- ベストアンサー
力学 想像の実験 箱の中で歩く人の動きはどうなるか
- 力学に関する想像上の実験を考えます。大きな箱の中に人がいて、滑らかな床の上で歩くとき、箱の外から見たときに箱はどう動くのか、そして人の位置はどう変わるのか疑問です。
- また、人が箱の壁にぶつかったときにはどうなるのかも気になります。一瞬加速が生じることで、箱の動きはどう変化するのでしょうか。
- この想像実験では、空気抵抗などの要素は考慮しないこととします。また、人と箱の質量の比較も行い、人が怪我するほどの衝撃はないものとします。詳しい解説をお待ちしています。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
ご質問の中身は、物理学的に言えば、「外力の働かない、閉じた系」ということです。 外からみれば、「重心の位置は一定で動かない」「中で発生する力や加速度は、閉じた系の中の反力や逆方向の加速度で相殺されて、外には表れない」ということになるのです。 その箱の中で、人が歩いて移動すれば、「箱+人間」の相対位置が変化します。外から見て「重心の位置は一定で動かない」ということは、人の動きと反対方向に箱が動くということです。箱と人の質量が等しければ、外から見て、重心位置に対して、人は右方向に10m、箱は左方向に10m動いたように見えます。箱の中では、人は20m歩いていることになります。 箱と人の質量が等しくなければ、質量の比率の逆に従って、箱:人=m:Mの距離だけ移動します。 箱が密閉されていて中が見えないと、中で人が動くたびに、箱がふらふら動くことになります。ちょっと不気味ですが、ガラス張りで中が見えれば、人の動きに従って箱が動いていることが分かります。 箱の端で、人が壁にぶつかって与えた力は、反力として壁から人にも与えられます。外から見れば、2つの力が相殺して、ゼロです。重心に対しては、何の力も加速度も働きません。人が倒れれば、上に書いたように「重心位置一定」になるように箱も少し動きますが、それだけで、運動は持続しません。 上のようなことは、「小さな舟に乗ったとき」とか、「小さなキャスターの上に乗ったとき」に体験できると思います。 小舟やキャスターの上を歩くと、小舟やキャスター自体も動いてしまい、転倒しそうになります。 小さな舟に乗って、船の側面をいくら押しても蹴飛ばしても、船は進みません。外から見て、小舟は全く動きません。
その他の回答 (3)
- Tann3
- ベストアンサー率51% (708/1381)
No.2です。「補足」に書かれたことについて。 >この場合「てこの原理」を用いて、人と箱の距離×質量が等しい、と考えてよろしいでしょうか。 >つまり、人と箱の相対的位置は変わるけれども、(人の重心からの距離×質量m)=(箱の重心からの質量M×質量)ということです。もちろん、重心の位置は一定点で不変。 まあ、そのようなイメージでよいと思います。 正確には、No.3さんが書かれている「運動量保存」です。 最初に「箱も人も静止」していたと考えれば、質量mの人が速度vで動くと、質量Mの箱は速度Vで動き、 0= M*V + m*v の関係となります。一定時間 t 後の位置は、人の位置を正方向とすれば、 人の位置:x = v*t 箱の位置:X = -V*t = (m/M)*v*t = (m/M)*x ですから、 x : X = x : (m/M)*x = 1 : (m/M) = M : m ということです。
お礼
ありがとうございます。方向性が間違いでなくてよかったです。
- foomufoomu
- ベストアンサー率36% (1018/2761)
この問題は、運動量保存の法則だけで説明できます。 運動量保存の法則は 運動量=速度*質量 の合計は一定という法則です。 最初は静止しているので、v=0、V=0です。なので、運動量の合計も0です。 つぎに人が箱に対して相対速度sで移動すると、それぞれの速度はv1とV1に変わって v1*m+V1*M=0 (はじめと同じ運動量) v1-V1=s (相対速度はs) この2つを連立して解くと、 v1=s*M/(m+M) V1=-s*m/(m+M) が得られます。 加速するのではありません。中の人の歩く速度sによって決まる速度V1で移動します。 >しばらくして、この人が箱の壁にぶつかるとします ここで、箱の中の人がを歩くのをやめたなら、s=0になって、最初のv=0、V=0の状態に戻ります。 つまり、歩くのをやめたとたん、箱はぴたりと静止状態に戻ります。 >無重力空間で箱なり宇宙船なりのなかを歩いたらどうなるかと これと似た現象が、小型の宇宙船の姿勢制御に使われています。中を歩くのでなく、中で円盤を回転させるのですが。 モーターなどを使って、円盤を回転させると、宇宙船が逆方向に回転し、円盤を止めると、そのとたんに宇宙船の回転も止まります。一定の角度だけ宇宙船の向きを変えたいときに便利な方法です。
お礼
宇宙船の円盤の話は理解を助けます。この話が本当なら、運動量保存の法則と一致しますから納得です。
- trytobe
- ベストアンサー率36% (3457/9591)
壁に当たるまでは、足の摩擦で箱に与える運動量と、人間に与えられる運動量が等しくなり、質量に反比例した加速度をそれぞれ得て、互いに逆方向に動いていく。 壁に当たるときは、箱の床を蹴った力しか、箱の壁に与えられないので、壁への衝突における箱への力は相殺されて、加速度は0であり、それまでの速度を維持しようとする。 その速度は、箱と人が逆方向に進んでいる相対速度での衝突であり、その時点で、人の運動エネルギーが、すべて箱の運動エネルギーを相殺する方向に働き、人の速度は0となり、箱は減速して、その速度で動き続ける。
お礼
どうもありがとうございます。この回答が正しいのか正しくないのかを判断するだけの知識がありませんので、この点何とも言えないのですが、読んでみて納得のいくものです。感動です。
補足
>箱と人の質量が等しくなければ、質量の比率の逆に従って、箱:人=m:Mの距離だけ移動します。 くわしくないのでお聞きします。この場合「てこの原理」を用いて、人と箱の距離×質量が等しい、と考えてよろしいでしょうか。 つまり、人と箱の相対的位置は変わるけれども、(人の重心からの距離×質量m)=(箱の重心からの質量M×質量)ということです。もちろん、重心の位置は一定点で不変。 お暇なときにでも教えていただければと思います。