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IH高周波加熱
原理が解らずに質問します 水の中にステンレス粉末をいれ、IH高周波の磁場の上を通した場合、その液体は温度が上がるのでしょうか?
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- アウストラロ ピテクス(@ngkdddjkk)
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No.4さん。 「粉末」の渦電流の大きさを確保できないから、せいぜい分極がいいところ。渦電流は導電体の厚さに大きく影響を受ける。電子の平均自由行程以下の大きさなら、原子に衝突して電気抵抗を産み出すというドルーデモデルから、電気抵抗はかなり小さくなることがわかる。 ローレンツ力を受けて粉末が動き回る運動エネルギーが熱に変わるのがいいところ。(ブラウン運動のような動きをするかもしれませんね) 物性の領域です。
- kagakusuki
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高周波磁場を加えた際に発熱するのは強磁性体のみとするのは間違いです。 強磁性体ではなくとも、導電性があって、且つ電気抵抗がある材質であれば一応発熱はします。 鉄の様な強磁性体と比べますと、アルミニウムや銅の様な非磁性体では、発熱量が低くなり過ぎて思う様に加熱する事が難しいというだけです。 絶縁された導電線を巻いて作ったコイルに、磁石のN極とS極を交互に近づけると、電磁誘導によってコイルには交流電流が流れる事は御存じでしょうか? 【参考URL】 中学理科の攻略☆りかちゃんのサブノート > 解説目次 > 電流と磁界 > 電磁誘導 http://www.max.hi-ho.ne.jp/lylle/jikai5.html コイルではなく、金属の塊や板の場合でも、変動磁場が加わると、その内部には電流が流れます。その場合、加わった磁場の中心の周りを同心円状に電流が流れます。 この円状に流れる電流の事を渦電流と言います。 【参考URL】 ソーシャルニュース Ceron.jp[セロン] キーワード 渦電流 http://ceron.jp/w/%E6%B8%A6%E9%9B%BB%E6%B5%81 渦電流 - Yahoo!百科事典 http://100.yahoo.co.jp/detail/%E6%B8%A6%E9%9B%BB%E6%B5%81/ 渦電流も電流には違いありませんから、金属の内部を流れている内に、電気のエネルギーは金属が持っている僅かな電気抵抗によって、熱エネルギーに変わって行きます。この時の熱によって、金属等の導電性を持つ物体が加熱される事を誘導加熱と言います。 【参考URL】 誘導加熱 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%98%E5%B0%8E%E5%8A%A0%E7%86%B1 IH高周波加熱とは、高い周波数でNとSが入れ替わる磁場を加える事で、金属内部に渦電流を発生させ、誘導加熱によって過熱する方法の事で、IHは誘導加熱(Induction Heating)の略です。 磁場の入れ替わる周波数が高ければ、金属内を流れる渦電流の交流周波数も高くなります。 そして、渦電流に限らず、高周波の交流電流が導体内を流れる際には、導体内部にはあまり電流は流れず、導体表面近くにのみ集中して電流が流れる様になる傾向があります。これを表皮効果と言います。 【参考URL】 表皮効果- Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%A8%E7%9A%AE%E5%8A%B9%E6%9E%9C この表皮効果を利用しますと、高周波加熱を使って金属材の表面のみを加熱する事で、表面のみに焼き入れを行う事なども出来ます。 高周波磁場で加熱出来る原理には、前述の誘導加熱の他に、鉄等の磁性体のみに見られるヒステリシス損による効果もあります。 鉄等の磁性体は、原子の1つ1つが極小の磁石となっていて、それら原子磁石の向きは、通常は向きがばらばらであるため、平均すると磁力を帯びていない状態となっていますが、外部から磁場が加わると、原子磁石の向きが一方向に揃う(全ての原子の向きが揃う訳ではなく、平均すると特定の方向に偏りが見られる状態となる)事によって、鉄は磁石となります。 尚、磁場が加わっていない状態であっても、近場の原子同士は向きが揃う傾向があり、原子の向きが揃った塊を作っています。この塊の事を磁区と言い、1つの磁区は顕微鏡サイズの磁石となっています。只、磁性体の内部に無数にある磁区は、磁区ごとの磁石の向きがバラバラであるため、平均しますと磁力が無い状態となっています。 【参考URL】 磁性- Wikipedia > 4.3.1 磁区 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A3%81%E6%80%A7#.E7.A3.81.E5.8C.BA 外部から磁場が加わると、原子の向きが変化して、原子磁石の向きが揃う事で、特定の磁区のサイズが大きくなり、磁性体は加えられた外部磁場と同じ方向の磁場を持つ磁石になります。 只、原子の向きを変えるためにはエネルギーが必要で、外部磁場の向きに原子の向きが揃う事によって得られるエネルギーが、原子の向きを変えるために必要となるエネルギーを上回らなければ、原子の向きは変わりません。 そのため、原子の向きと外部磁場の向きの間にはズレが生じ、磁性体の磁場の変化は外部磁場の変化に対して遅れが生じます。つまり、磁性体の磁場は、「過去においてどのような向きと強さの磁場が加わっていたのか」という事によっても影響を受けます。この様な「現在の状況だけではなく、過去の状況によっても影響を受ける事」をヒステリシスと言います。 【参考URL】 磁化- Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A3%81%E5%8C%96 ヒステリシス- Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%B9 原子の向きを変えるためにはエネルギーが必要という事は、加える外部磁場の向きと強さを変えて、磁性体の持つ磁場の向きや強さを変えるたびにエネルギーが消費される事になります。この様な磁性体の磁気的性質がヒステリシスである事によって生じるエネルギーの損失の事をヒステリシス損と言います。 損失したエネルギーは最終的には熱エネルギーに変わりますから、磁性体に加える磁場を変化させ続ければ、磁性体を加熱する事が出来ます。 【参考URL】 楽しい電気工学の話~基礎の基礎 > 磁気 > ヒステリシス損 http://kt2.digi2.jp/denjikigaku/jiki/content2/hisuterisisuson.html 鉄損- Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%89%84%E6%90%8D 鉄等の磁性体を高周波磁場で加熱する際には、このヒステリシス損による効果が加わるため、渦電流だけで加熱する場合よりも格段に効率良く加熱する事が出来ます。 このため、高周波加熱は鉄等の磁性体を加熱するのに向いていて、強磁性体ではない種類の金属を加熱する場合には、鉄と比べて効率が低くなるため、強磁性を持つ金属しか加熱出来ないと誤解されている方も居られる様です。 >水の中にステンレス粉末をいれ、IH高周波の磁場の上を通した場合、その液体は温度が上がるのでしょうか? ステンレスにも色々な種類があり、鉄程では無いものの、中にはある程度の強磁性を備えた種類のものもあります。 ですから、どの種類のステンレスを使うかによって、加熱される程度は大幅に異なって来るものと思われます。 例えば、ステンレスの中でも尤も多用されているSUS304の場合は強磁性を備えてはいませんから、アルミや銅と同様に、効率的な加熱は難しいと思います。 只、粉末であっても、粉末の粒子同士が接触していれば渦電流は流れると思いますので、発熱量が少ないというだけで、全く加熱出来ない訳ではないと思います。 それと、高周波加熱に使われる高周波磁場は、波長の長い電波であるとも言えます。 電波は水にある程度吸収されますから、水を入れているのがガラスやプラスチックの様な電波を透過する素材で出来た容器である場合には、若しかしますと、金属を入れなくとも、水自体が高周波磁場を吸収して昇温する可能性も無いとは言えないかも知れません。尤も、水の量が鍋やバケツに納まる程度では、水で満たされている空間の厚さは大したものではありませんから、高周波磁場の持つエネルギーの大半が吸収されるとは思えず、水がどの程度加熱されるのかは判りません。
- アウストラロ ピテクス(@ngkdddjkk)
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No.3さん、粉末の場合は渦電流損よりヒステリシス損の方が大きくなります。
- ji-young
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IHの原理で言われる渦電流というのは鉄などの磁性を通す物質中に磁界が通ると、それを通さないように鉄中に電流が発生する現象で、鉄の電気抵抗でその電流は熱となって消費される現象のことで、その熱で加熱されます。 ただ一概にステンレスと言ってもいろいろ種類があります。 フェライト系や2相系なら温度上昇するでしょうし、オーステナイト系や析出硬化系ならあまり温度上昇しないでしょう。
- アウストラロ ピテクス(@ngkdddjkk)
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高周波にする理由は、磁性体のヒステリシスループの大きさが消費エネルギーになるため、周波数をあげればあげるほど周波数分のエネルギーが得られる事にあります。 磁性体ならば、加熱されます。 しかし、微粉末の場合、強磁性結合が弱く(形状磁気異方性による反磁界が大きくなる。)、磁化が小さくなり、ヒステリシスループが小さくなるため、発熱量は少なくなります。ですので、温度の上がる時間は遅くなりますが、温まりはします。
- kamobedanjoh
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IH器具は高周波電磁界によって、容器(金属鍋)に生じる渦電流効果で発熱させます。 従って、容器が非磁性体の場合(土鍋、アルミ・銅製鍋)は発熱出来ません。 ステンレス粉末に若干の電磁界が及んだとしても、発熱量は微々たるものです。