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現勤務先から外注翻訳を受けるようになった経緯
現在、派遣で企業翻訳をしているものです。まだ10ヶ月しかたっていません。 将来できれば在宅で翻訳をしたいのですが、調べると独立された方の最初の受注は、元々お勤めになっていた会社から…というパターンが多いですよね。 そういう方、もしくはそういう方のお知り合いの方への質問なのですが、そういった外注を受けるようになった経緯はどういったものですか? 具体的には、何年程務められたか、派遣でも可能性はありそうか、等に興味があります。 ニッチな質問ですみません。。。よろしくお願いします。
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受けるほうではなく仕事を頼む方の視点からのお答えをします。 この話に重要な視点は2つあります。 まず一番重要なのは守秘義務の観点です。 預かっている原稿はかなりの重さで秘密資料だというのはおわかりですね。 技術翻訳の場合、特許の取得手続き中のものもあれば、学会に公開する前の重要な実験データをふくむモノもあります。 原本がそれだけ重要なものですが、翻訳でも軽いことはありません。 翻訳者がいかにその言語に堪能であったとしても、間違いのない翻訳になっている保証はありません。 その技術資料を作成したチームの中に居ないのであれば、ポイントを確実に理解網羅しているとは言えません。 構内で限定して作業をしているのであれば、そのようなことがあっても問題はありません。相談する人がいる。 しかし、自宅に持ち帰って作業している場合、何か不審な点があったりして調べる方法、誰かに質問する方法ともに個人的な知り合い、つまり仕事先からいったら外部です。 守秘義務が極めて怪しいことになります。 一体何の原稿、なんて訊かれてうっかりしゃべったことがあとで問題になる危険性があります。 こういうことを防止するための企画がISMSといい、大体の企業には展開されています。 企画のコードはISO27000シリーズと言います。 情報は外に出してはいけない、というのが乱暴にいうとこの話のキモです。 この意味で、原則的に原稿、作業中翻訳ともに外に持ち出してはいけないことになっております。 しかし、その重要性を熟知した上、何かがあれば責任上の始末をつけられる立場の人間が自宅に持ち帰って作業をするようなことはないとは言えません。 期限が区切られていて守れそうにないような場合は、ビルがシャットダウンしたあとホテルに部屋をとってやる場合もあります。 これは内緒の話で、あるということを容認するモノではありません。 この考えをちょっと延長すれば、何年もある企業内で仕事をしていて、守秘義務がよく理解できていて間違いがないと認められているような人物であれば、退職後に、管理職の責任下において自宅で作業してもらうようなことはないとは言えません。 また念をおしますが、そういうことが許されると言う意味ではありません。原則はないことです。 でも、信頼できると思う昔の部下に依頼する課長なりの責任下において、何等かのことがなされているのです。 そういう信頼関係が培われていない人間に自宅作業仕事を依頼することはありえません。 視点の2番目は、成果の計測方法です。 たとえば、アンケートはがきの記載事項をPCに入力していく仕事なんて言うのがありますけど、こういうのはどこで作業をしようとも成果の評価は簡単です。 個人情報は入力しませんから、内職仕事として外注することが可能です。 入力したハガキの枚数だけ報酬を支払えばいいのです。 1枚5円と決めたとして、仮に10時間かけて1万件入力してくれたというなら、5万円払えばいいだけです。 時給5000円になりますけど、そんなことは知ったことではありません。 仮に1週間かけて200枚入力ということであれば1000円払えばよいのです。 200枚しかやらないのが悪いので、最低賃金がどうだと言われる筋合いはないです。 これでは問題が起きるというのは、ものが数えにくい場合です。 ホームページを作ってもらうなんていう仕事がこれに当たります。 1ページを作るのに、「こんにちは、当社は何々といい、何年創立で従業員は何人いて」みたいなことを書いてその表示でおしまい、なら1時間もかかりません。 どうせその原稿は会社案内にすでにあるものをタイプするだけですから。 しかし、画面の中央にアニメ―ション画像が4つぐらいあって、その上にマウスを乗せると「概要」だとか「歴史」というのが表示され、クリックするとそのページに飛ぶ。 また戻ってきたら、すでに見たページは「参照済み」という旗を振ったキャラが踊っている、そして見ていないところで「ボクを見てよ」とおいでおいでをする。 全部見たあとで、突然ポップアップで「秘密のページ」なんていうものが現れ、業界賞受賞の動画が再生される、というようなものを作るとします。 これ、まあページは数ページあるでしょうが、それ以上にそのページのからみや部品としての画像アニメーションの類の調整が必要です。 とても1日ではできません。できるかもしれないけど、1時間では無理です。 いまのアニメーション複雑系のページ数が5枚とします。さっきの1ページにテキストが乗っているだけのぺらページは1枚です。 ページ数でお金を払うことにしたら、不公平でしょうね。 手の込んだページ作成者は報酬をたくさん欲しがる。それは当然です。 しかし、だったら何を根拠に金額を決めらえるか。 決められないでしょう。 そういう場合は、この開発はすべて社内で行う、ということにし、勤務時間を見るのです。 もし10時間かかったら時給×10を払うと言うことです。 複雑なページを作成するのであれば当然時間がかかります。 かんたんなページには時間はかかっていません。 だから、拘束時間で払ってもらうのであれば恨みっこなしということです。 いま質問者様がどういう評価で作業にお金をいただいているかわかりませんが、普通の人事管理では時間勘定が一番間違いないと思うはずです。 派遣の人間は、派遣元が請求するにあたって誰が聞いてもその通りという計算で請求額が出されていないと客先支払がしてもらえません。 給料が払えません。 現場の人間ならいろいろな価値観で判断することがあっても、派遣元はそんなことはわかりません。 だったら勤務日数で請求を上げます。 おわかりでしょうか。派遣で在宅勤務はあり得ません。 また、派遣で仕事をしている人間が信用できると客先が業務委託してくることもないのです。
お礼
大変参考になりました!ありがとうございました。