• 締切済み

放射率のフシギ なぜ,1-反射率=放射率?

非接触で温度を測定する放射温度計やサーモグラフィー,これら測定器の但し書きには 「反射率の高い物体(金属光沢のある物体)の測定時は誤差が大きくなります」とあります. この理由は,反射率が高い物体は放射率が低いため,とされています. なぜ,反射率が高いと放射率が低いのでしょうか?調べたところ,次のようでした. (以降ご回答いただきたい疑問に★番号をつけています) --------------------- 物体に入射する電磁波エネルギに対して吸収・反射・透過が起こる割合をそれぞれ吸収率(A)・反射率(R)・透過率(T)とすると,以下の式(1)が成り立つ. A+R+T=1 ・・・(1) ここで,透過はない(T=0)とすると式(1)は A+R=1 ・・・(1') キルヒホフの法則より, 吸収率(A)=放射率(η) ・・・(2) (★1) 式(1')および式(2)より次式が得られる. 1-R=η ・・・(3) 式(3)より,反射率の高い物体は放射率が低いことがわかる. (★2) --------------------- ★1 なぜ,吸収率と放射率は等しくなるのでしょうか? 放射するにはその分エネルギを吸収しなければならず,放射エネルギ<吸収エネルギであることは理解できます.しかし,物体がエネルギを吸収する割合と放射する割合が等しいというのは,納得がいきません.吸収したエネルギ=放射するエネルギ ということであれば納得はいくのですが. ★2 キルヒホフの法則が成り立つということであれば,確かに式上では「反射率が高いほど放射率は下がる」ということが説明できます.しかしながら,反射と放射は全く別次元のものではないでしょうか.私の認識は「反射」とは「入射してくるエネルギに対して,それを弾き返す行為や能力」で「放射」とは「物体が持っているエネルギを電磁波として外へ放出する行為や能力」です.物体が外へエネルギを放出することと,外からくるエネルギを弾き返すことは全く別の現象だと思います.それらが,一つの式で同じ土俵で比較されてしまっていることに,非常に違和感を感じます.反射率が高いと放射率が低い,というのは,物理現象としてどういった関連があるのでしょうか. いろいろ調べたのですが,この疑問に回答できるような文献が見つかりませんでした. 皆様のお力を拝借したくお願いいたします.

みんなの回答

  • foomufoomu
  • ベストアンサー率36% (1018/2761)
回答No.4

> ある波長の電磁波に対して,吸収率が0.7,反射率が0.3という物体・・・ 時間経過を考えなければいけません。1秒当たりのエネルギー100を外部からあたえるとすると、 1秒後 物体内E=70 放出E=49 残りE=21 2秒後 物体内E=91 放出E=64 残りE=27 3秒後 物体内E=97 放出E=68 残りE=29 4秒後 物体内E=99 放出E=69 残りE=30  (ほんとは積分計算になるのですが、略算にしています) と、最終的に物体内のエネルギーも100になって釣り合ったところで安定します。

  • trytobe
  • ベストアンサー率36% (3457/9591)
回答No.3

『ある波長の電磁波に対して,吸収率が0.7,反射率が0.3という物体Aがあったとします.その物体Aに100というエネルギを入力すると,物体Aには70のエネルギが蓄積されることになります.物体Aの放射率は吸収率と等しい0.7なので,放出されるエネルギは70*0.7=49となります.すると,内部に21のエネルギが残留することになります.実際は70すべて出て行かないといけないはずですが・・・』 最初に照射したエネルギーが100なのですから、すぐに「反射する分30」、すぐに反射しない「吸収される分70」、すでに吸収が終わっていてもう「放射したい70」 があるだけです。ですから、70×0.7 を計算すること自体がナンセンス。それは放射率の母数が100であるという前提を忘れているから、勝手に自滅しているだけ。

  • foomufoomu
  • ベストアンサー率36% (1018/2761)
回答No.2

(1)もしも放射率と吸収率が違っていたら(放射率<吸収率だったら)、そこらに置いておくだけで周りの熱を吸収して、どんどん温度が高くなる永久機関ができてしまいます。 (2)反射率+吸収率=1 なので、反射率+放射率=1 です

ka_gimon
質問者

補足

ご回答ありがとうございます. 仰る通り,吸収量と放出量は等しくないと永久機関になってしまいます. ただし,放射「率」となりますと,物体内部に残っているエネルギのうちどれだけ放射するか,という意味になると思います.となると,少なからず内部にエネルギが残留することになってしまいますが・・・.

  • trytobe
  • ベストアンサー率36% (3457/9591)
回答No.1

すごく単純な話で、 ・光を当てたときに、照射したエネルギーは、「反射される分」と「吸収される分」に分かれ、エネルギー保存則により、照射エネルギー=1=「反射分」+「吸収分」である。だから、照射エネルギーが一定であれば、「反射分」が増えれば「吸収分」が減るしかない。 ・物体がエネルギーを吸収して、エネルギー的に安定状態より高くなった分は、光として放出して排除しないと、物体は平衡状態を保てない(どんどん加熱されるだけ)。だから、「吸収分」=「放出分」 ・この「放出分」を検出して、物体の温度と合致するスペクトル(波長ごとの光強度の分布曲線)から温度を推定するのが、「放射温度計」や「サーモグラフィー」 ・なお、「反射分」は、物体に吸収されることなく同じ波長でそのまま返ってくる。「吸収分」は、物体に吸収され、黒体輻射(黒体放射)によって、物体から放出されるエネルギーとして「違う波長分布で返ってくる」点で、全くことなる物理現象である。

ka_gimon
質問者

補足

さっそくのご回答ありがとうございます. 吸収した分放出しなければ安定にならない,ということは理解できます. たとえば, ある波長の電磁波に対して,吸収率が0.7,反射率が0.3という物体Aがあったとします.その物体Aに100というエネルギを入力すると,物体Aには70のエネルギが蓄積されることになります.物体Aの放射率は吸収率と等しい0.7なので,放出されるエネルギは70*0.7=49となります.すると,内部に21のエネルギが残留することになります.実際は70すべて出て行かないといけないはずですが・・・.

関連するQ&A