Jack's parents are proud of him ( ) the inter-high-school tennis championship last year.
(ジャックの両親は彼が去年全国高校テニス選手権を獲得したことを自慢している。)
解答:having won(完了形)
質問1.
なぜ"won"(過去形)ではダメなのでしょうか?
質問2.
また、以下のように"him"を関係代名詞で繋ぐことは不可でしょうか?
Jack's parents are proud of him (who won) the inter-high-school tennis championship last year.
基本的な事で恐縮ですが、よろしくお願いします。
1.この文章は「ジャックの親→誇りに思っている」というのが意味の中核で、その後に誇りに思っている内容がきます。
なので、areが文章全体の中核となる動詞です。
かっこの部分にwonを入れてしまうと、あたかも文章の中核をなす動詞がひとつの文章の中に2個あるかのように見えてしまいますね。
「ジャックがテニス選手権で勝ったこと」が誇りに思っている内容であり、これ全体で、I like itでいうit(言わば目的語)のような存在なのです。
itが広い意味で“物”であるように、「ジャックがテニス選手権で勝ったこと」も、“物”の形でなければならないのです。
日本語でも「こと」が付いていますよね?
「ジャックの親は彼がテニス選手権で勝ったを誇りに思っている」は国語のテストだとバツですもんね。
him won the inter-high-school tennis championship last year だと“物”じゃなくて文章みたいになってしまいます。
幸い、動詞は、形を変えることで形容詞のように振舞えるので、him ~ing とすれば、動詞がなくなって、全体としては「代名詞+その説明」になります、つまり広い意味で“物”になります。
じゃあhim winning the inter-high-school tennis championship last year でいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、
それだと、「ジャックの親は彼がテニス選手権を獲得しそうになっている(まだしてない)ことを誇りに思っている」みたいになってしまいます。
ジャックの親が誇りに思っている時点で、すでに選手権で勝ったことが終わっていますので、
have won(過去に勝ち終わっていて、現在の時点ですでに勝者である)を使う必要があり、これにさっきの~ingが必要であるという要素も加わって
having wonになっています。
2.関係代名詞を使って説明するのは、特定したいからです。
Name someone だと、誰でもいいから名前を挙げてみて、と全人類が対象ですが
Name someone who has won the tennis championship だと、あの大会で優勝したことある人限定になりますよね?
こうやって、デジカメでズームインするみたいに、描く対象を絞っていくために関係代名詞は使われるのです。
一方、he とか they (いわゆる代名詞)って、そもそも特定されている人だからこそ、代名詞になるわけですよね?
話者も聞き手も「うん、あいつ(あれ)のことね」とわかるからこそ省略できるわけで。
すると、代名詞+関係代名詞っていうのは変なんです。文法的に誤りというよりも、意味として起こりえないはずなんです。
A「おい、ジャックが優勝して親喜んでるらしいぞ」
B「あージャックね。そうなんだー」
A「あ、ちなみにジャックっていうのは、誰のことかというと・・・」
B「いや、わかるし。今おれ納得してたじゃん」
代名詞+関係代名詞を使うということは、上のやりとりの3行目みたいなことを言い出しているようなものですよね。
「でも、関係代名詞というのは、非制限用法というのがあったはずだ!」と思う人もいるかもしれませんが、
そもそもあれは、大胆にいえば、2つの文章をひとつにくっつけるための方法のひとつで、たまたま関係代名詞が使われている、くらいのものなので、
「制限用法VS非制限用法」みたいに並列しないほうがいいくらい別の意味合いです。
つまり、関係代名詞を無理やり使うことはできますが、その場合、「息子が選手権で勝ったこと誇りに思っている」から「息子を誇りに思っている、選手権優勝なんてのもあったし」に意味が変わります。
Jack's parents are proud of him, who won the inter-high-school tennis championship last year.
「ジャックの親御さん、ジャックのこと自慢の息子だって(いつも)言ってるよ。去年もテニスのインターハイで優勝したしな、あいつ」
>なぜ"won"(過去形)ではダメなのでしょうか?
まず、"him"は一度置いておきます。
"proud of ~ing"で、「~することを誇りに思う」という意味です。
of は前置詞ですから、後には名詞しか来る事ができません。ですからofの後は"won"ではなく動名詞にする必要があるのです。
しかし、動詞のままならwin→wonと変えて過去の事を表す事ができますが、動名詞ではwinning→wonningの様な事はできません。
そこで、完了形を使います。
winning→having won
勝つこと→勝ったこと
動名詞の過去形は、この様にして表す決まりがあるのです。
ついでに、何故"him"が必要なるのか?
Jack's parents are proud of having won~
この文だと、ジャックの両親は『自分達が』勝った事を誇りに思っている文になってしまいます。
何故かと言うと、"having won"の直前にいるのがジャックではなく彼の『両親』だからです。
そこで、"having won"したのは両親じゃなくてジャックだよ!という事を言う為に、"having won"の直前に"him"を入れたのです。
>"him"を関係代名詞で繋ぐことは不可でしょうか?
himは特定の人物ですので、そのまま関係代名詞を使うことはできません。
関係代名詞whoの前に","を入れて
Jack's parents are proud of him, who won the inter-high-school tennis championship last year.
ジャックの両親は彼を誇りに思っているんだ。ジャックは去年、テニスで優勝したんだよ。
↑この様にすることはできます。
しかし、これでは「両親が彼を誇りに思っている事」と「彼が優勝した事」は分かりますが、「両親が彼の優勝を誇りに思っているかどうか」は分からないので、少し意味が違ってきてしまいます。(テニス以外の事を喜んでいるかもしれません)
直前に","を入れない関係代名詞は、『限定』の意味合いを含んでいます。
固有名詞や特定の人物を表す語句(Jack, my wife 等)が先行詞の場合、その人はその人しかいない訳ですから、限定の必要が無いのです。
","入りは先行詞そのものを補足するので、固有名詞等でも使えます。
質問1.なぜ"won"(過去形)ではダメなのでしょうか?
これは時相の問題と言うよりは、語形の問題でしょう。ここでは~-ing の分詞構文が欲しい、しかしそれだけでは過去に起こったと言う情報がはいらない、従ってこの形が選ばれたのだと思います。
質問2.
また、以下のように"him"を関係代名詞で繋ぐことは不可でしょうか?
Jack's parents are proud of him (who won) the inter-high-school tennis championship last year.
関係代名詞の先行詞には名詞が使われますから
Jack's parents are proud of their son who won the inter-high-school tennis championship last year.
ならいいともいます。