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質問、失礼いたします。 文章がわかりづらいかも知れませんが、お願いします。 日本の文化財などの修理には、よく漆が使われていたりしますが、なぜ漆を塗るのでしょうか? そして、文化財の修理をする鮮やかな極彩色や、金箔を施す前には漆を塗りますが、これもなぜ塗るのでしょうか?また、文化財に限らず、すべての塗装の際には漆を塗ってから作業をするのでしょうか? 専門知識で、調べてもわからないことが多く質問させていただきました。 わかる方がいましたら回答よろしくお願いします。 カテゴリが美術と歴史どちらかわからなかったのですが、歴史の方に入れさせもらいました。

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noname#224207
noname#224207
回答No.7

>日本の文化財などの修理には、よく漆が使われていたりしますが、 文化財と一括りにされますと、絵巻物などの絵画、仏像などの彫刻、寺院などの建築物、古墳などの石造物まで広がってしまいます。 従いまして、全ての塗装に漆がつかわれる訳ではありません。 ご質問は漆器類のことでしょうか。 文化財を修理する際には見た目の形だけを修復再現する訳ではありません。 使われた素材や技法も可能な限り再現することを心がけています。 この為に、どのような素材が使われるいるのかを蛍光分析や赤外線分析など最新の技術が投入されます。 従いまして、元々の文化財に漆が使われていれば漆を使います。 昔は現代のような化学合成技術がありませんので、全て天然物を使っていました。 絵画を描いたり、器物を装飾する際には顔料と呼ばれる、鉱物を微粉にしたものや、染め物に使われるような植物からとられた藍や紅のような染料を使いました。 鉱物から取られた顔料は簡単には水に溶けませんので、漆や膠と混ぜて使いました。 岩絵具とか泥絵具などと呼ばれます。 源氏物語絵巻や浮世絵などにはこの膠と混ぜたものを水で薄めて使われていました。 一時期金漆とよばれるものがありましたが、平安時代以降途絶えてしまい詳細な制法が分かりません。 >なぜ漆を塗るのでしょうか 漆に変わる天然物が見当たりません。 塗膜と言いますのは、見た目だけではなく、ベタベタせずに乾燥している、日に当たって変質しない、水に強い、表面が擦られても剥げない、という耐久性が求められます。 又塗料としてはできるだけ広い材質のものに塗れる方が使いやすいと言えます このような性質を満足した上で見た目の光沢や質感が好ましく日本国内で手に入り易い天然物が漆でした。 漆は元来中国の文化でしたがヨーロッパなどでは膠が使われました。 ヨーロッパの絵画いわゆる油絵には卵から取られたテンペラと呼ばれる油が使われました。 膠は動物の皮や骨髄から取り出します。 日本は仏教思想もあり余り好まれませんでした。 食器などに使われる漆器類には特に避けられました。 とはいえ、寺院の朱塗りの柱などの場合には漆ではなく膠に混ぜたものが使われました。 日常的に文字を書く墨は油煙(スス)を膠で固めたものです。 蛇足 ご質問のものを漆器など生地が木質のものとしますと漆が好んで使われました。 日本人の日常生活の身近な道具類に長い期間使われてきました。 結果として日本人の塗装に対する嗜好は漆塗りが基準となっていることから、現在でも沢山使われています。 化学合成したものも漆の質感に近いものが好まれ沢山合成されています。 漆の塗膜が分厚くできることから色々な技法が発達しました。 参考 漆器 - Wikipedia ja.wikipedia.org/wiki/漆器 抜粋 蒔絵(まきえ): 蒔絵筆によって漆で模様を描き、その漆が乾かないうちに金粉や銀粉をまき、研ぎ出しや磨きを行うことで模様を作り上げる。平蒔絵、研出蒔絵、高蒔絵などの技法がある。日本独自の技法。 沈金(ちんきん):沈金刀で漆の表面を線刻し、その彫り跡に金箔や銀箔をすり込んで文様をつくる。 螺鈿(らでん):アワビや夜光貝の貝殻を薄く研磨したものを漆の表面にはめ込む。貝殻の真珠質が見る角度によって青や白など、様々な輝きをみせる。 拭き漆(ふきうるし):顔料を加えていない漆を木地に塗ってはふき取る作業を何度も繰り返し、木目を鮮やかに見せる手法。 彫漆(ちょうしつ):漆を何層も厚く塗り重ね、その漆の層を彫り出して文様を描く技法。 堆朱(ついしゅ):朱色の漆を何十回ないし100回以上も塗重ねてから模様を彫る技法。元は中国の技法。 蒟醤(きんま):沈金と似ているが、金ではなく色漆を充填したもの。タイから伝わった。

BlackRose1925
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 遅くなってしまい申し訳ありません。 すみません、説明が足りずに…将来の仕事として、主に歴史的建造物の修復をするものに就きたいと考えていて質問させていただきました。 赤外線も使って行うのですか!?知りませんでした! 丁寧な説明をしていただきありがとうございました。

その他の回答 (7)

noname#224207
noname#224207
回答No.8

No.7です わざわざお礼を記入頂きありがとうございます。 お礼に「将来の仕事として、主に歴史的建造物の修復をするものに就きたいと考えていて」とあります。 ご質問の趣旨とはずれますが、下記のようなサイトがあります。 一度どんなことをしているのかご覧下になられることをお薦めします。 参考 〇塗る前の手順です。 地塗り1(水干絵の具の使い方+平塗り) plus.harenet.ne.jp/~tomoki/newcon/news/2009/040101/index.htm... 〇実際の施工に関する報告です 施工事例|小西美術工藝社 - 株式会社 小西美術工藝社 www.konishi-da.jp/sekou/index.html 抜粋 本殿(重要文化財): 縁板より上の漆は真掻合及び掻合。縁下は上塗直。垂木と縁下は弁柄朱漆。破風や軸及び縁上は 黒漆。箱棟と勝男木及び千木は黒漆塗り。彩色は妻及び琵琶板等絵画。手挟み、蟇股及び向拝の 木鼻は彫刻彩色。外陣内部は剥落止め。箱棟紋章及び八双と脇障子は彫刻に漆箔仕上げ。錺金具 は漆箔直し。 石の間(重要文化財): 内部及び外部の弁柄朱漆の上塗直及び化粧裏板の胡粉塗と連子の緑青塗り。 拝殿(重要文化財): 高欄及び脇障子は黒漆掻合。建具は外部上塗直、内部は摺り漆。 本殿及び拝殿共、仮設工事と大工工事及び本殿の檜皮屋根葺き替え工事は、谷上社寺工業株式会社(和 歌山県)による施工 〇施工に先立ちどのような塗料が使われているのかセッセと調べています 〔報文〕元興寺五重小塔の外観塗装材料に関する調査 - 東京文化財研究所 www.tobunken.go.jp/~ccr/pdf/47/4706.pdf 初期の日光社寺建造物に使用された 赤色塗装材料 ... - 東京文化財研究所 www.tobunken.go.jp/~ccr/pdf/49/4903.pdf 〇調べる際に使われる分析技術の種類の概要です 塗料・塗膜の分析技術(1) www.kansai.co.jp/rd/token/pdf/154/04.pdf 古建築物の修復は需要が増大している一方で職人と呼ばれる技術屋さんが不足しています。 頑張って下さい。 直接URLにアクセスしない場合は検索サイトのタイトル欄に上記のタイトルをコピペして検索してみて下さい

BlackRose1925
質問者

お礼

2度も回答を下さりありがとうございました! URLも掲載して頂いて、とても助かります!ありがとうございます!! 頑張ります!!!

  • fumkum
  • ベストアンサー率66% (504/763)
回答No.6

こんにちは 漆の用途は大きく分けて4(3)種類ほどあります。 1、塗料。2、接着剤。3、充填剤。4、(彫刻等の)材料。 日本の文化財の多くは木製であることが多く、漆との関わりもまた多いことになります。 1は樹液をとった生漆(きうるし)を精製した無色透明な透漆(すきうるし)。これに顔料などを混ぜて着色した朱漆(しゅうるし)などの色漆(いろうるし-彩漆)。色漆ですが、鉄粉を加えて化学変化を起させて作る黒漆があります。漆は、酸やアルカリ、アルコールなどの薬品、さらに高熱に耐久性があり、耐久性に優れていることに特徴があります。色漆を絵の具の様に用いた絵漆などもあります。 2は透漆をそのまま用いたり、麦の粉を練ったものを加えた麦漆(むぎうるし)、米を蒸したり炊いたりし、それを練ったものを漆に加えた糊漆(のりうるし)を用います。ニカワに比べて接着性、耐久性が高いとされます。金箔に対する漆の使用法ですが、下地に漆を用いられることもありますが、金箔を接着する時にも用います。接着の使用法として有名なものに金継(きんつぎ)があります。割れた陶磁器製の茶器を、麦漆もしくは糊漆で継ぎ、金粉を振って付ます。金箔や陶磁器を接着するだけでなく、木、布、紙、皮、金属など幅広い接着にも用いられました。蒔絵(まきえ)や一部の螺鈿(らでん)は漆の接着性を利用した技法です。 3の中で有名なものに木屎(こくそ-木屎漆)があります。麦漆もしくは糊漆にヒノキ類などのおがくずや繊維クズなどを混ぜたもので、仏像などの穴や凹みに充填、造形します。また、金継でも、欠けた部分を補修する場合に補修材として用いられます。そのようなため、文化財の修復に欠かせない充填剤として利用されます。木屎以外に砥石を砕いた砥の粉(とのこ)や、粘土を焼いて砕いた地の粉(じのこ)を混ぜた錆漆(さびうるし)などがあります。 4乾漆造や堆朱などの製作に用いられます。乾漆造は、麻布を漆で張り重ね、造形したり、木屎そのものを練り合わせて形作る物です。堆朱とは朱漆や黒漆を何度の塗り重ね、それに彫刻をしたものを言います。 漆は縄文時代から用いられてきたと言われるほど、古くから利用され、文化財が製作された当時には、漆は1~4の用途で使われることが、多くありました。そのため、文化財の一部を新しく作る場合などは、当時の技法、材料で再生することになりますので、漆が使われることが多くなります。また、補修の場合、充填剤や接着剤として、材質や製作時の利用素材と違和感の少ない木屎などの漆が利用されることになります。 以上、参考まで。

BlackRose1925
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 遅くなってしまい申し訳ありません。 漆はこんなにも多く使われていたのですね! そして種類もかなりあるのですね! 丁寧な説明をありがとうございました。

  • ithi
  • ベストアンサー率20% (1972/9601)
回答No.5

BlackRose1925さん、こんばんは。 そして、文化財の修理をする鮮やかな極彩色や、金箔を施す前には漆を塗りますが、これもなぜ塗るのでしょうか?また、文化財に限らず、すべての塗装の際には漆を塗ってから作業をするのでしょうか? それは、多分、その文化財の作られた技法がそのような方法だったからです。違った技法で行うとその部分だけ必ず違和感が出ます。そのためには必ず、文化財を調査してその技法を使用したという証拠を見つけます。 また、そういう技法を研究するのも文化財調査の分野です。

BlackRose1925
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 遅くなってしまい申し訳ありません。 ということは、漆を使わず極彩色を施したり、金箔をあしらうこともあるのですね! 面白いですね!!

  • ootemon
  • ベストアンサー率13% (558/4273)
回答No.4

簡単なところだけ答えると、漆を塗れば見た目がよくなりますね。 光沢も出るし、混ぜるものや塗る刷毛を変えることでまた違って見せることも出来るし、 手に入りやすいからですね。

BlackRose1925
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 遅くなってしまい申し訳ありません。 漆独特の輝きは絵の具などとは違いとても魅了されます。 最近までは中国製品が、わりと多かった見たいですね

  • eroero4649
  • ベストアンサー率32% (11073/34515)
回答No.3

日本では木材が様々な材料として使われています。木材は日本では手に入りやすく、加工しやすいという長所がありますが、そのままにすると割れて腐ってくるという欠点がありますね。つまり、そんなに持たないのです。特に日本は多湿ですから、湿度で木材が痛んでしまいます。 さらに加工品として使うときに接着剤が必要なことがあります。昔の技術として接着剤は糊か膠がありますが、それぞれに水に溶けるという性質があります。これだと特に食器として使えないですよね。 漆を塗ることで、木材を材料にした加工品を長年持たせることができます。江戸時代に作られた漆の重箱なんかが今でも旧家に伝わっていたりしますよね。 金箔を施す際に漆を塗るのも、その品物そのものの保存性を高める意味と、金箔の接着剤としての意味、そして黒い漆に金箔が生えるという芸術的意味合いの三つがあるといえるでしょうね。

BlackRose1925
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 遅くなってしまい申し訳ありません。 確かに、木材なら昔からあって手に入りやすいし、漆も取りやすい。漆に気づいた人は素晴らしいですね そして黒漆に金箔って本当に美しいですね

  • teppou
  • ベストアンサー率46% (356/766)
回答No.2

 >日本の文化財などの修理には、よく漆が使われていたりしますが、なぜ漆を塗るのでしょうか?  文化財の修理は、その文化財が製作された当時の方法で行うのが大原則です。少なくとも制作当時に存在しなかった材質を加えることはしないのが原則です。(むろん例外もあります。)  制作当時に、漆が使われていたので、修理に漆を使っているのだと思います。逆の言い方をすれば、漆を使ったものは保存性がよいので、現在までよく保存されているということでもあります。  >文化財の修理をする鮮やかな極彩色や、金箔を施す前には漆を塗りますが、これもなぜ塗るのでしょうか?また、文化財に限らず、すべての塗装の際には漆を塗ってから作業をするのでしょうか?  塗料は、化学製品が発明される前は、主に植物の乾燥性の油や樹脂をベースとして、そのベースに顔料を混ぜたものでした、  日本や東アジアではそのベースとして漆がよくつかわれていましたので、修理にも漆が使われることが多いのでしょう。  木材の保存性をよくするため、生地を黒漆などで塗りつぶし、その上に彩色漆で模様を描くと言うような使い方がよく行われていました  漆は、透明に近い樹脂で、いろいろな顔料(色のついた天然岩石や金属化合物の粉末など)を混ぜて塗料として使っていました。黒漆や朱漆も同様です。(現在でもつかわれています。)また、金箔を貼る場合も我が国(あるいは東アジア)では、漆を接着材として使っていました。(現在でもそのようにします。)  そういうわけで、文化財修理には漆がよくつかわれています。 しかし、すべての作業に漆が使われると言うわけではありません。  接着剤や充てん剤としては、ご飯糊(続飯(そくい、そくいい)と言います。)や膠(にかわ)(動物や魚のゼラチン質)もよくつかわれています。因みにニベという魚の浮き袋からとった膠が強力なのでよく使われているそうです。ここから「ニベもない」と言う表現ができました。

BlackRose1925
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 遅くなってしまい申し訳ありません。 漆が使われていない建物等はあまり残っていないんですね…きっと 詳しい説明ありがとうございます!

  • hekiyu
  • ベストアンサー率32% (7193/21843)
回答No.1

漆を塗るのは、土台となっている木材などの保存と 装飾のためでしょう。 金箔の場合は、接着剤を兼ねるわけです。

BlackRose1925
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 遅くなってしまい申し訳ありません。 接着剤としての意味もあったのですね!知りませんでした!

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