事業所の経理担当者へ、出張旅費について質問
ある団体(県内規模)で事務局の責任者をしております。
この地位に就いたのは最近で、現在、いろいろな改革を進めているところです。
どこの事業所にも、職員の出張旅費の規定があると思います。
もちろん当事務局にもありますが、これが40年以上前の規定で、きちんと改正されたことがないので、いろいろ不都合が生じています。
たとえば、県外出張の旅費は次のように規定されています(概要)
(1)基準駅から目的地最寄り駅までの『国鉄』の往復運賃を支給する。国鉄が利用できない場所の場合は、最も合理的な経路・手段による。
(2)鉄道の営業キロ程が片道100kmを超え150km以下の場合は『急行料金』を加算する。
(3)同じく150kmを超えた場合は特急料金(新幹線沿線の場合は新幹線の特急料金)を加算する。
(4)役員には、各列車種別のグリーン料金を加算する。
(5)目的地が本州以外の場合は、航空機または船舶の運賃を支給することができる。
(6)現地交通費として1日あたり1,000円を加算する。
(7)食事補助として1日あたり1,000円を加算する。
(8)異なる用務先を連続して訪問する場合は、そのつど判断する。
(9)本条各号は、実際の移動手段や要した金額にかかわらず、定額支給とする。
(1)の『国鉄』は、国鉄分割民営化時の理事会決定で『JR』と読み替えて利用しています。
(6)(7)は、消費税導入時の理事会決定で『消費税を加算』して支給することになっています。
つまり、現在はそれぞれ1,080円です。
当組織は栃木県なので、通常、基準駅は宇都宮です。
県外出張のうち、頻度でいえば東京(宇都宮から109.5km)が大半です。
東京へ日帰り出張した場合の支給旅費は、次のようになります。
運賃1,940円×2+急行料金980円×2+現地交通費1,080円+食事補助1,080円=8,000円
この旅費規定の大幅改定を予定していますが、改定のポイントは二点です。
【その1】定額支給を続けるか、実費支給にするか?
定額支給は、「前払いが可能になる」「領収書を提出させる必要がない」といったメリットもありますが、「経費の削減につながらない」という批判があります。
しかし、実費支給にすると領収書を提出させてチェックする必要があり、IC乗車券、ワンマンバスなど、領収書を求めにくい交通手段もあります。
また、いったん職員自身が立替払いをしなければならないので、慎重に議論が必要です。
【その2】急行料金支給が現実的ではないので、改定する。
ご存じと思いますが、現在、JRの急行列車はほとんどありません。
存在しない列車の料金を支給し続けるのは現実的ではなく、職員は出張時に「不便だが普通列車を使う」か「足が出るが新幹線を使う」かの選択を迫られています。
時間に追われる往路は新幹線、復路は普通列車を利用し、割引切符でほぼ支給額と同水準に収めている人もいます。
改定の方向性は次の三つのいずれかです。
A案;100km超をすべて特急料金加算とする。
B案;100km超150km以下は、片道分のみ特急料金を加算とする。
C案;150kmまで普通運賃のみとする。
Aはコストの増大を招き、財政を圧迫するおそれがあります。
Bは片道分とする合理的な根拠に欠けます。
Cは勤務条件の切り下げにあたるので、慎重にしなければなりません。
※現行支給額にも現実的な利用法にも近いのはBですが、現実の利用といっても妥協の産物でしかなく、客観的な根拠があるわけでもありません。
皆さんにお尋ねしたいのは、これら改定にかかわってのことです。
【Q1】
定額支給から実費支給(あるいはその逆)に替えた事業所があれば、その際にどんな議論があったか、また、改定後に起きた問題などをご教示ください。
【Q2】
特に似たような交通事情の地域の事業所があれば、宇都宮~東京間と同等の距離で新幹線特急料金を支給しているかどうかをご教示ください。
以上、よろしくお願いします。