Sylowの定理と位数14の群
G:位数14の群
N:Gの7-Sylow部分群
H:Gの2-Sylow部分群
とし,写像f:H→Aut(N)を
f(h)=(n↦hnh^-1)
で定める.
このとき,
(1)Imf={e}⇒Gは巡回群
(2)fが単射⇒Gは二面体群と同型
であることを示せという問題なのですが,以下のように示しました.
(∵)
Sylowの定理より,Gの7-Sylow部分群の個数は1なので,NはGの正規部分群である.またN,Hの位数はそれぞれ7,2なのでともに巡回群となる.よってN,Hの生成元をそれぞれa,bとすると,a^7=e,b^2=e.一方,N∩Hの位数は2と7の公約数であることから1.ゆえにN∩H={e}.したがって
G=NH={a^i b^j | a^7=e,b^2=e}
(Gの任意の元はN,Hの元で一意に表せる)
また,NはGの正規部分群であることから,ある整数mが存在して,bab^(-1)=a^mとなる.ここで,
(a^m)^m=(bab^(-1))^m=b(a^m)b^(-1)=(b^2)a(b^(-2))=a
すなわち,a^(m^2-1)=eとなるので,m^2-1は7で割り切れる.ゆえにある整数lが存在して,
m^2-1=(m+1)(m-1)=7l
と書けるので,m=7l±1.
(1) m=7l+1のとき
bab^(-1)=a^m=a^(7l+1)=a ∴ab=ba
よってGはN,Hで直積分解でき,
G≒N×H≒Z/14Z (≒は同型の意)
ゆえにGは巡回群.
(2) m=7l-1のとき
bab^(-1)=a^m=a^(7l-1)=a^(-1)
よってGは二面体群と同型.
(証明終)
こんな感じで(1),(2)を一気に示したのですが,(1),(2)の仮定を一切使っておりません.(1)については別個に仮定を使って示せましたが,(2)はどこで仮定を使ってよいかわかりませんでした.
ご教示願います.