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旧日本海軍 89式12.7cm高角砲の揚弾について
アメリカ海軍のMk.12 5インチ砲は調べてみたところ、砲塔の下に給弾薬室、さらに下が揚弾室となっていて速射に適した構造をしていたのが分かったのですが、日本海軍の艦艇の図面を見たところ高角砲から随分と遠いところに高角砲の弾薬庫があり発射速度を維持できていたのか疑問に思いました。 例えば高雄型重巡洋艦ですが、高角砲の弾薬庫は第1第2缶室の艦首側前、最下層の船倉甲板にあり船の真ん中あたりのセルター甲板に設けられた4基の高角砲から結構距離があります。 弾薬庫から揚弾筒を使い中甲板まで砲弾を揚げるとして、その後はどうしていたのでしょうか? 手で高角砲のところまで持っていったのでしょうか?これだとあまりに労力使いませんかね? 砲側に弾薬筐があったとしてもすぐ撃ちつくしてしまうと思うのですが・・・。
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- mm058114
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おっしゃる通りです。 日本海軍の高角砲は、揚弾こそ機力ですが、その前後の多くは人力に頼っていました。 これは、後の10cm、短8cm半自動高角砲でも、同様です。 これも、あくまで、半自動です。 カタログ上の発射弾数は、最初の内はキープできますが、 人力に多くを頼っている為、時間の経過、戦闘時間が長くなると、 人間の生産性が落ちて、発射速度は遅くなり、発射弾数は少なくなりました。 つまり、最初の設計段階から、長時間戦闘は考慮されていません。 設計時の高角砲の目的は、敵機撃墜、弾幕構成が目的ではなく、 脅威を与え、追っ払うのが目的でした。 また、高角砲の弾薬庫の位置ですが、 アメリカは両用砲として、スピードを重視していましたし、 設計も最新型です。 一方、日本海軍は、長年の斬撃作戦後の艦隊決戦の戦略から、個艦優秀主義を導入し、 重巡に砲力、水雷力を求め、航続力、防御力、居住性を犠牲にしていました。 同時期の各国重巡は、反対に水雷力を廃止し、速度、航続力、防御力、居住性に力を入れていました。 高雄型の設計時期には、対航空戦は重視されず、高角砲の性能、装備数も貧弱です。 個艦優秀主義の砲力、水雷力にギチギチの日本海軍重巡には、高角砲に最適スペースが無く、 改装を歴て、艦上の武装は強化されましたが、艦体内の配置、スペースはどうにもならず、 何かが、犠牲になるのは必然でした。 特に、高雄型は20cm砲塔を5基設置していた為、居住性すら犠牲にしていたわけですから、 高角砲に最適配置は、考慮に入れられていなし、現実的に不可能でした。 これで、いかがでしょう?
お礼
なるほど、 とすると主砲に対空射撃能力を付与していたのはそういった理由もあったのでしょうか。その後廃止されてしまいますけど。 89式高角砲は対空・水平射撃ともに良好な性能だったとする話が多いですが、こういう視点で観察すると逆にどちらも苦手にも思えますね・・・。興味深いです。 回答ありがとうございましたm(_ _)m