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責任会計とは?利益責任、売上責任、コスト責任とは?部門別原価計算との関係は?
- 責任会計は、業績評価を適切に行うための手法であり、利益責任、売上責任、コスト責任の概念が関連しています。
- 利益責任(プロフィットセンター)、売上責任(レベニューセンター)、コスト責任(コストセンター)は、それぞれ収益責任やコスト負担を担当する単位を表しています。
- 部門別原価計算は責任会計における望ましい補助部門費の配賦方法を考慮するために重要な要素です。
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社長となって会社を経営し、売り上げを増やして利益を上げ、会社を大きく発展させてゆくためには、ただ単にいつもどおりに売っているだけではダメです。まず最初に、 1.目標を定めてこれを達成するための計画を立て、 2.この計画を実行し、 3.実行の途中で、どれだけの成果が上がっているかを評価し、計画通りの成果が上がっているかどうかを判断して、必要なら計画を修正する(これを「統制」と呼びます) という過程を繰り返すことで目標を達成してゆかなければなりません。この計画・実施・統制という過程を繰り返すことで目標を達成してゆくことを「管理」と呼びます。「管理会計」というのは、会計についての目標を定め、計画・実施・統制というサイクルで目標を達成してゆくことを指します。この時の目標は、売上高であったり、利益額や利益率であったり、そのためのコスト削減であったりします。 ところで、売上の目標を達成するためには、各営業所にいる営業社員ひとり一人が売り上げを増やしてゆかなければなりません。そのためには営業社員ひとり一人について目標を定め、目標達成のための計画を立て、実施し、統制するという売り上げの管理をしてゆくことが必要になります。では、たとえばパナソニックの社長が数十万人いる営業マン一人一人の目標達成状況を調べようとしたらどうなると思いますか?そんなことは不可能ですよね。ですから、営業部長がいて、その下には課長がいて、係長がいて、主任がいてという階層構造を作り、効果的に管理をしようとするわけです。 社長は、現場の主任や係長に直接指示を出したりはしません。それは係長や課長の仕事です。では係長や課長にどこまでの権限を与え、その評価をどうしたらよいでしょう? これは会社の規模によって変わってきます。数十人程度の部下がいて、その部下に命令をする権限を持っているのなら、部下の業績を管理者の業績の評価として、給与や今後の昇進などに反映させるべきでしょう。部下がどれだけの売り上げや利益などの会計的な業績をあげて会社の業績に貢献したか、を管理者の責任として管理者の評価に反映させる考え方を「責任会計」と呼びます。ただし、一般的には事業部とか営業部といった規模の部門の会計責任を管理者の評価に反映させる場合を責任会計と呼んでいます。 社員が1万人いる会社で、社長が会社全体のかじ取りをする際に、10人ずつのグループの売り上げを考えても意味がありません。やはり1000人規模の事業部などを単位として会計的な数字の判断をすべきでしょう。この単位がセンターです。 事業部などは、一定の範囲内で、部長の判断で事業部を運営してゆく権限が与えられています。社長は全社的な視点から、「A事業部は〇〇の事業を行って、売上〇百億円、貢献利益〇億円をあげて欲しい」と考えます。ただし、A事業部にそれだけの設備と人員、販路などがあるかどうかは事業部長に聞いてみないとわかりません。事業部長と話し合って、〇〇の設備投資〇億円を行なえば可能であるとわかったので、設備投資を行ったうえで、上記の「売上〇百億円、貢献利益〇億円」を達成するようにと指示をします。これを達成することが事業部長の責任になります。こういうように会計の数字を使うのが責任会計であり、管理会計であるわけです。 さて、〇億円の貢献利益を上げるためには、コストの削減も必要です。工場長は工場のコスト総額を〇%削減しようと考えます。そのために、製品Xの製造コストを〇%削減し、製品Yは△%削減しようと考えました。ところで、製品Xを作るための工作機械は多くの電力を必要としますが製品Yはさほどの電力は必要としません。工場では製品Xのための電力を安定して供給するために、特殊な電源装置を持っています。ですから、製造現価に含まれる電気代は、電力会社へ支払う電気代と、この電源装置の減価償却費の合計になります。製品Yのための電力もこの電源装置から供給されていますから、減価償却費は製品Yにも配布されることになります。では2つの製品にどのように配賦したらよいでしょう? 電気ですから、それぞれの電力の使用料に比例して配布するというのはどうでしょうか? 良さそうに感じますよね。でも製品Xの生産量が減少したらどうなるでしょう?製品Xの電力使用量が減りますから、減価償却費の製品Yへの配布割合が大きくなります。そのため、製品Yの製造原価は増加してしまいます。 すると工場長は製品Yの責任者に対してこんなことを言います。 「君のところの製造原価がこんなに増加しているじゃあないか。君の仕事はコストを減らすことなんだから、こんなに原価を増やしてしまうようじゃ夏のボーナスの査定は悪くなると思いたまえ。ボーナスが欲しかったら、もっとコストを減らしなさい。」 これってどうなんでしょう? 製品Yの製造原価が上昇したのは、製品Xの生産量が落ちたからであって、Yの責任者には関係のないことです。それにこの電源装置は、製品Xを作るために導入した設備であって、製品Yのためには本来は必要なかったのです。その費用がYにも配賦され、それによってYの責任者のボーナスが減るっておかしくありませんか? そこで、変動費の部分に関しては使用量によって配賦し、減価償却費に関してはXとYの生産設備の最大使用量、つまりフル稼働させたときにどれだけ電力を使うかなどの、製品XとYとでその設備をどれだけ必要としているか、によって配賦する、などのように、配賦基準を分けることで、製造原価の責任を適正にする、つまりXの生産量によってYの責任者がワリを食うようなことがないようにするわけです。 これが複数基準配賦です。 責任会計というのは、「てめえのせいで利益が減ったんだから、てめえの給料さっぴくぞ。」ということであり、「お前さんのおかげで利益が増えたから、ボーナスを弾んであげようね。」ということです。そして、誰の給料を減らすのか、誰の給料を増やすのかが適正に判断できるようにするための手法なのです。そのために複数配賦基準を使うのです。
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- Brian12
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1.責任会計とは何の計算に対して適用されるのでしょうか? 何のために適用するのでしょうか? 会社における各部門を評価するためです。 2.利益責任、売上責任、コスト責任とか責任を負う単位とか何のことを言っているのか全く分かりません。 利益責任は経営、売上責任は営業、コスト責任は製造です。責任を負う単位は、経営や営業や製造の部門のことです。 3.工原の会計のテキストの「部門別原価計算の複数基準配賦法・単一基準配賦法の項目」に、「責任会計において望ましい補助 部門費の配賦方法」と書かれていますが、部門別原価計算と責任会計は何が絡んでいるのでしょうか? 会社としては管理部門などが補助部門として存在します。この部門も経費が発生しますが、直接のコストではありません。ところが、会社全体としては管理部門の経費をコストとして原価に組み込む必要があります。このときに配賦という手法を用います。 つまり、部門別原価計算には補助部門の経費は配賦の計算するが、その配賦は適切でなければ正しい責任の評価ができませんよ、ということです。 如何でしょうか。
お礼
分かりやすい回答ありがとうございます。