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数学の視点を広げるために
私は高校で数1A2Bと「行列」まで学習しました。 この範囲で (1)ユニークで面白い問題、公式、解き方など (2)学校では習わないが便利な公式 または それを扱った学術書 (3)これは自分だけの視点だと思った経験(つぶやきで結構です) を教えて下さい。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ たとえば私の場合 (1)二等辺三角形の相似を用いたcos72°の求め方 (3)面積は絶対値みたいだ~←積分のトキ思いました。(あたりまえですが・・) こんな感じでお願いします。 答の記述は詳しくしていただけると嬉しいです。 小説の読解で頭に思い描くことが十人十色のように 数学的視点もそうだと思うので いろんな見方を共有したいものです。
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- WiredLogic
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そりゃ、何てったって、オイラーの式・e^(iθ) = cosθ + i*sinθ、 間もなく始まる新課程では、複素(数)平面という章が、数学IIIの範囲に加わりますが、 (代わりに、行列の扱いが軽くなるようです) その頂点の式(虚数乗なんてのを含むので、これが表立って出てくる訳ではありませんけど) 数IIIの微積の、もうちょっと先+時代によって、高校の範囲を出たり入ったりしてきた複素(数)平面を合体した式で、 数年前、映画にもなった、小川洋子の小説「博士の愛した数式」の影の主人公が、この式、 (正確にはそれにπを代入した、e^(i*π)=-1です。数学好きなら、それも含めて泣けるかもしれないので、まだなら、小説か映画DVDを見てみては?) 数IIIのもうちょっと先の微積で、やる式に、 e^x = 1 + x/1! + x^2/2! + x^3/3! + … (eは数IIIに出てくる、自然対数の底)、 cosx = 1 - x^2/2! + x^4/4! - x^6/6! + …、 sinx = x - x^3/3! + x^5/5! - x^7/7! + …、 と、関数を、無限数列みたいな多項式(整式)で表した式があります。 (数IIIの微分と不等式で、左辺と右辺の頭の何項かの間の不等式をやるはず) これに、機械的に、x = i*θ(θは実数)を代入し、比べてみると、オイラーの式が出てきます。 (複素数の計算、実数部・虚数部の分離など、計算練習になるのでやってみるといい) 証明した訳じゃないので、とりあえず、雰囲気は解った上で、 e^(i*θ) = cosθ + i*sinθを、虚数乗の定義と考える、ということにして、 e^(i*(α+β)) = cos(α+β) + i*sin(α+β)、これはいいですね。 で、虚数乗でも、指数法則は成り立っているはず、と考えると (そうでないような拡張なら、さすがに指数表現は使わないだろう、くらいはアテにすることして、ま、実際そうな訳ですが) e^(i*(α+β)) = e^(i*α + i*β) = e^(i*α) * e^(i*β) = (cosα + i*sinα)(cosβ + i*sinβ) これを、展開して、実数部分・虚数部分に分けて、上の式と比較してみると… ほら、加法定理が出てきますよね。 加法定理なんか、既に覚えていると思いますが、怪しくなったら、確認ができる、 この計算を練習しておくと、かなり訳が解らない式でも、指数法則をあてはめ、 複素数の計算をし、実部・虚部に分け、という基本技を反射神経にできる、 さらに、話を進めると、 e^(i*nθ) = cos(nθ) + i*sin(nθ)、 e^(i*nθ) = (e^(i*θ))^n = (cosθ + i*sinθ)^n で、これを2項定理で展開して、実部・虚部に分けて、上の式と比較すると、 一気に、n倍角の公式が得られることになります。 3倍角の公式あたりは、覚えても、いざ使うとなると、不安になりやすく、 2倍角の公式と加法定理から出そうとすると、それなりに面倒、 まだもう少し先かもしれませんが、行列の後の1次変換の回転変換を 繰り返し適用(行列の掛け算になる)でもできますが、こんなに楽勝ではない。 なので、練習しておくと、学校や入試レベルの話でも、役に立ちますし、 その枠を超えると、現実への応用で、n倍角の公式が必要になりそうな場面 ってありそうでしょ、そういう場合に、便利、 実用的な話を抜きにしても、全く別の関数として、習った、 三角関数と指数関数が、iを媒介に実は繋がっていた、なんてのも、 面白くありませんか? これは、実は、数学の世界の中の話という だけでなく、物理などの、自然の本質にも繋がっていく話です。 なので、数学者だけでなく、自然科学・工学などをやっている人に、 あらゆる数式の中で、もっとも美しい、とか、もっとも重要だと思う 数式は何ですか?と聞くと、かなり多くの人が、これと答えます。 (数学者なら、多分、自然科学や工学でも、分野別でなく、トータルなら、トップでないかと) 高校数学の、ちょっと先の話なので、専門書を読むまでもなく、 逆に、大学の数学の教科書を読んでも、それだけ大々的に書いてある訳じゃないので、 もう少し詳しく知りたければ、 吉田武著「虚数の情緒」「オイラーの贈り物」を読むのが、お勧めです。 「虚数の情緒」の方は、サブタイトルに「中学生のための…」などと書いていますが、実際に中学生が読むには、ハードな本、 高校数学全般を、オイラーの式に、行き着くことを目標に、再構成したような本で、数学史的な話も多く、なぜ、自分がこういうことを学んでいるか、というロードマップとしても絶好の、非常にいい本です。ただし、1000ページを超える大部の書なので、読破には根性が必要。値段も結構しますが、公共図書館や学校の図書室では、かなり置いてある確率が高いと思います。 「オイラーの贈り物」の方は、それを、高校生向きに(というか、これも、実際には、謳い文句よりハードな本なので、理系の大学生が、大学の基本の数学で学んだことを再構成という感じが強い)、かつ、教科書的な雰囲気より、読み物側にふった本、やや厚めですが、「虚数の情緒」に比べると、内容はハードでも、普通の本なので、最初は、数式などの難しい部分は少し置いといて、まずは粗筋を読んで、難しいこと・細かいことは、二度目以降に、というような読み方も可、例えば、入試の後、大学入学の前に、読んでおけば、「虚数の情緒」ほどではありませんが、ロードマップになったり、大学数学に対する心構えができたりします。
お礼
複素数を使いこなせるようになりたいです。 早速図書館で探してみます。 ありがとうございました。