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工業簿記の製造間接費配賦差異について
公式法変動予算における分析で、実際作業度が基準作業度に近くなるにつれて操業度差異が次第に下がることは、どういうことを意味しているか教えていただければ幸いですが...。 基準作業度に近づくという意味なのでしょうか、ご教授願えれば幸いですが。
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まず基準操業度とは何かを述べます。基準操業度とは、予算設定時に算定された操業度です。工員5人で、1日8時間労働で月間20日出勤すると、5人 x 8時間 x 20日 = 800時間/月 のように月間労働時間が計算されます。これが月間の基準操業度になります。年間の基準操業度は、当然の如く、この12倍です。 この基準操業度は、何のために設定するのでしょうか。固定費を原価として、仕掛品・製品に配賦する為です。変動費は基準操業度とは無関係です。「変動予算」の”変動”という言葉に惑わされてはいけません。「変動予算」の”変動”とは、操業度を70% 80% 90% 100% と”変動”させた場合における費用(cost)がどのように変遷するかを見るための”変動”です。 固定費が、月間300,000 で、基準操業度が800時間なら、固定費の配賦率は 300,000 ÷ 800 = 375 となります。つまり、1時間当たり375円で、実際作業時間5時間なら、5 x 375 = 1,875円が仕掛品或いは製品に配賦されます。この時の操業度差異は、300,000 - 1,875 = 298,125 となります。 同様に実際作業時間が500時間なら、500 x 375 = 187,500円が仕掛品或いは製品に配賦されます。この時の操業度差異は、300,000 - 187,500 = 112,500 となります。 このように、実際作業時間が予算設定時に算定された基準操業度に近づくにつれて、操業度差異は少なくなり、実際作業時間 = 基準操業度 となった時点で「操業度差異」は 0 になります。 更に、実際作業時間が基準操業度を超えた場合は、操業度差異はマイナスになります。操業度差異がマイナスとは、どういう意味でしょうか。 製造間接費配賦差異(製造間接費差異と同義です)は、標準原価計算を前提にしています。つまり、製品或いは仕掛品は、まず標準原価として把握され、月末或いは期末に製造間接費差異を含んだ「原価差異」が、製品或いは仕掛品に、配賦(還元)されて実際原価に戻されます。 操業度差異がマイナスという事は、実際原価に戻す時、実際原価が減るということです。(標準原価で把握されていた原価に、マイナスの製造間接費差異(操業度差異)が配賦されるのだから) この操業度差異の把握のやり方は、製造間接費差異の第2法であり、通例「製造間接費差異の4分法」と言われています。基本は、「製造間接異差異の3分法」です。4分法は3分法の応用に過ぎません。 「製造間接費差異」は、予算差異・能率差異・操業度差異の3つから成り、「操業度差異」単独の理解では他の「差異」との関連性がわからなくなり、意味を持たなくなります。 「製造間接費差異」については、こちらをご参照下さい。 「製造間接費差異」についてのみ記しています。若干、長文ですが簡単に理解できるはずです。公式も自分で書けるようになると思います。公式の丸暗記は必要ありません。 http://simonp.blog.fc2.com/blog-entry-1.html
お礼
ご回答ありがとうございました。 非常に役に立ちました。 厚く御礼申し上げます。 重ねてありがとうございました。