- ベストアンサー
タイでのマラリア治療において、抗マラリア薬の併用療法が有効と判明
- 最新の研究では、タイのパイリンとワンパ地域の40人の患者グループを対象に、アルテスニンとメフロキンの併用療法と単独のアルテスニン療法を比較しました。
- 研究結果によると、カンボジアグループはタイグループよりも寄生虫を体内から排出するまでの時間が約2倍かかりました。また、単独のアルテスニン療法を受けていたカンボジアの患者のうち6人に再感染が確認されたのに対し、タイの患者では2人でした。
- 世界保健機関は、アルテスニンを基にした薬剤は併用で投与するよう勧告しています。この研究では、単独のアルテスニン療法のグループがあえて設けられ、アルテスニンに対する耐性の出現を確認するためのものでした。カンボジアでのアルテスニン耐性マラリアの出現は深刻な問題であり、以前の抗薬剤耐性マラリアもこの地域で発生していました。耐性がますます増していくのは時間の問題です。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
>Thailand2 ここはThailandだけという前提で訳しました。 ________________________ 最新の調査は、熱帯熱マラリア症(※1)に感染したパイリン市の40名と、タイ北西部ワンファの40名に関するものでした。それぞれのグループの半数にはアーテスネートだけを、残る半分には2回にわけて(※2)アーネステートとメフロキン治療が施されました。 タイグループに比べてカンボジアグループは体内から寄生虫を駆除するのにほぼ二倍の時間がかかりました。つまり、48時間(タイ)対84時間(カンボジア)だったのです。通常アルテミシニン治療薬は3日以内に寄生虫を駆除します、とバンコックのマヒドールオックスフォード研究団の所長であり、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(※3)で発表した研究の共同執筆者でもあるニック・デイは言います。 タイの二人の患者と比較すると、カンボジアではアルテミシニンのみを投与した20名のうち6名が再びマラリアに感染しました。併用治療では各グループ20列中わずか1例のみの再発でした。 世界保健機関(※4)は耐性の発生(※5)を遅らせる為にアルテミシニンベースの治療薬は併用のみで投与するようにと推奨しています(※6)。しかしデイは、彼らの管理下比較試験(※7)において、アーテスネートに対する耐性は生じ、メフロキン単独使用に耐性は生じないことを示した単回投与(※8)グループは重要であったと説明します。 以前薬剤耐性型マラリアが発生したのもカンボジアなので、そこでのアルテミシニン耐性マラリア原虫の出現は特に憂慮されることです。「これは警鐘です」とデイは言います。「我々は前に耐性発生を確認した地域で、薬に対する感受性を低下させてきたのです(※9)」時間が立てば寄生虫はより治療薬に対する耐性を強めるだけでしょう、と彼は付け加えます。 ※1:infected with P.falciparumとなっているので、病名としての熱帯熱マラリア症を指します。 ※2:この場合のdualは、単純な二つという意味ではなく、「二本立て」とか「二つの部分からなる」という意味なので、2回にわけてという訳にしました。 ※3:医学雑誌です。下記をご参照ください。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%B3 ※4:ご存知、「WHO」の略称で知られる国連の専門機関です。 ※5:この場合のresistanceはマラリア原虫の治療薬に対する「耐性」を意味します。 ※6:具体的には、アルテミシニン系薬剤と他剤を併用する治療法のことです。 ※7:controlled studyというのは日本語で的確に当てはまる言葉がないのですが、無作為ではなく、きちんとした差が出るようにデザインされた、対照物のある実験を意味します。つまり10例あった場合、1例に投与する薬はAという1種のみ、残り9例にはA+それ以外の薬(9つすべて違う薬でもOK)を投与すれば、1種のみ投与した場合との比較が出来る結果になるという訳です。 ※8:臨床試験などにおいて、「1回投与しただけ」を意味します。 ※9:reduced susceptibility→感受性が低下した→抗菌薬が効きづらい状態であるという意味です。
その他の回答 (1)
- SPS700
- ベストアンサー率46% (15297/33016)
最近の調査は、パイリンで P. falciparum に罹った40名の患者と、タイ北西のワングパで(やはり P. falciparum に罹った)40名に関するもので、それぞれにグループの半数は、ただ artesunate だけを与えられ、あと半数は artesunate–mefloquine の両者によるセラピーが与えられた。 カンボジアのグループは、タイのグループに比べて体内から寄生虫を駆除するのに、(前者が)84時間(後者が)48時間、という2倍近くもの時間を要した。 バンコックの Mahidol Oxford 研究団の長であり、New England Journal of Medicine に発表された研究報告の共著者である Nick Day は、普通アーテミシニンの薬を使えば3日で寄生虫の駆除ができるという。 タイの患者では2名だったのに対し、カンボジアでアーテミシニンだけを使用した20名の患者のうち、6名に再び感染症が出た。両者(=artesunate–mefloquine)のセラピーでは各グループの20名から、それぞれ1名に再発が見られ(るにすぎなかっ)た。 World Health Organization は、アーテミシニンを基礎とする医薬品は、抵抗力の開始を遅らせるため(他と)組み合わせた投与のみを勧めている。しかし Day は、彼らのコントロールスタディーで、シングルドースのグループは、 artesunate に対する抵抗力の増加が見られ、mefloquine だけに対する抵抗力ではないことを示すために重要だったと言う。 カンボジアで、アーテミシニンに抵抗力を持つマラリアが出現したことは、過去に医薬に対して抵抗力のあるマラリア病原が発生したのもカンボジアであることから、とくに憂慮される。 「これは警鐘だ。過去に抵抗力の増加が見られた地域では、医薬品の影響力が低下している、時間さえあれば、寄生虫は医薬品に対する抵抗力を大きくするばかりだ」」と、Day は言う。
お礼
いつもありがとうございますorz
お礼
たくさんの補足ありがとうございます^^