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現代とは考え方の違う古典名言の翻訳例お願い
- 現代と考え方の違う名言の翻訳例を教えてください。
- 科学は昔は神の摂理を知る道と考えられていました。
- 古典名言の翻訳について皆様の意見をお聞かせください。
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「お礼コメント」をありがとうございました。興味深く拝読いたしました。 >私は、西洋人が言う「神の創造物」とやらは、「自然の創造物」なので、「神の摂理」というのも「自然の摂理/法則」と同義だったのかと考えていました。 ⇒お説のとおりだと思います。何しろ、当時(17世紀初頭~中頃)は、神に遠慮し、教会のご機嫌を伺いながらでないと物が言えなかった時代ですので、真意としては「自然の摂理」とか「世界や宇宙の原理・道理」と言いたいところを、言葉遣いの上では「神の御心・創造」とか「神の摂理」と言わなければならなかった、という面があるのではないでしょうか。その種の配慮をあまりしなかったばかりに、「無限宇宙論」を唱えたG.ブルーノは焚刑に処せられてしまいました。ガリレイの場合は、宗教裁判で命の危険を感じて地動説を撤回したものの、あとで「それでも地球は動く」とつぶやいたという話は有名ですね。デカルトは「方法序説」(1635年)を書いたとき、真っ先にソルボンヌ大学神学部にお伺いを立てて検閲してもらったとか。 >私は「自然ってなんだろう?」という疑問を常に持っています。例えば、心があるから個性があるのかと考えてしまいがちですが、原子の周りを回る電子にすら「他よりも早く動く者」がいたり、逆に「ユックリ動く奴」もいます。心が無いから全て一緒と言う訳でばないのですね。 ⇒そうですね。クオークと反クオークの対生成と対消滅がいびつな対応関係であったことからこの宇宙のすべてができたとされていますね。また、素粒子レベルの話で、いわゆる「parityの崩れ」を発見したヤン氏はノーベル賞を受賞しました。量子力学の分野ではまか不可思議なことがあるし、ヒッグス粒子は謎だらけですし、モノの究極の姿は謎だらけで、神秘に満ちています。 >ご提示の翻訳のように、宗教色がけっこう強かったかも知れませんね。思えばそれらしき記述もあったのですが、脳がそういう情報はシャットアウトしていました。 ⇒ヨーロッパの歴史は、ある意味、ヘレニズムとヘブライズム、自然学と神学、ロゴスとパトス…が論駁しあったり融合しあったりしながらつくられてきた。つまり、これらの「弁証法的な」関係によってヨーロッパ文化が醸成されてきた、という面があるようですね。その意味では、「宗教色」と「科学色」とが常に複雑に入り混じっていた、とも言えると思います。そして、大局的に見れば、主潮は次第に「宗教色→科学色と変化してきた」ということでしょう。 ここで、どの訳語を当てるかが微妙な問題になるわけは、スワンメルダムが生きたころは、ちょうどこの過渡期であったから、ということも関係していると思います。 >昔の人が神に対して何を思い描いていたのが、知るよしはありませんが、思えばまだ自然発生説も否定されておらず、科学が信仰を否定する以前の時代でした。 >いろしろ悩んだ末に、ここまで読み進めて、やっぱり「自然の摂理/法則」を探求していたのだろうかと思ったり、、、(折角なので、ここまで書いたことは消さずにおきました。)⇒上に見たように、スワンメルダムは、いわば「表現を強制された」という背景があったかも知れませんね。ということは、 >Herewith I offer you the Omnipotent Finger of God in the anatomy of a louse. の訳としては、お訳のような、 ☆「虱の解剖により、神の摂理をご覧に入れましょう。」 もいいと思いますし、私のような、 ☆「虱がごときも、解剖してみれば、神の御業をご覧になれましょう。」 でもいいと思います。 そして、さらには、 ☆「虱を解剖してみれば、自然の摂理をご覧になれましょう。」 でもいいでしょうし、あるいは、もっと大げさに、 ☆「虱を解剖してみることで、宇宙の理法を垣間見ることができましょう。」 としてもいいのかも知れません!
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- Nakay702
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またも楽しい話題をありがとうございます。 >Herewith I offer you the Omnipotent Finger of God in the anatomy of a louse. >拙訳:虱の解剖により、神の摂理をご覧に入れましょう。 ⇒"Omnipotent Finger of God"(大文字で強調されている)がキーポイントであることは間違いないでしょう。「神の摂理」で十分意は尽くされていると思いますので、今回もいちゃもんではありませんが、例によってちょっかいを出させていただきますね。 私が特に注目したのは、この中の"Finger"なる語です。このFingerのメタファーは何か。それは、文字通り、手ですることに象徴される「ものつくり、技術、工匠、わざ、たくみ…」の類でしょう。日本語でも、「腕がいい」などと言いますね。つまり、この際私は、このOmnipotent Finger of Godを「造物主の匠、神の御業」とでもすれば、真意により近づけるかも、と考えた次第です。 ということで、私の試訳: 《虱がごときも、解剖してみれば「神の御業」をご覧になれましょう。》 「神は、この1ミリにも満たない小さな生き物の中にさえ、生きるために必要なあらゆる内臓・構造・能力・機能を組み込まれた。何という匠!」といった感じでしょうか。 説明によれば、スワンメルダムは微細解剖学が得意で、昆虫類などを解剖しては夜を徹してその記録を作製していたとか。「うべなるかな」です。スワンメルダムより後の人ですが、同じ分野の実験生物学者・医学士のJ. ロエブは、「滴虫(繊毛虫類)の走性をつぶさに観察することで、人間の精神や心理の分析も可能になる」といった趣旨のことを言ったそうです。 お二人とも、「小さな観察が大きな意味につながる。いや、その局所にこそ森羅万象・自然の摂理が凝集している。(これこそ、神の御業でなくて何であろうか!)」と言いたいのかも知れませんね。我々には、乖離が大きすぎてそこに関連性すら見出せそうもありませんが、その精神は分かるような気がします。細菌の分泌物からガンの特効薬を発見したというような快挙も、似たような心的態度から生まれた成果に違いありません。
お礼
いつもご回答ありがとうございます。 >このFingerのメタファーは何か。それは、文字通り、手ですることに >象徴される「ものつくり、技術、工匠、わざ、たくみ…」の類でしょう。 そういう意味だったのかも知れないと思いました。 私は、西洋人が言う「神の創造物」とやらは、「自然の創造物」なので、「神の摂理」というのも「自然の摂理/法則」と同義だったのかと考えていました。 私は「自然ってなんだろう?」という疑問を常に持っています。例えば、心があるから個性があるのかと考えてしまいがちですが、原子の周りを回る電子にすら「他よりも早く動く者」がいたり、逆に「ユックリ動く奴」もいます。心が無いから全て一緒と言う訳でばないのですね。 そんな世界を覗きながら、物質にとっての「自然」とは何か、(「自然に個性があるものなのか?」とか、)ちょうど私が空想にふけるように、虱の解剖をしたスワンメルダムも、「神/自然」について空想していたのかも知れないと考えていました。 >《虱がごときも、解剖してみれば「神の御業」をご覧になれましょう。》 私はどうも自分に都合がいい解釈をしていたのかも知れないと思いました。 ご提示の翻訳のように、宗教色がけっこう強かったかも知れませんね。思えばそれらしき記述もあったのですが、脳がそういう情報はシャットアウトしていました。 昔の人が神に対して何を思い描いていたのが、知るよしはありませんが、思えばまだ自然発生説も否定されておらず、科学が信仰を否定する以前の時代でした。 >「小さな観察が大きな意味につながる。いや、その局所にこそ森羅万象・自然の摂理が凝集している。(これこそ、神の御業でなくて何であろうか!)」 いろしろ悩んだ末に、ここまで読み進めて、やっぱり「自然の摂理/法則」を探求していたのだろうかと思ったり、、、(折角なので、ここまで書いたことは消さずにおきました。) 兎に角、「神」という言葉が出てくると、簡単な英文でも訳に苦労することが分かりました。(汗)でも、神に対する明確な概念が無いから、宗教戦争も起こったのかも知れないし、私のせいだけじゃないと思う事にしました、、、。
- alterd
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「神は細部に宿る」と言いますが、それが、「虱」ではなく 例えば、「花」だったら印象もまた違ったのではないでしょうか。 そういえば、教師が生徒に自然の素晴らしさを教える為に 「蝶の舌」の構造を教える映画もありました。 後、科学ではなく芸術に移行しますが、ウィリアム・ブレイクの「一瞬に永遠を感じ 掌に無限を掴み 一粒の砂に世界を見て 野の花に天国を感じる」という詩にも同様の視点を感じます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >ウィリアム・ブレイクの「一瞬に永遠を感じ 掌に無限を掴み >一粒の砂に世界を見て 野の花に天国を感じる」という詩にも同様の視点を感じます。 お詳しいですね!まさに同様の視点だと思います。 私も、神こそ意識はしていないものの、科学の実験をする時はなにか「奥深いなにか」を求めています。なので、スワンメルダムの言いたかった気持ちは、痛いほどよく分かるものの。原文中に「神」という言葉があったせいで、私の文章力では、「カルトっぽい訳」しかできない、と悩んでいました。 ウィリアム・ブレイクや、その詩を日本語訳された方のような文章力があったら、スワンメルダムの言葉もビシッと決められるという希望が見えてきました。 ありがとうございます。
- eroero4649
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>直訳すると、「虱の構造により、全能なる神の指をご覧に入れましょう。」になるのでしょうかね?? とにかく、科学に対する熱意よりも「カルト臭」しかしません、、。 初見の言葉ですが、いわんとしていることは「虱の解剖をすれば、そこに神の全能なる指を見ることができる」というニュアンスなのではないかなと思いました。 現代と昔の違いではなく、一神教を信じながら科学者であろうとする人の典型的な言葉ではないかなと感じました。一神教的におかしな考え方ではないと思いますよ。 もちょっとかみ砕いていうと「虱にも神の存在を感じる」ってことではないかな。こんな虱のような存在にも神はかくも細かい仕事をした、さすがは全知全能の存在であらせられる、ってことだと思います。 だからそこに質問者さんが違和感を感じるのは、現代だとか昔のこととかではなくて、一神教信者なのかそうじゃないのかの違いだと思います。日本人は典型的な多神教信者なので一神教的な価値観は本質的に理解できないのです。 いいや私は無神論者だからと質問者さんはいうかもしれません。でもそうじゃないんですよ。それを証明するのは簡単なことで、お地蔵さまに向かってオシッコできますかってことです。お地蔵さまなんてしょせんは単なる石です。ただの石ならオシッコをかけるのになにも躊躇する必要はないでしょう。 また、例えば神社などで「ここから先は神様の森だから立ち入ってはいけない」といわれたときに「そんなの関係ねえだろ」とズカズカ入れるかってことです。無神論者なら、お地蔵さまもただの石だし宗教の聖域もただの迷信だと無視することができるはずで、本来の無神論者というのはそういう意味なんですね。でも宗教観そのものを否定していないから、そうなると多神教信者となるんですよ。それか精霊信仰(アミニズム)か。日本人の「自称無神論者」のほとんどはただ宗教に知識がないだけの「なんでもあり教信者」です。 ゴミの不法投棄に悩んでいた場所にお地蔵さまを建てたら誰も捨てなくなったという話があります。そういう部分が我々人間を人間たらしめている部分だと思います。お地蔵さまにオシッコをかけられない感覚は人間として正常なんですよ。犬は関係なしにオシッコをひっかけるじゃないですか。 スワンメルダムという人物はWikipediaを読んだだけの知識しかありませんが、それを読む限りはいかにもオランダ人らしく、純粋に真理を追究した人のように感じますね。17世紀のオランダは、プロテスタント国家でしたからスワンメルダムがカトリックだったのかプロテスタントだったのか分かりませんが、その学問への姿勢を見る限りはプロテスタントに感じますね。 今、遺伝子の研究が進んでいますね。クローン人間についてどう思われますか。人間は神ではない。クローンを作ろうとするだなんてなんと罰当たりなというような感情をお持ちなら、無神論者ではないと思います。 いや科学技術として可能ならやればええんじゃん?やってなにが悪いの?と思うなら筋金入りの無神論者です・笑。 だから真の科学者っていうのはマッドサイエンティストなんですよ。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >「虱の解剖をすれば、そこに神の全能なる指を見ることができる」 言葉をちょこっと変えれば現代人でも受け入れられる名言になりますね。これなら無神論者でも、武士道の「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり。」並みに自分は信じていなくても「名言」として受け入れられます。 私の場合は、ちょっと、「全能」って言葉でアレルギー反応を起こして、直訳ができてなかったのかも知れません。勉強になりました。 ただし、ちょっと脱線しますが、後半のご意見に関しては異論ありでした! >お地蔵さまに向かってオシッコできますかってことです。 これは、お地蔵様への敬意ではなくて、他の人が自分とは違うものを信じていていても、それには敬意を払うと言う事ですね、私の場合。 犯罪をしないのと一緒で、誰かを困らせる行為をそもそも法律とか関係なしにしたくないと言う事です。 >クローン人間・・・科学技術として可能ならやればええんじゃん? >やってなにが悪いの?と思うなら筋金入りの無神論者です・笑。 大部分の科学者の人が、躊躇しているのは、「人間は神ではない。」という考え方よりも、「生態系に与える影響が安全かまだ実証されていない。 クローンとして生まれてきた人間の人権は? 」とか、神を意識しなくともややこしい問題が山積みだからだと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >何しろ、当時(17世紀初頭~中頃)は、神に遠慮し、 >教会のご機嫌を伺いながらでないと物が言えなかった時代ですので、 その通りなんですけど、よくご存じですね! まあ、この時代から徐々に教会に秘密で研究してきた人達がだんだんと、権力を付けて秘密で研究をする必要がなくなり、西洋で科学が大進歩するわけですよね。 個人的には、西洋は神に反抗して急成長したと考えています。(汗) >☆「虱を解剖してみれば、自然の摂理をご覧になれましょう。」 >でもいいでしょうし、あるいは、もっと大げさに、 >☆「虱を解剖してみることで、宇宙の理法を垣間見ることができましょう。」 >としてもいいのかも知れません! 結局、スワンメルダム本人の意識したものは何だったのか分かりませんが、現代人ならそう解釈しますよね! また、よろしくお願い致します。