- ベストアンサー
The Desperation of Captivity: An Analysis of Rainer Maria Rilke's Poem
- Discover the powerful portrayal of captivity in Rainer Maria Rilke's poem, 'The Panther' from 'The Art of Choosing' by Sheena Iyengar.
- Explore the theme of confinement and the loss of control in Rainer Maria Rilke's poem, 'The Panther' from 'The Art of Choosing' by Sheena Iyengar.
- Unravel the symbolism of bars and the absence of a world behind them in Rainer Maria Rilke's poem, 'The Panther' from 'The Art of Choosing' by Sheena Iyengar.
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
お示しの訳文自体は、優等生の訳かもしれないと思います。 It seems to him there are a thousand bars; and behind the bars, no world. この部分は Rilke の詩の一節ですね。 この詩の描いている状況は、動物園か何か分かりませんが、とにかく檻に入れられた panther のことを歌っています。 詩人はその panther に代わって、自分が彼だったらどんな気持ちだろうかと想像しています。 > Just like the helpless dogs, however, he cannot see past his confinement. この the helpless dogs というのは、前に述べている Seligman experiment (Wikipedia には 「学習性無力感」 という項目に出ています) のことです。 もう、何をやっても無駄だという、絶望感。その檻から脱出しようという意欲さえ失ってしまっている panther で、彼はただ檻の中をひたすら動き回っているだけです。 脱出しようという意欲を失くしていることが、he cannot see past his confinement という文で表されています。「檻の外の世界を見ることが出来ない」 とは、檻の外に出ようという気概を喪失している、ということを表現しています。 続いて Rilke の詩の英訳が示されています。 > It seems to him there are a thousand bars これは、実際に a thousand bars があるということではなくて、a thousand bars があるも同然だ、ということです。実際の bars の数が a thousand より少ないとしても、同じことで、どうせ檻の外に出ることは出来ないのだという絶望感が漂います。 > and behind the bars, no world これは the panther が入れられている (監禁されている) 檻の中のことです。そこにいる、というだけの場所であり、人間ならトイレにこもっている状態であり、それをもって人生を生きている一部だと言えないように、そのような場所にいることは、本来生きるべき世界から隔絶されている、ということを表しています。 > Whether the bars are real or metaphorical, when one has no control, ここから書き手は、ちょいと理屈をこねているわけです。あくまでも Rilke の詩の内容に沿っているような振りをして、読者を自分の主張に導こうとしています。 the bars は Rilke の詩における the panther が閉じ込められている檻の bars のことですが、書き手は Rilke の詩における bars は現実のものとは限らず、それによって何かを意味していたのではないか、と読者に思って欲しがっています。明らかに比重は metaphorical という部分にあり、そう受け取ってもらうことを期待しています。bars はその内部の者の行動の自由を阻むものです。それが one has no control ということですが、これは文字通りは 「行動の自由がきかない」 ということですが、実は 「自分の人生を自分の思うように生きられない」 ということのメタファーだということでしょう。 > it is as if nothing exists beyond the pain of this loss ここで問題は beyond the pain of this loss という部分でしょう。この後の部分があるなら、そこまで読んでみないと正確な判断は出来ないかもしれませんが、ここまでだけの内容から1つの解釈をすると、beyond the pain は 「苦痛からの開放」 です。何の 「苦痛」 かといえば、of this loss (この欠落から生じる) ということでしょうか。抽象的ですが、this loss というのは、「本来生きるべき生を生きることが出来ない状態」 とでもいえるでしょうか。人間なら 「喪失感」 も近いかもしれません。マルクス主義者は 「(自己) 疎外」 という用語を用いるかもしれません。自分の生を十全に生きていないという、どうしようもなく絶望的な気持ちです。仮にその檻、すなわち定職に就けないとか、結婚資金が無いために結婚が出来ないでいるとか、そういう社会的もしくは個人的な事情が解消したとしても (つまり beyond です)、それでも本当の自分を生きていないという欠落感は補えるものではない、ということを書き手は言いたいように読めます。
お礼
大変詳しく解説していただいてありがとうございます! it is as if nothing exists beyond the pain of this loss の"this loss"の意味を取るのが難しかったのですが 「喪失感」、「自分の生を十全に生きていないという、どうしようもなく絶望的な気持ち」 という解釈でよく伝わってきました。 この文は「THE PANTHER IN THE GILDED CAGE」という章の最後の部分になります。 教えて下さったように 「それでも本当の自分を生きていないという欠落感は補えるものではない」と言って この章を締めくくっているように思いました。