上極限、下極限の定義を極限の定義と類似の形ですることができることを示す定理
「微分積分学I」(三村征雄 著、岩波全書、1980年度版)のP56 定理25 の証明が分かりません。
この定理25 は上極限、下極限の定義を極限の定義と類似の形ですることができることを示すものです。
定理25 lim sup a(n), n→+∞、=α∈Rであるためには、ε>0が任意に与えられたとき、
殆どすべてのnに対し、 a(n)<α+ε (8)
無限に多くのnに対し、αーε<a(n) (9)
となることが、必要十分である。 (以下省略)
注記: a(n)はa にインデックスのn がついたものです。
というところなのですが、P57の証明では次のようになっています。
lim sup a(n)=α、すなわちlim a(n)バー(aの頭に横棒)
=αとすれば、ε>0が与えられたとき、
殆どすべてのn に対し、αーε<a(n)(aの頭に横棒)<α+ε
となる。a(n)≦a(n)バー であるから、まず(8)が成り立
つ。
ここまでは分かるのですが、
つぎからはさっぱりです。(『・・・』に包んでおきます。)
『つぎに、αーε<a(n) バー=sup{a(m); m≧n}であることか
ら、αーε<a(m(n))∈{a(m); m≧n}であるようなm(n)が存在し、
これらのm(n)のなかには重複するものがあるかもしれないが、
m(n)≧nであるから、重複するものを除いても、無限に多くの
ものが残る。すなわち(9)が成り立つ。』
注記: a(m(n))はa にインデックスm がつき、そのmにさらにインデックスnがついたものです。
あれこれ考えているうちに、次のような証明を思いつきました。
<<・・・>>で包んでおきます。
<<数列a(n)を作っている数の集合をA と表す。
もし、αーε<a(n) を満たすAの要素a(n)が有限個し
かないと仮定する。そのようなa(n)のインデックスnには
最大値が存在する.それをNとすると、
αーε<a(N) 、a(N+1)≦αーε、a(N+2)≦αーε、・・・となる。
よって、A(N)={a(N), a(N+1), ...}, A(N+1)={a(N+1),
a(N+2), ...}, ・・・・・とすると、
(これは上極限、下極限を定義するときの表現と同じです)
これらのどの要素もインデックスが N+1かそれより大きいので、
A(N+1)、A(N+2)、...のどの要素もαーεより大きくなることは
ないのでsupの定義とa(n)バー が単調減少数列になることから、
・・・≦a(N+2)バー ≦a(N+1)バー ≦αーε
これはα≦a(n)バー と矛盾する。故に(9)が成り立つ。>>
以上よりお願いが二つあります。
1.『・・・』について、理解のヒントを教えてもらえるとありがたいです。
2. <<・・・>>について、私の証明を検証してもらえるとありがたいです。
勝手ながらよろしくお願いいたします。
お礼
どうもありがとうございます。 うわっ、それですね! a=0の場合をすっかり忘れておりました…。 どうもありがとうございます!