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翻訳コンクールの訳
とある「翻訳コンクール」に応募しました。 もちろん入賞できるとは思っていなかったので、結果に不満があるわけではないのですが、その審査員の感想のところが気になっています。 それで、英語に堪能な方の意見も聞いてみたいと思った次第です。 まず、原文は She told deep blue sea stories to Mum.... flying up high in the sky stories to Dad,and magic syories to her little brother Jamie. となっています。 その審査員の感想は >端的な例をあげると、P.6 の "She told deep blue sea stories to Mum" 以下の繰り返しです。絵本の翻訳の場合は、ぜひゆっくり朗読してみて下さい。すると、 "She told deep blue sea stories" で少し切ってから、" to Mum" と読むでしょう。つまり、「ルーシーは、深くて青い海のお話は(を)……お母さんに」となるのです。つまり、「ルーシーは、こんなふうなお話を……(いったい、だれにするんだろう?)……お母さんに……」というふうに書かれてあるのです。これを、「ルーシーはお母さんに、深くて青い海の物語を……」と訳してしまうと、つまらなくなってしまいます。それが英語の文脈に沿うということなのです。 なのですが、こういうことなんでしょうか? ただ単に、英語では to Mumが文法上最後に来るだけで、そんな深い意味は原文にはないのではないか??なんて思ってしまったんです。 この英文を見た場合、英語ネイティブとしてはこのようなニュアンスに読み取りながら読むのでしょうか?
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She told deep blue sea stories to Mum.... flying up high in the sky stories to Dad, and magic stories to her little brother Jamie. これはルーシーがみんなにしてあげたお話。深くて蒼い海のお話は、お母様に。お空に高く舞い上あがったお話は、お父様へ。それから、不思議な魔法のお話は、可愛い弟のジェイミーちゃんに。 +++++ 難しい注文をつける審査員ですね。でも審査員のご指摘の通りで、朗読する上では、(審査員の言う程長くはなくても)八分休符位の息継ぎが "to" の前にあって然るべきでしょう。 その理由は、"deep blue sea stories" の句はそれぞれの語の第一音節にストレスを置いて読まれるべきで、そうするとこの部分だけが長くなり、短い"to Mum" の句とのバランスをとり、どちらかの節の一方だけが必要以上に強調されぬよう留意する必要があるためです。従って、"to Mum" の前で一旦切るのは望ましい読み方でしょう。更に、3つの文節共に "stories" とその話をする相手 ("Mum" "Dad" "her little brother Jamie") が対になっていますから、"Mum" "Dad" "her little brother Jamie" のどれもをハッキリと(前の句から区切って)読む事が、文の意味や文脈を表現する上では重要となります。 +++++ 勿論、旦那様の仰る通り、私としても「そこまで知るか!」というのが個人的で率直な感想ですが、私はニューヨークでモノカキの端くれをしており、翻訳もたまにやりますが、ヴィレッジやソーホーで本屋を営んでいた頃は「朗読の会」等もあり、コメントにある様な「ふかよみ」の部分にセンシティブな人々の神経が理解できない訳でもありません。そう考えてみると、審査員のコメントは単にその人の主観的な感性からくるものではなく、むしろ客観的で的を得た批評だと考えます。
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この場合は審査員の添削どおりだと思います。 翻訳家に求められるのは英文和訳ではありません。 文章のバックにある作家の狙い、舞台となっている国の 慣習、物語の対象年齢、その年代の読者の使う日本語などを考慮した訳が求められるでしょう。 ただし、もし問題がShe told deep blue sea stories to Mum.だけだったらlucy-the-dogさんの疑問はおかしくないと思います。物語にリズムと技巧を凝らしているので作者の意図するところを日本語でも何らかの形で (翻訳者の工夫で)反映する必要があります。 翻訳コンクールは単に英語のコンクールではないので 常にこのような設問をしているようです。コンクールの文章自体は比較的簡単です。
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書き込みありがとうございました。 確かにmartinbuhoさんのおっしゃる通り、文芸翻訳の場合、ビジネス翻訳を違って、ただ意味を訳するだけで良いわけではないですよね。 この箇所のようなところは、訳者(審査員)の感性で変わってくるところ、となれば納得できるのですが、「これが原作に沿った訳しかたというものだ」と言い切られていましたので、この英文だけではそのような作者の意図が感じられるのかどうか?とちょっと疑問に思ってしまったもので。 実は夫はアメリカ人なので、彼にも原文を見てもらい、そのような意図は感じるかどうか聞いてみたところ、「それは深読みというもので、この英文からそのような意図は、「僕」は感じない。これはもう個人の訳し方の好み、の範囲ではないのかな。」みたいな意見でしたので、是非他の方の意見も伺ってみたくなりました。 私自身も一応日本語が大好きで日本語教師の資格も取っています。英語面ではTOEICで800前半、海外生活も長いため、英語には普段不自由しない生活なんですが、やはり翻訳はそういったこととは別に難しい部分がありますね!(だから面白いんですが) この評を真摯に受け止め、また来年がんばってみたいと思います。
- tochinkun
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> 英語では to Mumが文法上最後に来るだけで、そんな深い意味は原文にはないのではないか?? 文法上ということですと、 She told deep blue sea stories・・・・to Mum. の形だけでなく、 She told Mum・・・・deep blue sea stories. もあると思います。 で、前者だと、 (その話を)誰に話したのか ということがポイントでしょうし、 後者では、 (Mum に)何を話したのか がポイントで、 という違いはあるんだろうと思います。 --
お礼
ご意見ありがとうございました。 >で、前者だと、 (その話を)誰に話したのか ということがポイントでしょうし、 後者では、 (Mum に)何を話したのか がポイントで、 と言う場合もあると思うんですが、普段の会話なんかだと、『私に』話した(要するに『誰に』を強調したい場合)、と強調したい場合は"She told ME that.....”という流れのほうが多いような気がしますので、一概に"to 誰々"の位置だけで、そのような意味分けをしているわけではないとも思うんですね。
お礼
冷静な分析をありがとうございました。 >ハッキリと(前の句から区切って)読む事が、文の意味や文脈を表現する上では重要となります。 私も原作を読んだ時、ここには着目し考えました。 そしてこの審査員とはまったく逆に、要するに、「この話は『誰に』?」の考えではなく、「お母さんには『どの話』を?」「お父さんには『どの話』を?」で訳してしまいました。 「お母さんには深くて青い海のお話、お父さんにはお空を飛んだお話、そして弟のジェイミーには不思議な魔法のお話を。」のようにですね。 と、言うわけでまだまだ修行が必要なようです。(笑) 色々な方の意見を聞くことができて、参考になりました。