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不動産所得と事業所得との区別
所得税法を学習中です。 不動産所得の定義上,事業所得に該当するものが除外されています(所得税法26条1項)。 しかし,他方で,同法51条1項は,「不動産所得……を生ずべき事業」についての資産損失について規定しています。 なぜ,事業所得が不動産所得から除外されているにもかかわらず,「不動産所得を生ずべき事業」などというものがあるのでしょうか。 ご教授いただけませんでしょうか。
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- minosennin
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まず、所得税法26条1項の「・・事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く・・」の意味ですが、これは不動産の貸し付けの内、従業員宿舎の経営による収入や食事付の下宿や寄宿舎の収入、時間極駐車場の収入などが該当します。 不動産の貸し付けによる所得で事業的規模のものがすべて事業所得になるということではありません。事業的規模の不動産所得もあるのです。 次に、所得税法51条1項の「事業」とは、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業が「事業的規模」であることを指しています。「事業所得」のことではありません。 これが分かれば疑問は氷解するはずですが・・
- minosennin
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「不動産所得……を生ずべき事業」というときの「事業」と、「事業所得」というときの「事業」は分けて考える必要があります。 所得税法では、前者の「事業」と対峙する概念が「業務」です。この「事業」と「業務」の違いが分かればご質問は解決するのではないでしょうか。 http://nomura-co.dreamblog.jp/blog/120.html
補足
御回答ありがとうございます。 >「不動産所得……を生ずべき事業」というときの「事業」と、「事業所得」というときの「事業」は分けて考える必要があります。 なるほど、仰るとおり、両条項間の「事業」の意義を分けて考えない限り、整合性が取れないと思います。 また、所得税法が、事業所得を生ずべき「事業」と、「業務」(雑所得を生ずべき業務など)を区別していることは理解しております。 しかし、51条1項と4項とを比べると、4項は「事業」に至らない「業務」のことを規定していますので、1項はあくまでも「業務」を含まない「事業」的規模のものを指していると読むほかありません。 そうであれば、51条1項の「事業」は、事業所得を生ずべき「事業」と同意義に解するほかないのではないでしょうか。 しかし、そうすると、そこから生ずる所得が不動産所得とは成り得ないこととなってしまい(26条1項かっこ書き)、「不動産所得を生ずべき事業」という規定が成り立たないことになります。 私の理解のどこが間違っているのでしょうか…
- simotani
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不動産所得を発生する事業…賃貸業を事業とする旨開業届を提出し10戸以上を賃貸の用に供している場合です。 事業所得にならない場合は不動産所得の赤字は損益通算不可と記憶していますが(借金でワンルームマンションを買い賃貸に出して節税する方法が流行し、税務当局が対抗策として「ビジネスなら10戸以上」と打ち出した)。
補足
御回答ありがとうございます。 所基通26-9ですね。 ただ,私は,「どのような場合か」ではなく,「なぜそのような場合が存在しうるのか」あるいは,「どのように法文を読めばそのような場合が存在しうるのか」が疑問なのです。
- TooManyBugs
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>事業所得が不動産所得から除外されているにもかかわらず まず、ここがおかしい。 第26条第1項は、ある要件をみたした事業として得られた不動産からの所得は事業所得となるといっているだけで,「不動産所得を生ずべき事業」による所得が全て事業所得となるわけではありません。 同法51条1項は,資産の減少分を経費と出来る所得の種類を列挙しているだけですから何の矛盾もありません。
補足
早速の御回答ありがとうございます。 >26条第1項は、ある要件をみたした事業として得られた不動産からの所得は事業所得となるといっているだけで,「不動産所得を生ずべき事業」による所得が全て事業所得となるわけではありません。 仰るとおりだと思います。しかし,仰る「ある要件」は,令63条12号によって,「対価を得て継続的に行なう事業」として包括的に捉えられています。 そうであれば,51条1項にいう「不動産所得を生ずべき事業」にあたるものは,27条1項にいう事業所得を生ずべき「事業」にあたってしまうのではないでしょうか。 でも,そのようなはずはないと思うので,私の理解が,どこか間違っているはずなのですが……
お礼
再度の御回答ありがとうございます! なるほど、51条1項の「事業」は、26条1項・令63条12号にいう「事業」とは異なる意味であると解さざるをえないということですね。 同じ語が違う意味で使われているというのは分かりにくいですね… ありがとうございました!