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古典の授業で勉強した話
- 古典の授業で習った高校生時代の話です。主人公は王を暗殺しようとする場面があります。
- 暗殺方法は筒状に丸めた紙の中に小さな刃物を隠して接近して刺すというもので、刃物には特殊な工夫がしてあります。
- 主人公は生きて戻ることはないと言っており、親密な人に永久の別れを告げます。しかしどの古典の話かははっきりとはわかりません。
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こんばんは。この条件からしますと、恐らくは「始皇帝暗殺未遂事件」を扱った荊軻(けいか)の逸話ではないかと思われます。 原典は『史記』の「刺客列伝」にあります。未だ中国が一人の皇帝によって統治される以前、春秋戦国時代と呼ばれていた頃、燕の国に丹という王子がおりました。その王子は秦に捕虜となっていましたが秦の王である政はまだ幼かった頃に共に親しい間柄でしたが、いつしか政は丹を見下す様になっていました。 その上、政は強国である秦の王となり、一方の丹は小国の燕の王子との身分であり、互いの力関係にも大きな違いが生じてもいて、丹はそうした危機感から何らかの策を講ずべく、臣下の推挙により一人の刺客と出会うこととなります。それが荊軻です。 荊軻は自らの配下として薄索を準備し呼び寄せようとしたものの、丹は毒を焼き込めた匕首と秦舞陽なる無頼の輩を従者として彼に授けます。けれども秦舞陽の本性を臆病で頼りにならないことも既に見抜いていました。 そして遂に暗殺計画を実行すべく荊軻が出発するその日に、易水のほとりまで丹らは全員白装束で見送り、荊軻は「風蕭蕭兮易水寒 壮士一去兮不復還(風蕭々として易水寒し。壮士ひとたび去って復た還らず)」との言葉を残して旅立ちます。 そして遂にその日が訪れ、咸陽の都に着いた荊軻は秦王に謁見することとなります。王の前に進み出た秦舞陽が挨拶を始めますが、恐怖から全身が震え始めそれを不審に思った群臣が尋ね、荊軻は「田舎者ゆえ、天子様の前にて畏れ多くそのために戦いているのです」とごまかし取り繕います。 そして差し出された譲渡するとされた領地の地図(巻物)を秦王が広げ始めると、やがて巻物の末尾には予め仕込まれていた匕首が姿を表し、それを手にした荊軻が王を殺害するとの手はずでしたが、実際には失敗し荊軻はその場で斬殺され、身をズタズタに切り刻まれたとされています。 これが「始皇帝暗殺」のエピソードとして『史記』には伝えられている事件の梗概で、漢文で扱われたならば「壮士一去兮不復還」の故事かと存じます。この辺でよろしいでしょうか?
お礼
タイトルだけではなく、 ストーリーまで答えていただきありがとうございます 読んでいると「そういえば」と思い出すシーンがところどころありました なのでおそらくはこの話であると思います