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資本コストと資本の利率の意味の違い
- 「資本コスト率」と「資本の利率」とは同じ意味だと思うのですがそれでよいでしょうか。
- 私は「資本コスト率」と「資本の利率」とは同じ意味だと思っています。
- ただ、敢えて両者の違いを求めるならば、私の全く個人的な感じ方ですが、「資本コスト率」はコストの割合、経費の割合、払わなければならないものの割合、という感じ(一言で言えば経費の感じ)が強く、一方「資本の利率」は利益を生む割合、経営が順調に行きさえすれば利益が生まれると予想される割合、という感じ(一言で言えば利益の感じ)が強いように思います。 このような感じの違いを「資本コスト率」と「資本の利率」は持っているでしょうか。
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「資本の利率」という用語は普通は用いないように思います。 「利率」という用語は「利益率」の略語として使われる場合と「利子率」の略語として使われる場合があります。 (b-1)では「資本の利子率」という意味、つまり「借入金利」という意味で使われています。質問者さん自身は、「敢えて両者の違いを求めるならば・・・」のなかで「資本の利益率」という意味、つまり「運用して利益を得る効率」という意味で使っています。これは意味が異なります。 「資本コスト率」というのは「その資本を調達するために要するコスト」です。 この「コスト」の中身は(b-2)にあるように、借り入れた資本の利子や株主への配当などが含まれます。したがって、「資本の利子率」は事業に使う資本のうち借り入れによる資本のための金利であると考えられますから、「資本利子率」は「資本コスト率」の一部であると考えられます。 (a)のような記述はしばしばみられますが、私はこのような記述は正しくないと考えています。割引率というのは時間価値を判定するための道具であり、その道具として何を使うか、ということを考えた場合に、資本コスト率を割引率として使うと、時間価値の判定の妥当性が高い、というにすぎません。これを資本コストの定義として使うのは順序が逆であると私は考えています。 「資本利益率」は資本からどれだけの利益が得られるか、という利益の割合です。一方「資本コスト率」は、資本を調達するのにどれだけのコストがかかるか、という費用の割合です。資本コスト率よりも資本利益率が高いような事業を行なえば、コストを回収してさらに利益が残ります。ある事業を行うかどうかを判定する際に、最低限この二つが等しくなるようにしよう、ということを判定基準にするのがDCF法です。 というわけで、本来別の物として分けて考えるべきです。
お礼
詳しく説明していただきたいへんよく分かりました。 有り難うございました。