大量国債発行で、日本経済は破綻する?
日本の政府が大量の国債やを発行して、それが累積(公債残高約614兆円,2010/9)されていくことに対して、「日本が経済破綻する。」などという批判をよく聞きます。このことに対して、私が本などを読んで理解したことを整理してみるので、大きな勘違いなどがあればご指摘いただければ助かります。
政府が税収以上の予算を組むために、国債を発行して、借金をする。日本の場合、国債は円建てで、購入しているのは、ほとんど(90%)は日本の銀行や生保である。その銀行や生保の原資は、主に国民の貯金である(下記の日本のバランスシート(BS)の家計部分が1077兆円資産超過になっている)。銀行・生保にしてみれば、不景気で日本企業が設備投資よりも負債減を指向している現在、投資先が国債以外にあまりないという事実がある。
日本国全体(政府だけでない)の経常収支、つまり対外資産=海外負債と対外負債=海外資産の差は、下記BSにあるように256兆円の黒字である。
ここで注目したいのは政府の経済に対する役割は、一般の企業とは違い政府自身ではなく日本国全体の経済を円滑にすることだと言うことである。つまり、政府自体の経営ではなく、日本国全体の財政(PL/BS)を適正に運用することだと考えられる。
もちろん、政府が国債などにより借金をすると、当然利子を払わなければならないし、期限が来れば借金を返さなければならない(国債の償還)。これができなくなったときに、債権不履行となり、政府は、いわば破産することになり、IMFからお金を借りて、IMFの管理下に入ることになり、これは避けたい状況である。(経済破綻の一つの状況?)
国債を償還する場合、税収が少ない場合、償還のための国債を発行(2011年度は新規国債発行44兆のうち21兆)することになるが、結局、また日本の銀行などがその国債を買うことになるし、またその利子(約9兆)の大部分も銀行引いてはお金を貯金している日本国民にまわることになり、日本国全体の財政に大きな影響を与えないと思われる。
ただ、政府にしてみると、国債が年々増加していると償還すべき国債も毎年増えて、税収が伸びない場合、同じ額の事業を行おうとしても、国債の発行額を大きくしないといけないということになる。
こういった増加する国債を日本の銀行などが買えなくなった場合に、海外の投資に頼らざるを得なくなり、日本国全体のBSに大きな影響が出てきて、最悪、国家としての債務不履行などが起こると考えられる。
その猶予は、最大で、家計の資産超過分1077兆円と対外純資産256兆円の合計と考えられる(自信がありません)??
それまでに、何とか、景気を良くしてポジティブスパイラルに持っていかなければならない。
如何でしょうか?
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日本のバランスシート(日本銀行作成統計資金循環の主要部門・取引項目残高表(2010年9月末速報))
(借方:資産5872)金融機関:2774、非金融法人企業:806、 政府:469、 家計:1442、NPO:55、海外:327
(貸方:負債5872)金融機関:2789、非金融法人企業:1100、政府:1042、家計:365、 NPO:19、海外:583
(差額)金融機関:15、 非金融法人企業:-295、政府:-573、家計:1077、NPO:36、海外:-256