>二次関数の分数の積分について
>f(x)=a/(bx^2+cx+d)
>のとき
>∫f(x)dx=F(x)+C
>となるF(x)の求め方を教えてください。
題意からab≠0と考えられるのでa/bで括ると
f(x)=(a/b)*1/(x^2+(c/b)x+(d/b)=a'/(x^2+2b'x+c')
と変形できます。a',b',c'を改めてa,b,cとおくと
∫f(x)dx=a∫{1/(x^2+2bx+c)}dx+C
という不定積分になります。aは単なる定数なので
∫{1/(x^2+2bx+c)}dx
という不定積分を考えればいいですね。
b,cの値によって積分法が異なります。
すなわち、#2さんも言われていますが、
分母=0の判別式の正,負,0(つまり異なる22個の解を持つ場合、共役な2個の虚数解を持つ場合と重解を持つ場合)の3つのタイプによって
積分法がまったく異なりますので
3タイプの場合分けが必要です。
[i] x^2+2bx+c=0が重解を持つとき(判別式:b^2-c=0のとき)
一般の場合はx+b=tとおいて置換積分すればいいです。
具体的な代表例としてa=b=c=1のとき
∫f(x)dx=∫{1/(x+1)^2}dx
x+1=tとおいて置換積分すればよく
∫f(x)dx=∫{1/t^2}dt=∫{t^(-2)}dt=-t^(-1)+C
元のxに戻して
=-1/(x+1) +C
とF(x)=-1/(x+1) が求まります。
[ii] x^2+2bx+c=0が異なる2個の実数解を持つとき(判別式:b^2-c>0のとき)
分母を因数分解して、部分分数分解して積分してやれば良いです。
すなわち,「1/(x+p)のタイプの積分⇒log|x+p|+C」になる。
具体的な代表例としてa=1,b=-1,c=-3のとき
∫f(x)dx=∫{1/(x^2-2x-3)}dx
=∫{1/((x+1)(x-3))}dx (x≠-1,3)
部分分数分解して
=(1/4)∫|(1/(x-3))-(1/(x+1))}dx
=(1/4){log|x-3|-log|x+1|}+C
=(1/4)log|(x-3)/(x+1)}+C
とF(x)=(1/4)log|(x-3)/(x+1)} が求まります。
[iii] x^2+2bx+c=0が共役な2個の虚数解を持つとき(判別式:b^2-c<0のとき)
一般の場合はx+b=t、t=tan(u)とおいて置換積分すればいいです。
具体的な代表例としてa=1,b=-1,c=2のとき
∫f(x)dx=∫{1/(x^2-2x+2)}dx
=∫{1/((x-1)^2+1)}dx
x-1=tとおいて置換積分
=∫{1/(t^2+1)}dt
更に t=tan(u)(|u|<π/2)とおいて置換積分
=∫{(1/(1+tan^2(u)))sec^2(u)}du
=∫du=u+C
もとの変数t,xに戻すと
=tan^-1(t)+C
=tan^-1(x-1) +C
とF(x)=tan^-1(x-1)(tan^-1(・)は・のアークタンジェントです) が求まります。
>単純にa,b,c,dとxだけで表現できる1つの関数にはならないと言うことですか?
その通り。
2次関数分の1の関数の積分は、上記のように、分母=0の判別式の正,負,0によりF(x)の関数形がまったく異なるので、F(x)はa,b,c,dによる1つの関数F(x)にはなりません。
上述の3タイプのf(x)の積分のやり方を、上述の具体例を参考に、しっかり覚えてものにしておきましょう。
お礼
…いや、そもそも、2次式分の1を微分する方法を理解してないかも?
補足
ありがとうございます。 数学は奥が深いですね。 ところで話は変わって2次式分の1をマクローリン展開すると以下の計算で合ってますか? 1/(ax^2+bx+c)=1/c+(1/b)x+(1/a)x^2+x^3+x^4+x^5... 収束範囲(|x|<1) ぼんやりとした記憶では情報系の大学ではマクローリン展開した式を積分するのが一般的なのかと思ってましたが、収束範囲が(|x|<1)では全く使い物にならない?それとも何か|X|>=1でも使える応用方法があるのでしょうか?