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渦電流の問題
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回転でなく、直線的な動きでも同じような現象が起こります。例えば以前にNHKで魅せていた実験では磁石の振子をアルミ板(磁石はくっつかない)の上で振らすとどうなるか、というものでした。 振り子の磁石は急停止していました。アルミ板に対して磁石が動くというのは、磁力(磁場、磁界と呼んだ方が正確かも)が変動するということです。するとアルミ板内に電流が生じます(発電機はこの現象を使っている)。すると、その電流で磁力が発生します。その磁力は、磁石による磁力の変化を妨げるような形で発生します。 ポイントは「電気力と磁力は互いに変化を妨げるように発生する」ということです。なぜそうなっているかはよく分かっていません(もし互いに変化を増すように働いてくれるなら、例えば永久機関がじゃんじゃん作れたりするんですが……)。 >磁石を回転させると下の円板に渦電流が発生して、円板は磁石と同じ向きに回転します。 これがどういう現象なのかというのがポイントになると思います。問題を単純化するため、円板は磁石にくっつかない材質だとしておきます。問題文中に「渦電流」とあることから、設問者はそれで考えて欲しいのでしょうから、円板が例えばアルミ板だと考えるのは、設問者の意図にあっているはずです。 さて、円板は磁石と同じ向きに回転するのでした。磁石に引っ張られているわけですね。今は円板が磁石にくっつく材質ではないと考えていますから、磁力で直接引っ張られているということではないと考えることにします。 そうすると、円板に生じた「渦電流」が何かしていそうだ、ということになります。電流が流れると磁力が発生します(それを使ったのが電磁石)。円板に渦電流が流れたら、それで磁力が発生します。 その磁力により、磁石の磁力と引き合ったとすれば、円板は磁石と同じ向きに回転するようになるはずです。SとNになっているわけですね。もし磁石に反発するように、円板に磁力が生じたら、のだとしたら(SとS、NとN)円板は逆向きに回転するはずです。円板は磁石に付いて行くように回るのですから、引き合うような渦電流の磁力のはずです。 円板に生じた磁力は磁石を引き合う。だとすると、磁石は動こうとする反対方向に引っ張られるはずです。円板には質量があります。質量を持つ円板を回すには力が要ります。ということは、磁石を回すために加えている力は、円板を回すためにも使われるはずです(見えないゴムひもで引っ張っているようなものだから)。 じゃあ何が起こっているか、ポイントをまとめると「磁石の動きにより円板に生じた渦電流が磁力を発生させ、その磁力は磁石の動きを妨げるように働いている」ということです。 円板が磁石の動きを妨げるのですから(電磁石が磁石の動きを邪魔する、といった感じの現象)、磁石に対してが止まっていれば(磁石のN極やS極にいて、円板を見ていると考えるとよい)、円板は磁石の動きを妨げないはずです。それを逆に考えると、磁石が大きく速く動こうとするほど円板は磁石の動きを強く邪魔しようとするはずです。 もしその逆の現象が起きたらどうなるでしょうか。磁石と円板が互いに動きを増すように働いたら、どうなるかということです。最初、磁石と円板は静止しているとします。磁石をちょっと回してやると、円板は逆向きに回転し始めます。そして、互いに動きを増すのですから、磁石の回転も、円板の回転も、何の力を加えなくてもどんどん速くなってしまうはずです。そんな現象は起こらなそうですね(そんなことが起こるなら、電気の要らないモーターが作れてしまう)。 やはり、磁石と円板は互いに動きを妨げるはず、ということになります。磁石の動きにより円板の渦電流に渦電流が生じ、その渦電流によって生じる磁力は磁石の動きを妨げる。それを踏まえて選択肢を考えてみます。 >ア.円板を固定していないほうが強い力を要する 円板は最初静止しているとします。固定していなければ、円板は次第に回転速度を増し、最後には磁石と同じ回転速度になるはずです。すると、もう磁石と円板は互いに静止となります。そうなると渦電流は発生しませんし、渦電流による磁力も消えます。 その状況を磁石を回している側から考えれば、磁石を回すのをだんだん円板に邪魔されなくなることになり、最後には全く邪魔されなくなります。磁石を回すために加えないといけない力がだんだん減るわけです。 >イ.円板を固定しているほうが強い力を要する こちらだと、磁石は円板に対して回る速度はずっと同じです。ということは、磁石を回すための力もずっと同じです。アで最初円板が静止していた状態がずっと続くわけです。 だとすると「最初はアとイは同じ力、しかしだんだんアは力が要らなくなってくる」ということになります。ですので、 >ウ.加える力はどちらも変わらない 最初はそうなるけど、だんだん変わってくるということになります。 まとめると、「最初はアとイは同じ、つまりウだけど、だんだんアは磁石を回す力が要らなくなっていき、イはずっと同じ力が要る」ということになります。 設問と選択肢は正確なものではありません。例えば「最初円板は静止しており、しばらく磁石を回した後」といった条件を付け加えないといけないのです(固定していない円板が、最初は磁石と逆回転ならアが最も力が要る、といったことが生じる)。もし設問にそう書いてあれば、イでよいです。そうでないなら、「問題が曖昧です」と文句を言っても構いません。
- oze4hN6x
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No. 1さんの作用・反作用ですんなり理解できればいいのですが、渦電流という「形」のないものを介する場合に状況をイメージしづらい、と私は感じました。質問された方がうまく説明できないのも同じところに理由があるのではないかと思い、別の説明を考えてみました。 --- 磁石をある角速度で回転させ続けるためには、渦電流の発生で失われるジュール熱に相当するエネルギーを供給し続ける必要があります。渦電流が大きければジュール熱も大きくなり、そして、供給すべきエネルギーも大きくなり、つまり、磁石を回す力も大きくする必要がある、という図式が成り立ちます。 渦電流の大きさは磁石と円板の相対角速度で決まります。円板に対して磁石を速く動かすと渦電流は大きくなり、ゆっくり動かすと渦電流は小さくなる、というわけです。 さて、円板を固定する場合としない場合で渦電流の大きさはどうなるか? 固定しないと円板は磁石と同じ向きに回転するのですから、固定すると円板の磁石と相対角速度は大きくなりますよね。つまり、固定する方が渦電流が大きく、したがって、大きな力を要する、とわかります。
お礼
よくわかりました。ご回答ありがとうございました。
- okormazd
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磁石を回転させると、円板のP1側では磁束は増加し、P2側は磁束が減少します。すると、P1側は、磁束の増加を妨げる方向、すなわち、左回りの電流を生じ、P2側は磁束の減少を妨げる方向、すなわち右回りの電流を生じます。これを「渦電流」といいます。P1側は、この電流により上がN、下がSの磁石になるような磁界ができるので、もとの磁石とは反発力となり、P2側は上がS、下がNの磁界となるので、もとの磁石とは引力を生じます。 円板が固定されていなければ、P1側は磁石から逃げるように、P2側は、磁石についていくように動くので、磁石とともに回転して、抵抗が小さくなり、磁石にかかる力は小さいでしょう。 円板が固定されていれば、これらの力は磁石を動かさないような抵抗力になり、磁石にかかる力は大きくなるでしょう。 P3、P4でも同様です。
お礼
ご回答ありがとうございます。よくわかりました。
- ORUKA1951
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作用反作用の法則です。 小学校で磁石と磁力線を観察したと思う。同じ向きの磁力線は反発し逆向きの磁力線は引き合う。
お礼
ご回答ありがとうございます。よくわかりました。
お礼
よくわかりました。投稿ありがとうございます。