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江戸幕府の役職獲得に必要な賄賂の金額は?
- 江戸幕府の役人が甲府勤番に左遷された場合、その理由として「山流し」と呼ばれる不評な扱いを受けた。
- 昔の時代劇ドラマ「桃太郎侍」のある回では、悪の一味のボスが押し込み強盗を指示し、得た金を幕府での出世のための賄賂として使った。
- 賄賂の金額としては、「三千両」が用意された。この金額は当時の賄賂として十分なものだったのか?
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No.2・3です 再度補足を頂戴しました。 多少説明不足があり失礼しました。 江戸幕府と言いますか当時の藩幕体制の組織と言いますのは、全てが合議制だったということと同じ権限の役職者が常に複数だったということです。 分かり易いのが江戸の南北、大阪の東西の町奉行所です。 奉行所の裁決も三手掛とか五手掛と言って全て関係者の合議で決められていました。 町奉行の裁量範囲というのは極めて狭いものでした。 三手掛:町奉行、大目付、御目付による合議 五手掛:町奉行、寺社奉行、勘定奉行、大目付、御目付による合議 大目付は老中の支配下にありました。 老中は四名~五名で構成されていました。 二万五千石以上の譜代大名から選ばれました。 大目付に賄賂で就任しようとすれば、一人だけへの贈賄では極めて難しいということです。 他の老中に「何故彼奴を推挙いたすのか」などと問われて金を貰ったからだとは言えないでしょう。 少なくても複数の賛同者が必要だということです。 大名家というのは正妻の江戸常住が義務付けられていました、 正妻は常に大名家や公家のなかから選ばれていました。 奥方様の御兄弟や姉妹があちらこちらに居ました。 結果として何代か遡るとお互いに親類どうしだという現象が起きていました。 このような関係に無関係な人間が横から割り込むにはそれ相応の理由が必要になります。 一族からクレームがつかないだけの理由が必要です。 御目付は若年寄の支配下にありました。 老中と同様に四名~五名で構成されていました。 就任していたのは老中よりやや下の一万石~二万石の譜代大名でした。 更に城郭を持たない陣屋だけの大名から選ばれていました。 いずれにしても、その場での贈賄だけではなく、譜代大名のなかでも目ぼしい人との日常的な交際が必要だということです。 〇〇伊賀守が旗本であれば何らかの役職に既に就任していなければ非常に難しいでしょう。 一万石以上の大名であれば、何とかお付き合いさせてもらえたでしょう 以上でお分かりにように〇〇伊賀守が何石の人で何の役職に就いていたかで、必要な工作資金が違ってくるということです。 TVの娯楽時代劇にこんなことをいちいち取り入れていたら面白くもおかしくもなくなってしまいます。 余り気にされずに文芸作品として楽しんで下さい。 蛇足 理屈を言い出すと、そもそも歩き方が違います。 現在は足と手を反対に交互に動かしますが、当時は右足が前に出るときは同時に右手も前にでる、という歩き方をして、更に腰を捻らないように歩きました。 トライされればわかりますが必然的に摺り足のような歩き方になります。 刀の鞘の先端が左右に振れないようにするためです。 これをやらないといわゆる鞘当てが起きて命がけの切り合いになってしまいます。 大小合わせると3kgほどの重さになります。 左の腰にペットボトルを三本括り付けたようなものです。 つまり、そう簡単にヒョコヒョコ歩けません。 尚この歩き方は一般の庶民(町人。百姓)も同じ歩き方でした。 江戸名所図絵などに描かれている江戸の街の光景をよくご覧いただければ分かります。
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No.2です 補足を頂戴しました。 >三千両からすれば、打診されたと思われるのは、「大目付と御目付」どちらでしょうか 就任運動の工作費の多寡だけでは判断はきわめて難しいかと思います。 〇〇伊賀守が現在どのような立場であるか否かで費用は相当に違ってくるかと思います。 桃太郎侍の時代想定を何時頃とするかでも違ってきます。 大目付という役職が分かり難いのは、一般には大名の監視役のように受け取られていますが 下記のサイトにもありましように、江戸中期以降は単なる取次役で名誉職にようになってしまっていたということです。 参考 大目付 - Wikipedia ja.wikipedia.org/wiki/大目付 抜粋 江戸時代中期になると、従来の監察官としての色彩よりも伝令(幕府の命令を全国の大名に伝える役)や殿中(江戸城中)での儀礼官としての色彩が濃くなり、名誉職・閑職とみなされるようになっていった。また、兼帯といって道中奉行・宗門改役・鉄砲改役など5つの役を兼任した。定員は5名。道中奉行を兼帯する大目付は5人の中では筆頭格である。また、京都所司代・大坂城代等と同様に将軍を代理する立場にある。若年寄に属する目付の上位に位置し、権威だけはますます強くなった。 権威を保つ意味でも正式な儀式などの折の装束が大名並で大紋折烏帽子つまり忠臣蔵の松の廊下での浅野内匠頭のような恰好ができたということです。 参考 大紋長袴をつけた大名 ・江戸時代・小袖の完成 日本服飾史 資料・風俗 ... www.iz2.or.jp/fukushoku/f_disp.php?page_no=0000118 名誉職の色合がありますので、賄賂などで就任できる可能性は高かったとは言えます。 御目付は江戸期を通じて実務があり監視役として機能していましたので、格としては大目付よりも下ですが、賄賂での就任は難しかったでしょう。 ただし、目付とだけされているようですが、御目付の他に御目付の下に御徒目付、御小人目付、御中間目付などがありました。 台所周りの者を監視する役の御中間目付であれば、実務があるとは言え賄賂で就任できる可能性はあったかと思います。 〇〇伊賀守が名誉を求めるか実利を求めるかということになってきます。 蛇足 「目付への就任の打診が出たのじゃ」というのが些か気になります。 〇〇伊賀守から更に賄賂を搾り取ろうとすれば「かような事態となっておる、話を進めるにはもう少し金がいる」とかなんとか言えば人のいい〇〇伊賀守から幾らでも搾り取れます。 つまり〇〇伊賀守よりも大ワルがいたと考えられます。 こうなると成敗するのは、〇〇伊賀守に悪事をそそのかしたこの大ワルのほうでしょう。 ここまで話を広げると、浪人者の桃太郎よりも、暴れん坊将軍のほうが適任ですかね~
補足
一口メモ的な内容込みで、追加の回答、有難うございます。 つまりは、「金額だけでは、どの目付への就任を、打診されたかは、前任の役職等も含めてなので、判断するのが難しい」と、言う事でしょうか? 後、追加の回答の最後の部分ですが、桃太郎侍や暴れん坊将軍シリーズでも、回答して頂いた大体同じ内容のストーリーであれば、「悪のボスが、2人以上は登場した」回を、何回か見てますが、回数で言えば、暴れん坊将軍シリーズで見た回数が 、確かに多かったです。 因みに今回、質問した桃太郎侍であれば…。 「神田隆さん(故人)が、悪側の幕閣である、悪のボス役。 待田京介さんが、「元々は、善人側の目付の部下だったが、真面目な上司が、気に要らなくて出会った、神田さん扮する、悪のボスからの小遣いに負けて、裏切った」手下役。 黒部進さんは、「 自分の門下生含めて、悪のボスの用心棒を兼ねた、剣道の1つの流派の道場主」役と、悪の準ボスが2人、合わせて3人、悪のボス役が強い俳優さんが、ゲスト出演してた。 この悪の一味は、早川雄三さん(故人)扮する、善人側の目付が、自分達の悪事に気付いたので、別の部下兼手下に探らせたら、「若い頃、外部の女性との間に、隠し子として、一人の息子を作ったが、その息子が、坂東八十助さん(故人で、当時の芸名、以降八十助さん)扮する、ある芝居一座で人気の俳優」と、判明した。 これを、悪用するのを思い出し、早川さんと八十助さん扮する親子を、黒部さん扮する、準ボスの自宅兼道場へ呼び出して、「悪事の捜査、取り止め」を要求したが、結局は断られた為、「親子心中と、見せかけて、2人を殺害」を、実行しかけた所へ、高橋さん扮する桃太郎に、お決まりのパターンで、乗り込まれた。 そして、悪事を指摘されて、逆ギレした神田さん扮するボスは、自分の部下兼手下達や、黒部さん扮する準ボスの門下生に対して、「桃太郎の斬り捨て」 を、命令したが、結局は鬼退治として、自分含めて、全員が成敗された…」的な内容による、ストーリーの回であれば、以前に見てます。
>三千両程度であれば、目付への就任の打診は、あり得たか? あり得たようです。 賄賂は表沙汰にはならないお金ですので、定かな金額の記録がありません。 一説に長崎奉行で二千両 目付で千両といわれていたようです。 ただ、いきなりお金を持って行くわけにはいきませんので、下地作りの御挨拶やご接待や付け届けが必要だったでしょう。 対象者も下役か始めてら上役へと上がっていきますので、この費用がバカにならなかったと思います。 まぁ~総額三千両位の余裕がないと上手くはいかなかったでしょう。 大目付:将軍の代理として役職についている旗本および大名を監察する。 御目付:旗本を監察糾弾する。 その他に江戸城中の見回りや老中への伺い書などの取次意見具申などの役目もありました。 城中見回りの目的は勤務状況の管理監督でしたので、おそろしく威張っていました。 役高は千石でした。 蛇足 藩のご家老連中は若い殿様が江戸城中の出世競争に加わらないように極力注意していました。 御大名というのは江戸生まれ江戸育ちでしたので、藩の運営はご家老連中が取り仕切っていました。 役職に就けば、同僚とのお付き合いから上役への付け届けやご接待に多額の費用がかかり、ただでさえ苦しい藩の財政を圧迫します。 戦という本来の仕事がない世界ですので、このお付き合いが何よりも大切な世界でした。 賄賂同様に人脈がものをいう世界でした。 冠婚葬祭はもとより、季節ごとの節句行事がバカになりませんでした。 井伊直弼が刺されたのも桃の節句の日でした。 役職に就けばついたで、形式上家格を誇示する四位だの五位だのという官位が必要になります。 これは高家だのなんだのと幕府の上役経由で朝廷を相手にしますので、半端な額ではありませんでした。 大名は禄高だけではなくこの官位の上下で家の格式が評価されました。 御家人だろうが旗本だろうが大名だろうが兎に角お付き合いにお金のかかる世界でした。 どこの藩も借金漬けでニッチモサッチモいかなくなって藩幕制度が崩壊したのも頷けます。
補足
回答、有難うございます。 今回の質問の発端である、桃太郎侍の問題のシーンの内。 「加賀さん扮する悪のボスは、「何と、目付への就任を、打診されたのじゃ…」的な内容で、 白木さん扮する人物等、手下達 へ言った」部分ですが、単に「目付への就任打診」としか、出て無かった様に、思います。 加賀さん扮する、悪のボスは、賄賂として幕府の知合いへバラ撒いた、三千両からすれば、打診されたと思われるのは、「大目付と御目付」どちらでしょうか?
- jkpawapuro
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金一両で米が約1石の金額です。 目付は役高が1000石、たとえば足し高の制でもともとの家柄が500石だとすると、役料で500石が加増されるわけで、そうなると元をとるのに6年間かかりますね。現実には経費もかかりまた付き合いの付け届けもかさみますのでもっと時間かかります。一回の在任でそれほど長期になるとも限りません。 元を取るのに6年間では効かないとなると、賄賂としてもいささか高額で金に糸目をつけない金額として時代劇上で弾いた金額となります。 ちなみに猟官活動が激しい役職として長崎奉行と長崎代官があり、これらは職務柄副収入が大きいので賄賂が乱れ飛んだと言われていますが、その長崎奉行でさえ2000両、代官が1000両の賄賂相場です。長崎奉行も役高が1000石ですので、3000両の賄賂ぶちこむなら普通はこちらになりますね。
補足
回答、有難うございます。 確かに、桃太郎侍に限らず、テレビ朝日系列による、「暴れん坊将軍」シリーズと、「長七郎天下ご免」でも、「準ボスである、商人からの賄賂を、自分が長崎奉行に着任出来る様に、幕府での知合いへバラ撒いたり、準ボスの店が、長崎に支店を作れる様に仕向ける事で、自分達一味の金儲けの手段として、悪用する悪のボスが、登場する」回、結構良く見ます。 それと、長崎奉行を狙ってる、悪のボスによっては、「就任決定を、準ボスの商人や手下達に、報告する」シーンが、入った回も、先出した何れの番組でも見ます。 中には、金額は多少違うが、「お前達が、用意してくれた○千両を、幕府の知合い達にバラ撒いたら、長崎奉行への就任打診された(長崎奉行への就任が決定した)のじゃ」的な内容で、金額を言って等により、悪事達成を喜ぶ、悪のボスが登場する回も、時々見ます。 ただ、登場した回を見た限りは、「金儲け出来る、役職を得る為の賄賂としては、思ったよりは少ない金額」が、殆どだった様に、 思います。
お礼
「何回も、一口メモ的な内容込みで、詳しく回答して頂いたので、BAにしたい」と、思います。 回答、有難うございます。 又、質問した時は、よろしくお願い致します…。