1次元での波の干渉の問題ですね
(1)、(2)をまとめて考察するために一般のxについて考えます
説明の都合上座標設定をします
スピーカーA,Bのx座標をそれぞれ-3/2(=a),+3/2(=b)と置き、原点,Pのx座標を0(=o),5/2(=p)とします
またf=340[Hz],v=340[m/s]とします
この時波長λは1[m]となります(∵v=fλ)
まずx=aにおけるAからの波の式を
Ψ_A(a,t)=Csin2πft=Csin(2π/T)t=Csinωt(C:振幅、T:周期、ω:角振動数)
と置きます
このとき一般的なxにおけるAからの波の式は
(i)a≦xのとき
Ψ_A(x,t)=Csin(2π/T){t-(x-a)/v}
=Csin2π{t/T-(x-a)/vT}
=Csin2π{t/T-(x-a)/λ}(∵vT=λ)
=Csin{(2π/T)t-(2π/λ)(x-a)}
=Csin(ωt-δ_A)(δ_A=(2π/λ)(x-a)とおいた)
(ii)x≦aのとき
Ψ_A(x,t)=Csin(2π/T){t-(x-a)/(-v)}
=Csin2π{t/T+(x-a)/vT}
=Csin2π{t/T+(x-a)/λ}(∵vT=λ)
=Csin{(2π/T)t+(2π/λ)(x-a)}
=Csin(ωt+δ_A)
同様にx=bにおけるBからの波の式を
Ψ_B(b,t)=Csin2πft=Csin(2π/T)t=Csinωt
と置きます。簡単のため振幅は同じと考え、またA,B空の音はともに減衰しないとします
同様の計算により、一般的なxにおけるBからの波の式は
(i)b≦xのとき
Ψ_B(x,t)=Csin(ωt-δ_B)(δ_B=(2π/λ)(x-b)とおいた)
(ii)x≦bのとき
Ψ_B(x,t)=Csin(ωt+δ_B)
となります
よって一般的なxにおける波の式は、(1)と(2)の重ね合わせになりますので
(i)b≦xのとき
Ψ(x,t)=Ψ_A(x,t)+Ψ_B(x,t)
=Csin(ωt-δ_A)+Csin(ωt-δ_B)
=2Csin{(ωt-δ_A+ωt-δ_B)/2}cos{(ωt-δ_A-ωt+δ_B)/2}(∵和積公式)
=2Ccos{(δ_A-δ_B)/2}sin{ωt-(δ_A+δ_B)/2}(∵cosθ=cos(-θ))
=2Ccos{(δ-)/2}sin{ωt-(δ+)/2}(δ-=δ_A-δ_B,δ+=δ_A+δ_Bとおいた)
(ii)a≦x≦bのとき
Ψ(x,t)=Ψ_A(x,t)+Ψ_B(x,t)
=Csin(ωt-δ_A)+Csin(ωt+δ_B)
=2Csin{(ωt-δ_A+ωt+δ_B)/2}cos{(ωt-δ_A-ωt-δ_B)/2}
=2Ccos{(δ_A+δ_B)/2}sin{ωt-(δ_A-δ_B)/2}
=2Ccos{(δ+)/2}sin{ωt-(δ-)/2}
(iii)x≦aのとき
Ψ(x,t)=Ψ_A(x,t)+Ψ_B(x,t)
=Csin(ωt+δ_A)+Csin(ωt+δ_B)
=2Csin{(ωt+δ_A+ωt+δ_B)/2}cos{(ωt+δ_A-ωt-δ_B)/2}
=2Ccos{(δ_A-δ_B)/2}sin{ωt+(δ_A+δ_B)/2}
=2Ccos{(δ-)/2}sin{ωt+(δ+)/2}
となります
ここでδ-,δ+はxの関数ですので、xの位置を決めればcosの項は一定値となりますが、sinの項は時刻tに依存するので、時間経過と共に変化します
すなわち上式はxを固定すれば振幅2C(cosの項)の波の式を表します
A,Bからの波が強め合うというのは振幅が最大になるという意味であり、弱め合うというのは振幅が0になるという意味です(本来波は減衰するので弱め合って振幅が0になることはありませんが、今は減衰を無視しているのでこう考えます)
今強め合う位置にあるxにおいて振幅が最大、すなわち2C(cosの項)が最大になります
2Cはxによらない定数なので(cosの項)が最大になるxを考えると
-1≦(cosの項)≦1
を考慮して(cosの項)=1となるxで強め合うことがわかります
すなわち
(i)b≦xのとき
cos{(δ-)/2}=1
⇔(δ-)/2=nπ(n∈Z)
⇔δ-=2nπ
⇔δ_A-δ_B=2nπ
⇔(2π/λ)(x-a)-(2π/λ)(x-b)=2nπ
⇔b-a=nλ
(ii)a≦x≦bのとき
cos{(δ+)/2}=1
⇔(δ+)/2=nπ
⇔δ+=2nπ
⇔δ_A+δ_B=2nπ
⇔(2π/λ)(x-a)+(2π/λ)(x-b)=2nπ
⇔2x-a-b=nλ
(iii)x≦aのとき
cos{(δ-)/2}=1
⇔(δ-)/2=nπ(n∈Z)
⇔δ-=2nπ
⇔δ_A-δ_B=2nπ
⇔(2π/λ)(x-a)-(2π/λ)(x-b)=2nπ
⇔b-a=nλ
をみたすxが強め合う位置です
上式を見てみると(i)、(iii)のときはxの項が消えますので、xによらず振幅は一定です
b-a=3、λ=1より(i),(iii)を満たすnとしてn=3がありますので、(i)、(iii)の範囲では強め合います
一方(ii)の時はxの項が残っていますので、xにより振幅は変化します
b-a=3、λ=1より強め合うxの条件は
2x-a-b=nλ
⇔2x=n
⇔x=n/2
となり、a≦x≦bすなわち-3/2≦x≦3/2の範囲で上式を満たすのは
x=0,±1,±2,±3
のみです
同様にして弱め合う条件を考えると、(cosの項)=0の時なので
(i)b≦xのとき
cos{(δ-)/2}=0
⇔(δ-)/2=(n+1/2)π
⇔δ-=(2n+1)π
⇔δ_A-δ_B=(2n+1)π
⇔(2π/λ)(x-a)-(2π/λ)(x-b)=(2n+1)π
⇔b-a=(n+1/2)λ
(ii)a≦x≦bのとき
cos{(δ+)/2}=0
⇔(δ+)/2=(n+1/2)π
⇔δ+=(2n+1)π
⇔δ_A+δ_B=(2n+1)π
⇔(2π/λ)(x-a)+(2π/λ)(x-b)=(2n+1)π
⇔2x-a-b=(n+1/2)λ
(iii)x≦aのとき
cos{(δ-)/2}=0
⇔(δ-)/2=(n+1/2)π
⇔δ-=(2n+1)π
⇔δ_A-δ_B=(2n+1)π
⇔(2π/λ)(x-a)-(2π/λ)(x-b)=(2n+1)π
⇔b-a=(n+1/2)λ
をみたすxが弱め合う位置です
上式を見てみると(i)、(iii)のときはxの項が消えますので、xによらず振幅は一定です
b-a=3、λ=1より(i),(iii)を満たすnはありませんので、(i)、(iii)の範囲では弱め合うことはありません(前述のとおり強め合います)
一方(ii)の時はxの項が残っていますので、xにより振幅は変化します
b-a=3、λ=1より弱め合うxの条件は
2x-a-b=(n+1/2)λ
⇔2x=n+1/2
⇔x=n/2+1/4
となり、a≦x≦bすなわち-3/2≦x≦3/2の範囲で上式を満たすのは
x=±1/4,±3/4,±5/4
のみです
以上より、次のようにまとめることができます
同位相の波の干渉について
強め合う時:(位相差)=2nπ(経路差=nλ)
弱め合う時:(位相差)=(2n+1)π(経路差=(n+1/2)λ)
ただしn∈Zである
参考になれば幸いです
お礼
簡潔でとても分かりやすかったです。 わざわざ図までつけていただき本当にありがとうございます。