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金利について
通貨統合にかかわることで 一国が巨額の財政赤字,膨大な公的債務が累積すると域内金利が上昇する メカニズムを,理由をすみませんが教えてください
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・まず債券・国債について理解が必要です。債券とは日本では市場に大量に流通している長期国債(10年国債以上)を指しています。で、国債とは返済までの期限(償還期限)を明記した「国の借金証書」です。 ・「償還期限」を過ぎた国債を国の窓口に持ってゆくと額面の現金を払ってくれます。10年国債は10年後に償還しますという意味の国債です。 ・国債には当然金利がつきます。この場合利率ではなく「定額」と考えて下さい。つまり国債を所有しているだけで半年毎に「一定額の利息=現金」を受け取ることが出来ます。 ・よって国債は銀行に預金するのと同様な「貯蓄」の手段としても使われます。また、株式市場が低迷していて株を買ってもたいした値上がりや配当が期待できないな場合には、それに代わる低リスクの「投資」先としても利用されます。 ・国債を購入することは「預金」と「投資」の手段として行われます。 ・ところで、国債は大量に流通しているため非常に流動性が高い(換金しやすい=売買しやすい)という特徴があります。売買のための場が国債市場です。毎日大量の国債が売買されます。 a.売られる理由は「償還期限まで時間があるが、今すぐ現金化したい」等々 b.買われる理由は「投資先、預金先」として国債を利用したい等々 ・もしギリシャの様に「デフォルト=償還の約束が反故にされる」という噂が高まれば、誰もが手持ちの国債を売却しようとします。そうなると国債市場で「供給>需要」となり、当然国債価格は下落します。この場合、一定額の利息をもらえるのに必要な国債の価格が下がるわけですから「利回り」が上昇します。 ・国債の流通量と金額というのは膨大で圧倒的ですから、この国債市場での売買価格の変化=利回り=利率の変化はすべての長期金利に影響を及ぼし、いわばその国の「長期金利の指標」となります。 ・国債価格が下落した場合、一例として銀行の長期預金の金利を考えてみましょう。国債価格の下落と利回りの上昇という状況にあたって、銀行が長期金利を放置しておくと、市場の余剰通貨が一斉に利回りが高い国債購入へと向かいます。場合によっては銀行預金を解約して国債を買うという事態さえ生まれます。それを防ぐには、国債の利回りの上昇に応じて、預金金利を引き上げざるを得ません。 ・こうして理由はなんであれ、国債の市場価格の下落によって生じた国債の利回りの上昇は、それ以外の長期金利の上昇につながります。 ☆ ここまで理解すると巨大な財政赤字、公的債務の存在が金利の上昇につながることはおわかりでしょう 今起きている問題は、もしギリシャのデフォルトの可能性が高まれば国債価格は暴落を続け、利回りは上がり長期金利は途方もなく上昇します。釣られて短期の金利も上昇します。もはや経済活動がストップするレベルとなるでしょう。 歳入が減りますので財政状態が苦しくなりますが、もはや国債を発行して歳入を確保することが出来ません。デフォルトになりそうな国債を買う馬鹿はいませんし、買ってもらうには金利をさらに上げる必要があります、しかしそれはさらにデフォルトの可能性を高めるだけです。 よってギリシャでは国内だけでは解決できないために、他国からの財政援助を仰ぎ、国家を維持運営するのに最低限必要な歳入だけは他国の援助で確保している状態になっているわけです。 以上です。
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- Willyt
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巨額の財政赤字を埋めるには政府が国債を発行し、これを補う必要があります。国債を買った人は毎年額面に書かれている利子を受け取り、償還期限が来たときには元本が返済されます。もし貴方が国債を買おうとしたときは市中銀行へ出掛けてその旨を伝えます。すると銀行は百万円の国債証書を出して来て、利息を8%とすると10年後には百八十万万円を受け取ったことになります。しかし国債を買う人が多いので、この証書は百六十万円で買うという人が沢山いますから、貴方も百六十万円を出していただかないと売れませんと言います。そこで貴方は百六十万円でその証書を買い、10年間8万円の利子を受け取り、10年後に百万円が返って来ます。そうすると貴方は百六十万円が10年後に百八十万円になったのですから、その長期金利は1.25%だったことになります。これを長期金利と呼んでいるのです。そうすると政府が危なくなると返せなくてモラトリアムを宣言するかも知れないので国債を買う人が減ります。そうすると長期金利を下げて引き受け手を探すのです。こういうメカニズムで長期金利が上がるのです。