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抵抗溶接電極材料の使い分けについて
- 抵抗溶接における電極材料として、純タングステンと銀タングステンの使い分けについて具体的に知りたいです。また、使用してはいけない材料や条件についても知りたいです。
- プロジェクション溶接において、電極材料として硬度の高い純タングステンを使用することで寿命を延ばすことができます。現在の状況では銀タングステンを使用していますが、純タングステンの選定理由や古い設備の状態についても知りたいと考えています。
- 過去の情報によると、純タングステン材料のコストは20年前に比べて○△倍高かった可能性があります。当時の状況やその他の予測情報を入手し、純タングステンと銀タングステンの使い分けを検討したいです。
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・純タングステンに変更した場合に予測される効果と問題点 銀タングステンより高温硬さが高いので、改善出来る可能性があります。 しかし、先に述べたように抵抗値が高い、熱伝導が悪いといった面がありますので、ショット数が増えると電極の温度が上昇しやすく、溶接が不安定になる可能性があります。また、熱衝撃に弱いタングステンですので、割れなどの発生も考えられること、文面から推察した形状では価格が高くなりそう、と思われます。 ・銀タングステンのAg%を調整する方法を推奨します。 たぶん、現在ご使用の銀タングステンはAg35%-W65%のものと思われます。 Ag量を少なくした銀タンもありますので、こちらの方が溶接条件の変更が軽微で、長寿命が期待できそうかと思いました。 ここから先のアドバイスは図面を見ながら、溶接条件を確認しながらになりそうです。先に紹介したURL内の「お問い合わせ」でご連絡いただければと思います。 (営業/宣伝行為になってしまい、申し訳ありません・・・許していただける範疇でしょうか・・・)
純タングステン 高温硬さを生かして純銅や銅銅合金の溶接、熱かしめ(ヒュージング)に多用されています。また、クロム銅などの電極では、溶接材料の表面処理(めっきなど)が合金反応して短命になってしまうとき、反応しにくいタングステンで寿命をのばす対策がとられるときがあります。 銀タングステン 電気抵抗、熱抵抗がすくない銀と、高温強度が優れるタングステンとの合金材です。タングステンは大気中で使用すると、酸化してしまい短命になるときがあります。また、タングステン単体では電気抵抗、熱抵抗が高いのです。これらタングステンの欠点を、銀を含有させつことで補っています。銀は銅と比べて鉄、ニッケルと合金反応しにくい特徴がありますので、ステンレスの溶接、ニッケル箔などの溶接などに、銀タングステンが使われています。 20年前のコスト比較 タングステンは原産地国の政策もあって、約2倍~3倍になっています。 銀はその時々で変動があります。20年前のデータがありませんので何ともいえませんが、30年ほど前にはかなり高騰したと聞いています。 高価な銀を使った銀タングステンの方が、材料費は高くなりますが、形状、ロットによっては、純タングステンの方が安い場合もあります。 20年前を比較するより、現在時点での条件で比較検討されることをおすすめします。 簡単に記すと以上になりますが、溶接材料、形状、電極形状によっても電極材料の選定基準は変わります。そのあたりを記載いただければ、もう少し解説できるかと思います。 参考になりそうなurlを添付します。
電極材料の具体的な使いわけについてはよく分かりませんが、30年ほど前ですが、私も当時、電極材料としてリンセイ銅、ベリリュウム銅などを使っていましたが、このころAgWが盛んに新しい抵抗溶接用材料としてPRされていたことを覚えています。私もそのとき使用したことを覚えていますが、スポット溶接の溶接回数がそれほど多くなかったため、材料のよさを見極められませんでした。多分、御社もこの流れでこの材料を選んだのではないでしょうか。
補足
大変親切な回答ありがとうございます。 溶接材料は鋼板をプレス成型した円筒形状 電極形状は、円筒内径に習うように下側電極が半円 円筒に対してプロジェクションを有する部品を円筒外側から溶接しています。 したがって、下側電極がプロジェクションの圧力によって磨耗します。 電極が磨耗すると円筒内径に電極の凹みと同等形状の突起が形成されてしまい、この突起量を管理する必要があり、電極を600shot程度で交換しなければならないのが現状です。(強度に問題が発生するわけではありません) 純タングステンへの変更を検討しており、300shotの比較試験では断然変形が少なく、2倍程度に寿命を延ばせるのではと期待しているというのが背景です。 どう考察されますでしょうか?アドバイスよろしくお願いします。m(_ _)m