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化学 電気陰性度について疑問があります。

電気陰性度はフッ素が最大であるというのはなんとなく理解できるのですが、閉殻構造を持つ希ガスのクリプトンは酸素・塩素・窒素に次いで電気陰性度が大きいですよね。 その理由は何でしょうか? よろしくお願いします。

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回答No.2

オールレッド・ロコウの電気陰性度χARを使うと、クリプトンの電気陰性度が大きいのは(最外殻電子の感じる)有効核電荷が大きいから、と一応の説明ができます。 ウィキペディアにあるχARの式を見ると、有効核電荷が大きいほどχARは大きく、共有結合半径が大きいほどχARが小さくなることが分かります。 典型元素の有効核電荷は、同じ周期なら周期表の右に行くほど大きくなります。ものすごく荒い近似では、最外殻電子の感じる有効核電荷は12~18族では族番号-10です。つまり希ガスの有効核電荷は同周期のハロゲンのそれよりも大きくなります。 典型元素の共有結合半径は、同じ族なら周期表の下に行くほど大きくなります(最外殻が大きくなるため)。また、同じ周期なら周期表の右に行くほど小さくなる傾向があります(有効核電荷が大きくなるため)。つまり希ガスの共有結合半径は同周期のハロゲンのそれよりも小さくなる傾向があります。 これらのことから、同じ周期の希ガスとハロゲンのχARを比べると、希ガスの方が大きくなることが分かります。つまりクリプトンのχARは臭素のχARよりも大きくなります。ポーリングの電気陰性度χPの大きさの順序は、χARと全く同じ順序になるわけではありません。けれども、χPもχARも、分子中の原子が共有結合電子対を引き付ける強さを表している、という点では同じです。ですので、オールレッド・ロコウの考え方でχPの順序を説明しても、まあそう悪くはないんじゃないかなと思います。分子中の原子が共有結合電子対を引き付ける度合を表す量としては、オールレッド・ロコウの方が直接的ですしね。 > HeやNeに数値が出ていないことも気になります・・・ この理由は非常に明解です。HeやNeが化合物を作らないためです。原子 A と原子 B の結合エネルギーの実測値 E(A-B) がなければχPは計算できませんから、化合物を作らない元素の電気陰性度は、ポーリングの方法では計算できません。

betanm
質問者

お礼

大変詳しくご回答ありがとうございます。 明快な説明ですね、 KrやXeが化合物を作るというのは知りませんでした。 そこで計算上数値が出てくるのですね。 ご教授ありがとうございました。

その他の回答 (1)

  • Saturn5
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回答No.1

電気陰性度とは、共有電子対を引きつける強さであるので、 本来は希ガスに対しては定義されないものだと思います。 電気陰性度を最初に提唱したのはポーリングですが、 マリケンやオールレッドもいろんな考え方を提唱しています。 現在ではオールレッドの公式に係数をかけてポーリングの値に 近づけたものが主流ですが、マリケンの公式などではイオン化エネルギー と電子親和力で算出するので、希ガスでも定義できるようになります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E6%B0%97%E9%99%B0%E6%80%A7%E5%BA%A6

betanm
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 わたしもwikipediaの説明を見ての疑問でした。 ポーリングの稿の表からです。 計算上そうなりますということで、実際の化学結合に寄与する電気陰性度と比例はしないということなのでしょうか? HeやNeに数値が出ていないことも気になります・・・

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