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「御」の使い方 と 手紙の書き方
今、とある集まりに訊ねたい事があるので、手紙を差し上げようと考えております。 そこで二つ分からない事がございます。 まず一つ目は「御」の使い方です。今の所、「拝啓 突然手紙を差し上げる無礼を御容赦下さい。」とだけ書いております。「御」を付けるのは相手が主体となるものだけで良いと考え、「御」は「容赦」にのみ付けております。この考えで正しいでしょうか。 次に、手紙の書き方です。分からないのは、上記の文の次にどう続けるかです。本文に入って問題無いでしょうか。 詳しい方、どうか教えてくださりますよう、よろしくお願い申し上げます ちなみに、「教えてくださりますよう」は「ます」を取って、「教えてくださるよう」とするのはおかしいですか。併せてお願い致します。
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- OKAT
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手紙に付いてのご質問にはほぼ回答が出ているようなので、「音便」と「変則ラ行四段活用」について、変なことを言い出したと、思われている可能性があるかもしれないので、もう少し説明します。音便現象は「名詞」「形容詞」「動詞」その他に起こります。 「名詞」の例では「月立ち」が「ついたち(1日・朔)」になり、これは定着しました。同様に「つきひじ」が「築地(ついじ)」となりましたが、別途「築地(つきじ)」は残っています。 「形容詞」の例では「連体形」(美しき)が「美しい」に中世には定着してしまいました。古めかしい言い方として「美しき人」などは残っています。「美しゅうございます」のような「連用形」のウ音便はほぼ定着しました。ただし、「美しくなる」のような場合があるので完全定着ではありません。 「動詞」は五段活用連用形に「て」・「た」・「たり」が付くとき「促音便」(っ)・「撥音便」(ん)・「イ音便」(い)になるのがもっとも普通のものです。昔は「ウ音便」もありましたが、現代では方言以外にはあまり見かけません。 さて問題の「ラ行五段活用」ですが、連用形に「て」を付けると「促音便」になります。この点では共通です。しかし、連用形に「ます」など付けると「り」が「い」となる場合があります。これは確かに「イ音便」です。ただ、実際にそうなるのは「くださる」・「おっしゃる」・「いらっしゃる」・「なさる」(これはNo.10の方が加えてくださいました)・「ござる」(これはわたしが加えた特殊な語です)の合計五つです。 「ラ行五段活用」数多しといえど、この五つに限られます。 「くださいます」「おっしゃいます」「いらっしゃいます」「なさいます」「ございます」です。 これらの共通点は敬語の中で使用される動詞・補助動詞です。 そして、それらは「くだされ」・「おっしゃれ」・「いらっしゃれ」・「なされ」となるはずの命令形が、 「ください」・「おっしゃい」・「いらっしゃい」・「なさい」となります。 これが「変則五段活用」とする理由です。 (なお、命令形の説明で、「ござる」をわざと省きました。それは「ござい」という命令形をもたないからです。「ござる」は武士階級の常用語として盛んに使われましたが、近代に入ると「ございます」以外はほぼ死語になっていまいました。) ある人がブログで「敬語に命令形てあるのか」といっていましたが、現代敬語ではそいう意識が強く働いているため、さまざまな影響が起きています。詳しくは、またの機会に。
- 1311tobi
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No.8でコメントした者です。 「くださり」が「ください」になるような動詞は、No.9のかたがあげた3つのほかに「なさい」があるそうです。 この問題に関して「イ音便」とする説も目にしますが、専門家は「変則的五段活用(とでもいえる)」としています。たぶん、いわゆるイ音便とは少し違うのではないかと。まあ、このあたりはご質問とはあまり関係ありませんが。 むずかしい話なので孫引きします。 【読書感想文/『敬語再入門』(菊地康人/講談社学術文庫/2010年3月10日第1刷発行)】 http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html ================引用開始 ところが、「なさる」の場合、一般的法則の通りではなく、すでに江戸時代のうちに下二段から四段活用に変わりました。四段活用は現在は五段活用になり、「なさる」も、 (2) なさらない、なさろう(とする)、なさいます、 なさり(中止形=テン(、)の前の形)、なさって、 なさった、なさる、なされば、なさい と活用するようになりました。普通の五段活用とは少し違うので(普通の五段活用なら「なさいます」「なさい」でなく「なさります」「なされ」となりところです)、変則的五段活用とでもいえるでしょう。「くださる」「おっしゃる」「いらっしゃる」も変則五段活用です。 現代の標準的な使い方は、この(2)です。(P.48~49) ================引用終了 ちなみにこの『敬語再入門』には〈「お/ご~する」といえる語〉に関する詳細なリストがあります。「お教えする」もそのリストに入っています(P.75/P.237)。
- OKAT
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> 「御手紙」でいいんですね。よく分かりました。 これはこれでいいのですが、「御手紙」を「尊敬語」と説明したのは誤りで、No.7の方がおっしゃるように、「御手紙を差し上げる」がセットで「謙譲表現」になっていると考えた方が良いようです。 > 「くださりますよう」ではなく、現代では、「くださいますよう」との事ですが、音便をもとに戻すのは、現代では有り得ないほどにおかしい事になるのでしょうか。僕は、おかしいどころか、音便を解除するのだから、より丁寧なくらいだという気がするのですが、如何でしょう。また、「ます」は必ず要りますか。 現代語では、「ください」が「くださり」の音便であるとは言えないと思います。その証拠に「命令形」が「くだされ」でなく「ください」で定着しているのと同様なのです。この件は国語学者が明言しています。勿論、イ音便から出た形ではあります。前にいったように「くださる」「おっしゃる」「いらっしゃる」3語(多分)だと思います。命令形と連用形が「ください」「おっしゃい」「いらっしゃい」になります。この定着を認めないと、命令形も「くだされ」「おっしゃれ」「いらっしゃれ」としないとバランスが取れません。 「ます」は必ずしも必要ではありません。「くださるよう」でもいいでしょう。しかし、これも「くださいまし(ませ)」ように結合形が使われることが多くなっています。同様に「いらっしゃいまし(ませ)」の形も多くなっています。(これらは命令形)また、「くださいます」「いらっしゃいます」「おっしゃいます」(これらは連用形)も普通になっています。
- 1311tobi
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敬語表現には、いくつかの段階があります。 どれが「正しい」ということは決めるのはむずかしいと思いますが……。 書き出しは「突然手紙を差し上げる無礼を御容赦下さい」でも「間違い」ではありません。No.7のコメントのリンク先にあるよう、これを「頭語」と考えるなら「拝啓」は不要でしょう。 ●「御」の使い方 「手紙」の「お」はつけたほうがよいでしょう。なくても間違いではありませんが、「お」をつけるほうが敬度が上がりますし、一般的です。 〈「御」を付けるのは相手が主体となるものだけで良い〉……は先行コメントにもあるように、間違った考え方です。 おおざっぱに書くと、手紙(というか「名詞」全般)につける「お」は3種類あります。 自分が書いた手紙につける「お」は謙譲語。 他者からもらった手紙につける「お」は尊敬語。 一般的な手紙につける「お」は美化語と考えてよいでしょう(これはちょっと微妙かも)。 詳しくは下記をご参照ください。 よくある誤用33──敬語編3 自分の行動などにつく「お/ご」 http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n133134 ちなみに、「無礼」も「ご無礼」のほうが敬度が高くなります。そこまで必要はないとお考えなら、「無礼」でも構いません。 いささかオオゲサな気もするので「失礼」にするほうがいいかもしれません。これだと「お/ご」で悩む必要がなくなります。 「教えてくださるよう」は間違いではありません。しかし、「ます」が入った「教えてくださりますよう」のほうが敬度が高くなります。 これを「お教えくださりますよう」にすると、さらに敬度が上がります。 ただ、「お」で始まる言葉には接頭語の「お」はつけないほうがいい、と考える人も多いようです。当方もあまり使いません。 「お送りします」「お教えします」などは問題のない敬語表現ですが、このあたりは好みの問題かもしれません。 「初めて」手紙を差し上げる相手なら少し堅めに「ご教示くださりますよう」のほうがよいかもしれません。 文末が「お願い申し上げます」なら、「~くださりますよう」でもよいでしょう。当方は「~れば幸いです」などを使うことが多い気がします。 「ください」と「くださり」の違いは、No.3のかたのコメントのとおりです。 現代では「ください」がフツーですが、「くださり」でも間違いではないでしょう。 ●上記の文の次にどう続けるか いろいろ考え方はあるでしょうが、本題に入っても問題はないのでは。
- hakobulu
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1. 下記サイトには、【突然お手紙を差し上げる無礼をお許し下さい】という例文が挙がっています。 https://www.post.japanpost.jp/navi/mame_dear.html ポピュラーな表現と思います。 単に【初めてお手紙差しあげます】というのも、すっきりしていて良いでしょう。 上記【】内でお示しした2つの文言は、拝啓・前略などと同じ「頭語」というものに分類されています。 そのため、「拝啓、突然お手紙を差し上げる無礼をお許し下さい」のような表現は、頭語の重複となり好ましくありません。 下記サイトにも、『例えば、初めて手紙を送る相手には、よく見る「拝啓~敬具」を使用するよりも「初めてお手紙を差し上げます~敬具」を使うほうが適切です。』という記述があります。 http://nanapi.jp/450/ 2. 「手紙を差し上げる」ではなく「お手紙を差し上げる」とするのが適切です。 「お手紙」は謙譲語1です。 謙譲語1というのは、下記サイト<敬語の指針>15ページに詳しく述べられているように、【自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて,その向かう先の人物を立てて述べるもの】です。 http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/bunkasingi/pdf/keigo_tousin.pdf 自分の手紙ではあるのですが、「あなたに向けたもの(=手紙)」なので、へりくだって「お手紙」と表現するのが正しい敬語(謙譲語1)です。 3. 「突然お手紙を差し上げる無礼をお許し下さい」 「初めてお手紙差しあげます」 などから、すぐに用件(本文)に入って構わないと思います。 これだけでは物足りないとお感じになる場合、下記サイトがご参考になるかもしれません。 http://www.peacock-union.com/maillab/anpi/first.htm 個人的には、「早速、用件に入らせていただきます(入らせていただきたいと思います)」ぐらいで良いと思いますが。 4. 「教えてくださるよう」は、端的に用件を伝える場合に適していますが、若干、強制的なニュアンスも込められてしまいます。 「よう」は、婉曲な命令・希望を表す助動詞「ようだ」の連用形「ように」の省略形だからです。 「ます」という丁寧語(敬語)を使って、「教えてくださりますよう」とすることによって、強制のニュアンスを消して敬意を表すことができます。(ただし、話言葉の場合は、「教えてくださいますよう」のようにイ音便を使うほうが自然です)
- ゆのじ(@u-jk49)
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文と言うのは人を体現します。その人の内面の在り方を期せずして示します。 >拝啓 突然手紙を差し上げる無礼を御容赦下さい。 心ある人は、こういう形式ばった型通りのマニュアル化された文体を嫌悪します。第一、こういう悪文では、人としての誠意を感じません。 「とある集まり」が貴方の関係先であり、その団体組織への問い合わせであるなら、 拝啓 ご健勝の御事とお慶び申し上げます。 さて、このたび、お尋ねしたいことがございまして、誠に不躾ながら、お手紙を差し上げることに相成りました。ご多忙中とは存じますが、なにとぞ、以下の事柄について、是非、ご教示を賜りたく存じます。
- TANUHACHI
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初めまして、面識もなくこの様なお話しをさせていただく非礼をお許し下さい。 もしこの様な手紙を受け取ったなら、相手の方がどの様に感じるかを少しばかり想像してみたらよいのかもと考えてみました。 No.3の方が挙げられている事例「突然御手紙を差し上げる失礼をお許しください。」が適切と存じます。これならば、相手の方に不要な緊張を与えることもないでしょうし、敬語表現を連ねてしまいますと反って慇懃無礼な印象を与えかねもしないとも限りません。
- OKAT
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No.3です。回答を一つわすれていました。「御」の使い方ですが、「御手紙」でいいと思います。自分が書いた手紙ですが、相手が読む手紙でもあります。このような時は、読んでもらう人を立てるため「尊敬語」として「御」を付けます。(単なる美化語ではありません)
補足
こんばんは。 回答ありがとうございます。 「御手紙」でいいんですね。よく分かりました。 「くださりますよう」ではなく、現代では、「くださいますよう」との事ですが、音便をもとに戻すのは、現代では有り得ないほどにおかしい事になるのでしょうか。僕は、おかしいどころか、音便を解除するのだから、より丁寧なくらいだという気がするのですが、如何でしょう。また、「ます」は必ず要りますか。
- OKAT
- ベストアンサー率38% (247/639)
手紙の書き方については、気になるようなら本屋で立ち読みでいいから、参考にしてください。考えてみますと、突然手紙を書くことがそんなに無礼なことなのでしょうか。予約や紹介が必要なんでしょうか。知り合い以外に出す手紙はほとんど「突然」になるはずなのですけど。とは言いましたが、断り書きが不必要だというつもりはありません。 よく見るパターンは「突然御手紙を差し上げる失礼をお許しください。」ですが、あまり大げさにならない程度でいいと思います。 もともと本格的な手紙の書き方にはなっていませんから、すぐ用件に入ってかまわないと思います。(本格的でないと言ったのは「季節」や「その他の挨拶」を飛ばしていますから) 「くださる」は「おっしゃる」や「いらっしゃる」と同じ変則ラ行五段活用をしている動詞・補助動詞です。 [ら・り・る・る・れ・れ] でなく [ら・い・る・る・れ・い]になります。すなわち、連用形と命令形が「い」に変わります。したがって「教えてくださりますよう」ではなく「教えてくださいますよう」が現代での使い方です。
- maiko0318
- ベストアンサー率21% (1483/6969)
御手紙に関しては、相手に差し上げるものですから丁寧にします。 同じ差し上げるものでも粗茶ですが、とか、つまらないものですが、と謙遜することもあります。 教えてくださりますよう。。。ですか これは、+ます。で変化するんじゃないかな? その辺は国語の知識がかなりいりますので、私の頭では返答しかねます。
お礼
分かりました。 「御手紙」とします。 大変ありがとうございました。
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補足
こんばんは。 回答ありがとうございます。 >>「文と言うのは人を体現します。その人の内面の在り方を期せずして示します。」 全くその通りでございます。これはあらゆる事に於いて言える事ですね。 >>「心ある人は、こういう形式ばった型通りのマニュアル化された文体を嫌悪します。」 そうなのですか。 >>「第一、こういう悪文では、人としての誠意を感じません。」 よろしかったら、どう悪文か教えてくださいますか。根拠の提示無しに、悪と言われると、気分が良くありません。形式ばった型通りの文章では心が感じられないという事でしょうか。確かにその場合は多そうですが、人の感じ方は多様だから、一概にも言えないと思います。 最後に、大変素晴らしい例文をありがとうございます。突然の御手紙に対する断りは不要ですか。