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「てふ」について、至急回答お願いします!
至急回答お願いします! 日本語史についての質問です。 壬生忠見の和歌に、 「恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人しれずこそ 思ひそめしか」 という和歌がありますが、冒頭の“恋すてふ”は、“恋をするという”の意味だと思います。 そこで、「といふ」が「てふ」になる変化、「てふ」が「ちょう」と読まれる変化はどうして起こったのか、教えてください。 また、昔は蝶々のことを「てふてふ」と書いていたそうですが、純粋に「てふてふ」と読ませたい場合にはなんと書いていたんでしょうか。
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- key00001
- ベストアンサー率34% (2878/8340)
> 純粋に「てふてふ」と読ませたい場合にはなんと書いていたんでしょうか。 「てふてふ」と読ませたい場合が存在しないから、「ちょうちょう」と読むことが出来たと考えるべきでしょうね・・・。 もし日本語に「てふ」と発音する他の単語があれば、混同を避けるため、恐らく「ちょう」と発音するとはならなかったと思われます。 > 「てふ」が「ちょう」と読まれる変化はどうして起こったのか、教えてください。 簡単に言ってしまうと、表記や発音は、時代と共に変わると言うことですよ。 最初に発音があって、それをどう表記するか?は、後から決められ、その決め事は、時代と共に変化した場合とか、発音そのものが変化し、それに合わせて表記も変化してきた場合などがあります。 「てふ」⇒「ちょう」のパターンの類似は、「けふ」⇒「きょう(今日)」などがありますが、かなり特殊な例です。 「今日」は、昔は「けふ」と表記して「きょぉー」と発音していました。 現在は、「きょう」と表記しますが、発音は「きょー」で、昔とそれほど変わってませんね。 ややこしく言いますと、まず「ハ行転呼」と言う発音変化があります。 ハ行転呼は、ハ行をワ行に換えて発音するもので、たとえば「恋」は、「こひ」と表記し「こゐ(ワ行の「い」)」と発音されます。 尚「こゐ」は、言うまでもありませんが、現在では発音も表記も「こい」になっています。 「てふ」も、「ふ(HU)」が「う(WU)」にワ行転呼しています。 次に「二重母音(連続母音)の長音化」と言うものがみられます。 現代語で言いますと、「王様」は、漢字に忠実に発音すれば「おうさま」ですが、普通は「おーさま」と発音する様なパターンです。 「OU」と言う母音の連続を「おー」と長音発音するワケです。 「てふ」も、「てう(TEU)」と転呼発音されると、「EU」と言う母音の連続部分がありますので、長音化発音されます。 おまけに「EU」の場合、「合音」と言われる発音ル-ルで、「ょぉー」と言う長音発音になります。 言語学的に言いますと、「てふ」⇒「ちょう」は、「ワ行転呼」+「長音化」+「合音」によって、表記・発音されると言うことになるかと思います。
- SPS700
- ベストアンサー率46% (15297/33016)
壬生忠見は平安中期の歌人です。 1。 ハ行転呼音 下記のように平安中期には「ハ行転呼音」という唇音退化現象が起きて、語中のハ行音がワ行音になります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E8%A1%8C%E8%BB%A2%E5%91%BC ということは平安初期までは「テフ」と発音されていた単語も、平安中期以後は「テウ」と発音されたことになります。 2。 破擦音化 これは下記に見られるように [t] のような閉鎖音が、[ts] のような摩擦音を伴った音に変化することです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E4%B8%96%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E 3。口蓋化 さらに高い母音「イ」の前では/ti, di/(ち、ぢ): [tʃi, dʒi]の変化が起こりました。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E4%B8%96%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E この2と3の変化は16世紀の終わりまでであることがロドリゲスの『日本大文典』(下記)などで分かっています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%B2%E3%82%B9 でご質問ですが >>「といふ」が「てふ」になる変化、「てふ」が「ちょう」と読まれる変化はどうして起こったのか、教えてください。 この歌が作られた時、語中のハ行音はもう変わっていますから実際には「テウ」と発音され、上記破擦音化と口蓋化で「ちょう」と16世紀の終わりには変わっていたと思われます。 >>昔は蝶々のことを「てふてふ」と書いていたそうですが、純粋に「てふてふ」と読ませたい場合にはなんと書いていたんでしょうか。 中国音で入声音と呼ばれる、 [p]のような閉鎖音に終わる音は「ふ」と書かれました。[tep]のように発音された「蝶」の中国音が「てふ」と書かれたのはそのためです。 ですから「ふ」は「p」の符号で、実際の「ふ」の音ではなかった訳です。「ハ行転呼音」を避けるためには「ふ」を語頭に持ってくればよく 手 + 富 と分けて書けばハ行の子音は残ります。 藤原は、「ふじわら」(ハ行転呼音経由)、と読みますが、原田は「はらだ」(ハ行転呼音回避)なのと同じです。語頭にもハ行転呼音が起こっていれば原田さんは「わらださん」になります。
- DJ-Potato
- ベストアンサー率36% (692/1917)
実際に昔の人がどう読んでいたか、それはもはや誰にもわかりませんが。 昔は「小さいゃゅょ」の表記はなく、濁点・半濁点もなく、同じひらがな・カタカナであっても文章の中で読み方が変わっていました。 拗音+長音の表現は いう・いふ → ゅう シウマイ→シュウマイ えう・えふ → ょう せうゆ→しょうゆ のように統一されていたようで、みなそのように読んでいたのでしょう。 この頃の日本には、外来語というものはほとんど存在しません。 あっても、それっぽい漢字を当て、和語のように使っていたものと思われます。 そのなかで、「てふ」という発音する言葉は存在しなかったのでしょう。 例えば「手袋」などのように、語のつながりでたまたま「え段+う・ふ」が並んだとしても、 てふくろ→ちょうくろ のような読みかたはなかったと思います。 もちろん、江戸時代の町人は言葉遊びが好きですから、あえて間違えて読んだものを、何かに掛けて、看板や標識などで用いていた可能性は大いにあると思います。 という→ちょう、の変化は、今でも方言の中に見られますね。 という → ちゅ~ している → しちゅ~ しておる → しちょ~ という音の変化は、決して不自然なものではないと思います。
- Tacosan
- ベストアンサー率23% (3656/15482)
一番簡単な最後の奴だけ: 「てふてふ」と読ませたいからこそ「てふてふ」と書いていたのでは?
補足
回答ありがとうございます! 「てふてふ」を「ちょうちょ」と読ませていた時代に、そのまま「てふてふ(tefutefu)」と読ませるには、何か特別なことをしていたのでしょうか?