• ベストアンサー

税務上の繰越欠損金と会計上の繰延税金資産の違い

税務上の繰越欠損金と、会計上の繰延税金資産の違いがよくわかりません。 繰延税金資産は、将来利益が発生した時点で、発生する税金と相殺できる蓄えと理解しておりますが、それは税務上の繰越欠損金とは一致しないのでしょうか。 概念上の違いと簡単な実例で御教示いただければ幸いです。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • meganepan
  • ベストアンサー率60% (14/23)
回答No.2

回答をしようと思っていて途中で県外に用事が有り出かけていましたので遅くなり申し訳ありません。 ご質問の繰越欠損金と繰延税金資産と書かれていますので、『税効果会計』を採用されているものとして回答致します。 仰せのとおり『繰延税金資産』とは分かり易く云えば将来において所得から控除される資産の税金(後期参照)分を貸借対照表に表示するものです。 さてご質問の『繰越欠損金』は青色申告を行っている法人にあっては将来『所得(利益)』が計上できた場合に前7年以内に生じた欠損金を所得から控除できると云うことです(法人税法57(1)) 例えば会社の所得と損失(▲)が  2006年3月期決算 ▲ 10,000 2007年3月期決算 ▲ 5,000 2008年3月期決算 ▲ 8,000 2009年3月期決算    4,000 (2006年3月期の▲ 10,000の内4,000を控除できますので所得金額はゼロになります) 2010年から2013年までは毎年赤字続きであったとして 2014年3月期決算   20,000 (2006年の▲の残6,000は7年以上経過しているので控除できませんが2007年度と2008   年度分の合計15,000は控除できます)・・・・・このことはご理解できていると思いますが? このように会社の損失金(繰越損失金)は、将来に所得が生じた場合にその所得から減額できるので、税金で云うと所得に 対する税金を支払うのでは無く、控除した『繰越欠損金』の分を差し引いた金額に対する税金を納めれば良いのです。つまりつまり繰越欠損金に対する税金は将来回収できることになり、これを『繰延税金資産』として計上するのです。 このように 『繰越欠損金』とこの分に対する『繰延税金資産』は同じものでは無く、欠損金に対する税金を表示するのが『繰  延税金資産』です。 『当期欠損金』は翌期に繰り越されて『繰越欠損金』になりこの分の税金は将来回収されることが保証されているかといえ   ば上の例題のように2014年3月期では2006年3月期に生じた欠損金の内6,000は回収できないこともあります。 従って、『繰越欠損金』を有する場合には将来(青色申告法人では今後7年間)回収できるか否かを事業見通しを精査し判断  して回収可能な分のみ『繰延税金資産』を計上しなければなりませんし、『繰延税金資産』を計上しても将来回収出来ない  ことが明白になれば直ちに『繰延税金資産』を取り崩す必要があり、『繰越欠損金』の回収見通しは毎事業年度末に見直す   必要があります。 法定の7年以内に回収できない見通しであればその分の『繰延税金資産』は計上してはいけません。 ◎ 後期参照の内容 当期損失金 10,000 に対して 『繰延税金資産』を計算する場合の税率は、法人税率+都道府県民税率(住民税)+事業税  率を合算した率(%)を当期損失金に乗じた金額となります。 法人によって差が有りますが概ね『繰延税金資産』の金額は当期損失額の40%前後と思われます。 各税率は軽減税率では無く各申告書に記載された税率の内で最も高い税率で計算しますが、住民税は法人税に対する率  で表示されていますので所得に対する率に換算します。 以前『税効果会計』が採り入れられた時代に比べて参考となる書籍が少なくなりましたが、大きな書店で参考書を入手されるか税理士や公認会計士にご相談されれば参考になるご意見を聞くことができると思います。  

その他の回答 (1)

  • hata79
  • ベストアンサー率51% (2555/4940)
回答No.1

家計で説明しましょう。 22年は赤字だったというのが「欠損金」。 これを格好つけていうと「繰越欠損金」になります。 繰越すとは「忘れない」という意味です。執念深い女のようなもので、忘れたいのに数年間は決算書の上に顔を出し、過去の悪行を責める態度をとりますが、税金計算のうえでは繰越欠損金の控除として節税してくれます。結構恩義を感じてるようです。 22年に支払う新聞代が、まだ払ってなくて「冷蔵庫の上の封筒に入れてあるから、あなた近いうちに新聞屋さんまで行って払っておいてねと」言われるのが「繰延税金資産」です。 封筒のなかには3000円なり4000円なりの現金がはいってるので「資産」として管理しないと亡くしたら大変です。 自分の小遣いから払わないとなりません。当分は昼飯抜きの刑になってしまいます。 支払いをした後で領収書を見せないと「どこかで飲んでしまったな」と半殺しの目に合います。お釣りも使い込んだら小遣が減ります。 というように「違うものをさしてます」 経理上は現金ですが、去年の新聞代だからねという意味で「繰延新聞代金」ならぬ「繰延税金資産」です。 税効果会計でつかう用語です。要はそういうことだと思えば勘定科目もおもろいです。

関連するQ&A