なくとも数学の力が必要です。
質問者さんが家に住めるのも、どこかの数学が得意な人が設計図を書いて家を建ててくれたからです。今度の台風19号で家が傾かなかったのも、地震がきても家が崩れなかったのも、数学が得意な人が計算して強い家を建ててくれたからです。
質問者さんが滞りなく通勤できて毎日ご飯を食べられるのも、数学が得な人がちゃんと橋をかけてくれてトンネルを掘って、自動車を設計して鉄道を敷いて、こんだけの食べ物の量が必要だなと計算してくれてその分を届けてくれるからです。
私も仕事でExcelを使っています。中学数学レベルの知識がなければ、Excelは使えません。そしてこのExcelも私よりはるかに数学が得意な人が作ってくれました。
さて古文。古文書を読むことで、昔に何が起きたのかを知ることができます。平安時代に東北地方で大きな地震があったと古文書に残っています。貞観地震と呼ばれます。東日本大震災レベルの地震であったことが近年の研究で分かってきました。千年に一度はああいう災害が起きるということが分かります。
東北各地に、古い石碑が残っています。「ここまで津波が来て、大勢が亡くなった。ここまで津波は来るから注意するように」と彫られています。昔の人が未来の人のために残してくれた警告です。
未来を予測することはできませんが、過去の積み重ねを調べてゆけば、ある事例までは起きることを知ることができます。それはそれこそ「ここの交差点は事故多発地帯です」ということもまた歴史のひとつです。それが分れば道路を改修して事故が起きないようにすることもできます。その記録と記憶を残さなかったら、そこで何度でも事故が起きることでしょう。
どこかの誰かが古文を調べて調査してくれて、どこかの誰かが計算してくれたから私たちの生活は成り立っています。自分が使わないからといって、世間じゃ要らないわけじゃないです。質問者さんとて、お金の計算ができなきゃ困りましょう。