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立体角に関する基本事項
曲面S上の位置ベクトルr↑ = (x, y, z)、そのユークリッドノルムr = ∥r↑∥とすると、原点OがSの内部にあるとき、ガウスの発散定理 ∬_[S] (r↑ / r^3)・ndS =∫∬_[V] div(r↑ / r^3)dV が使えないのはなぜか?
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(r↑ / r^3) とお書きなののは、ふつーの静止してる点電荷の電気力線とか、質点の万有引力とかの力線のベクトル場のことですよね。だから湧き出しであるdivergenceは、原点を除けば当然0。だけど、原点ではdivの値が発散している。そもそも(r↑/r^3) 自体、原点が特異点になってて、「至る所滑らかなベクトル場」ではないわけです。が、けれどもこれを「原点1点に全てのdivergenceが集中している」と解釈することができる。 というのは、まずこの場に切り貼りの手術を施行して「微小な半径εの外側では(r↑/r^3) であるが、その内側では発散したりしない、適当な至る所滑らかな場A(ε)」に手直ししてやるんです。半径εの内側をたとえば(r↑)(P-Q(r^2))に取り替え、ただし、継ぎ目(r=ε)では一階微分まで連続になるようにP,Qを調節して繋ぐ。こうやって直したAならお書きの定理も問題なくイケるでしょ? そして、A(ε)のε→+0での極限として(r↑/r^3)を考える。実はそれには、極限を普通の関数ではなく超関数として扱わねばならんのです。そうすると「原点1点に全てのdivergenceが集中している」という解釈が実際可能になり、コタエだけ言えば div(r↑/r^3) = 4πδ(r↑) (δはディラックのデルタ関数の3次元版) ってこと。すると、お書きの公式は成立っちゃうんです。 「A(ε)のε→+0」というところを言い換えるなら、半径εの球の中にナニカdivergenceの(未知の)分布があって、ただその体積積分だけは分かっている。また、この球の表面では(r↑ / r^3) (r=ε)になっている。(この球の外にはdivergenceはない。)この球を含むような体積Vを考えれば、(球の中を詮索するまでもなく)お書きの定理が成立つ。で、「球の表面では(r↑ / r^3) (r=ε)になっている」という状態を保ったまま、上記のdivergenceの分布を(体積積分を変えずに)中心にどんどん凝縮していくことによって、この球を縮めて行く。という風にイメージすることもできますね。