• ベストアンサー

思考実験『一人だけが不幸の街』

どこかで聞いた話なのですが、詳細が欲しくて調べたところ、見つけられず困っています。 確か『白熱教室』のサンデル教授が言及した話で、海外のSF短篇が元だったと思います。 詳しく書いてあるサイト、出典、教えていただけたら幸いです。 確か、 ある仮想の街or世界では、一人だけが全住人の不幸を背負う運命にあり、それ以外の人たちは満ち足りた生活をしている。そんな街or世界に住みたいと思うか という感じの話だったと思います。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.1

アーシュラ・K・ル=グウィン『オメラスから歩み去る人々』(1974) http://dogbtm.blog54.fc2.com/blog-entry-232.htmlより “オメラスの美しいある公共建造物の地下室に、でなければおそらくだれかの宏壮な邸宅の穴蔵に、一つの部屋がある。部屋には錠のおりた扉が一つ、窓はない。わずかな光が、壁板のすきまから埃っぽくさしこんでいるが、これは穴蔵のどこかむこうにある蜘蛛の巣の張った窓からのお裾分けにすぎない。” “その部屋の中に一人の子どもが坐っている。男の子とも女の子とも見分けがつかない。年は六つぐらいに見えるが、実際にはもうすぐ十になる。その子は精薄児だ。” “その子はもとからずっとこの物置に住んでいたわけではなく、日光と母親の声を思いだすことができるので、ときどきこう訴えかける。「おとなしくするから、出してちょうだい。おとなしくするから!」彼らは決してそれに答えない。その子も前にはよく夜中に助けをもとめて叫んだり、しょっちゅう泣いたりしたものだが、いまでは、「えーはあ、えーはあ」といった鼻声を出すだけで、だんだん口もきかなくなっている。その子は脚のふくらはぎもないほど痩せ細り、腹だけがふくらんでいる。食べ物は一日に鉢半分のトウモロコシ粉と獣脂だけである。その子はすっ裸だ。” “その子がそこにいなければならないことは、みんなが知っている。そのわけを理解している者、いない者、それはまちまちだが、とにかく、彼らの幸福、この都の美しさ、彼らの友情の優しさ、彼らの子どもたちの健康、学者たちの知恵、職人たちの技術、そして豊作と温和な気候までが、すべてこの一人の子どものおぞましい不幸に負ぶさっていることだけは、みんなが知っているのだ。” ○ 風の十二方位 (ハヤカワ文庫 SF 399)/アーシュラ・K・ル・グィン ○ きょうも上天気 SF短編傑作選 (角川文庫)  フィリップ・K・ディック、カート・ヴォネガット・ジュニア 他

sionois
質問者

お礼

これです!ずっと悩んでました。ありがとうございます。 それにしても、難しい問題ですよね。 皆さんならオメラスに住みたいと思いますか?

その他の回答 (1)

  • kurinal
  • ベストアンサー率10% (128/1195)
回答No.2

「満ち足りた生活をしている」 残念ながら、そういう人には殆どお目にかかったことがありませんね。

関連するQ&A