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幕末の生糸の輸出がなぜ物価高騰につながるのですか
勉強しなおしたく,日本史を学んでいます。 ペリー来航の頃のテキストの記述で, 輸出による品薄,開港場への商品の直送などによって,物価が高騰し… といった説明がありました。 しかしこの頃の輸出品の80%は生糸だったようです。 ほかの輸出品も,茶・蚕卵紙などで,あまり生活必需品という感じがしません。 こういったものが品薄になったことで,物価高騰という風にすぐにつながるのだろうか? (そもそも衣食住に影響するものの物価ってどうなったのだろう) というのが疑問です。 教えていただけると助かります。 なお,経済の知識は乏しいです。
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「ペリー来航の頃のテキストの記述で, 輸出による品薄,開港場への商品の直送などによって,物価が高騰し…といった説明がありました。」 市販の書籍の中にときどきこのような記述が見受けられますが、正確ではありません。 むしろご質問のような疑問が起きますように端的に言えば間違いです。 簡単に言いますと、大量の金銀(通貨)が海外に流出したのを補うために、質の悪い通貨を発行して貨幣価値が急激に下落したことによります。 これは江戸時代に金銀銅の三貨制度であったことと、銀が秤量通貨と計数通貨が混在していたことが根本的な原因です。 計数通貨である一朱銀、二朱銀の銀の含有量と銀の地金としての価格とに差がありました。 結果として、$と一朱銀や小判(金貨)との両替を繰り返すだけで膨大な利益を生み。海外へ流出していきました。 悪貨に改鋳したことから一朱銀 二朱銀などの銀貨の価格が十二分の一に下落しました。 詳細は下記のサイトをご覧下さい 参考 幕末の金流出は何故ハイパーインフレを起こしたか? | Kousyoublog kousyou.cc/archives/4667 幕末の通貨問題 - Wikipedia ja.wikipedia.org/wiki/幕末の通貨問題 この通貨問題はおそろしく専門的で解り難いことから、ご質問のような流通経済の問題にすり替えて説明されるようになってしまいました。 このような説明がまかり通るのは歴史関係者がいったいに経済問題に疎いことが原因でしょう。 そもそも生糸が主要な輸出品目になったのは明治以降です。 明治以降に富岡製糸場などで製糸技術が向上したのと、良質な蚕が導入されたことによります。 それまでは品質的に中国産の方が国産を上回っていました。 生糸や絹織物は室町時代以来江戸時代までは輸入品が主体でした。 倭寇が強奪してきていたのも貨幣と絹織物でした。 江戸時代に長崎に出入りしていた中国商船の主要な商品は中国産の生糸でした。 国産品はあくまでも地産地消でした。 幕末にアメリカなどが買い付けたのは、高価な中国品に対して大衆向けの廉価な安物として買い付けていただけです。
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- ithi
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gosui さん、こんばんは。 しかしこの頃の輸出品の80%は生糸だったようです。 ほかの輸出品も,茶・蚕卵紙などで,あまり生活必需品という感じがしません。 いいえ、材料とか必ず、生活必需な品物があるのかもしれません。 また、物価を吊り上げる材料になったのかもしれません。 一方、江戸へ回してから横浜へ回すという五品江戸廻送令の理由はすべて横浜に品物を回した方がお金が儲かるからです。 生糸・雑穀・水油・蝋・呉服という五品をわざわざ江戸へ回送するという五品江戸廻送令という幕府の指令も出したくらいです。
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ご回答ありがとうございます。 材料に生活必需品が含まれるかもしれないという点、 きちんと考えてみたいと思います。
- jkpawapuro
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現在の紙幣経済と違います。金銀が直接貨幣・つまりお金として流通してた時代です。 国内で流通する金(ゴールド)、つまりお金(マネー)の量が増えれば、相対的にお金(マネー)の価値は下がります。 世の中に流れるお金(マネー)は増えても物資の量は増えません、結果物価はあがります。 現在日銀がやってるのと同じです、お金をいっぱい印刷すればインフレが起こります。 当時は紙幣ではないですが、金(話の流れわからんがそれはその女の子すごく売り上げに寄与してそう)がたくさん国内に入れば同じように物の値段はあがります。
お礼
ありがとうございます。 参考になりました。
- tak7171
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鎖国中の生糸の生産は家内制手工業のようなもので、それほど大きな生産力がなかったのですが、開国によって輸出という需要が急増しました。生産者は需要に応えるため増産に努めますが、機械化などされてない時代だったので、増産のために人手が必要になります。その人手は農業や他の産業から引き抜かれることになり、そうなると他の産業に携わる人手が減って生産量が落ち、品薄になって価格が高騰することになります。また、生糸増産のために田畑を桑畑にした場合には他の農産物の生産量がその分低下、今まで生産地だった農村が消費地になって需要だけが増え、ますます品薄が進みます。更に、元々小さな流通力しかなかった国内では、輸出品の輸送にその大半を割かれることになり、輸出品以外の品物の輸送量が減って都市部など消費地では品薄になり価格が高騰、あるいは輸送力を奪いあうことになって輸送費が高騰し、それを品物の価格に上載せしたので生活必需品全体が高騰したのかと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 輸出のために人でが割かれることで生産力の低下という風にもつながっていくわけですね。 そのあたりの因果を含めてきちんと考え直します。勉強になりました。
- HotTemper
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輸出にあてられていた品目が全く国内で消費されていなかったかというとそんな事はありません。したがって国内市場で品不足が起きて値上がりします。更に、品薄になったものをほかの商品で代替すれば、それらの商品の需要も増えますので価格は当然上がります。そうすると全体的にインフレ傾向となっていろんなものが値上がりしていきます。 それと忘れてはならないのは、開国後の貿易で大量の金貨が流出することとなり(金銀の交換レートが外国の相場と大きく異なったため)、、これを是正するために交換レートの改定と貨幣の改鋳を行いましたが、これによって開閉の価値が大きく下がり、物価高騰によるインフレに追い打ちをかけるようにハイパーインフレが発生したという流れになります。
お礼
ご回答ありがとうございます。 代替商品の需要が増える点、きちんと分かっておりませんでした。 その他の点もありがとうございます。勉強になりました。
お礼
ありがとうございます。明快にご説明いただき、参照先も示していただいたことから、ベストアンサーとさせていただきました。 まだ十分に理解はできておりませんが、じっくり勉強させていただきたいと思います。