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固体を含む平衡反応について
BaCO3(s) →←(平衡反応の両向きの矢印のつもりです)BaO(s) + CO2(g)という反応において、これらが各1molあった状態で平衡であるとき、CO2をさらに1mol足すとそれぞれはどうなるか?ただし、温度は一定である。 という問題があるのですが、これって明らかに条件が足りなすぎるような気がします。私の気のせいでしょうか? 温度一定なので圧平衡定数は変化しないと考えられ、とするとKp=Pco2になるのでこれが一定になる。すなわちCO2の分圧は一定なのでその物質量も一定。よりCO2は1molのままなので、それぞれ2,0,1molになると考えました。が、あまりにもおかしいので、この場で質問させて頂きました。 よろしくお願いします。
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- jamf0421
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No.4, 6, 8です。 結局101325さんのNo.3のご回答が実際に考えられるところです。 ちょっとだけ補足させてください。BaCO3→BaO+CO3については私がNo.8で書いたようなsolid→solid+gasなる扱いは無理で、solid1→solid2+gasの系となります。相律でいえば成分数3、相数3、反応数1となり自由度はF=(3-1)-3+2=1となります。もしBaCO3が1 mol生成すると、BaOとCO2は1 molずつ減ります。そして各相のモル分率は(1成分しかないので)変化しません。こうした初期状態の相から、すくなくも一つの相の質量は異なるが、全ての相において全ての成分のモル分率は変化しない状態があれば、その系は無関係状態と呼ばれます。 無関係状態(indifferent state)という名前は温度、圧力、各相の組成が完全に決定されているけれど、各相の質量に関しては無関係である、ということに由来しているそうです。 不変、あるいは一変数系ではこうした無関係性があります。純液体とその蒸気の1変系はその典型です。多変系については無関係状態になることに由来する特性があります。 以上蛇足ですが...
- jamf0421
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No.7さんのコメントについてですが > 共晶点を持つけど全率固溶になる系って、かなり珍しい系ではないでしょうか。 参りました。やっぱり仮定に無理がありますね。 仮想的なsolid→solid+gasの系についての計算をした、ということに留まりますね。
- 101325
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度々ごめんなさい。 モル比50:50~37:63(=0.732:1.268)でBaOとBaCO3が溶け合う(固溶体を作る)という仮定は、共融点(共晶点)がモル比36:64にあることを考えると、少し無理があるように思います。 私が知らないだけなのかもしれませんけど、共晶点を持つけど全率固溶になる系って、かなり珍しい系ではないでしょうか。
- jamf0421
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No.5さんの資料についてですが、拝見しますと、BaCO3 64%, BaO 36%の共融点条件で0.0066 atmですね。これより平衡圧を高くしようとしたらNo.5さんのご指摘どおり両方とも液体ですね。初めの計算の前提は全然だめですね。 仕方ないので1 molのCO2の平衡圧は思い切り低圧だとしてみます。ガス体積Vfはとても大きいわけです。また固体同士は溶け合うとしています。すなわち最初の平衡では二つの固体はモル分率0.5で溶け合っています。 K={(P/Po)(1/2)}/(1/2)=P/Po...(1) ここにもう1 molのCO2を入れると、低圧でも同じ容積なら圧は倍になりますので K=P/Po={(2P/Po-xRT/VfPo)(1-x)/2}/{(1+x)/2}...(2) となると考えます。CO2はx mol消えたとき、VfというVolumeにあるならばxRT/Vfの圧の減少で、これをPoの単位で測った場合xRT/VfPoの圧減少になる、と考えている次第です。(2)の両辺にPoをかけて P=(2P-xRT/Vf)(1-x)/(1+x)...(3) ところでPVf=RT(Vfは低い平衡圧で決まります。)ですから P(1+x)=(2P-xP)(1-x) 両辺をPで割って 1+x=(2-x)(1-x) x^2-4x+1=0...(3) これだと前と同じ答えになりますね。平衡圧は猛烈に低いのですが、固体が溶け合う限りは(そして平衡化反応速度があまりに小さくなければ)CO2が1.732P/PoになりBaOが0.732 molになり、BaCO3が1.268 molということになりますね。但しγの影響を無視した簡略化過程は入っています。 何か勘違いがあるのか不安ですが。
- 101325
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> BaCO3⇔BaO+CO2 > で、3つとも1 molで初期は1 atmであったとします。 その条件下では、 BaCO3(s)⇔BaO(s) + CO2(g) ではなく、 BaCO3(l)⇔BaO(l) + CO2(g) になるんじゃないかなと思います。 E. H. Baker "The barium oxide-carbon dioxide system in the pressure range 0.01-450 atmospheres" J. Chem. Soc., 1964, 699-704. http://dx.doi.org/10.1039/JR9640000699
- jamf0421
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BaCO3⇔BaO+CO2 で、3つとも1 molで初期は1 atmであったとします。そしてCO2を1 mol足す、とはそのFixされた体積のなかに押し込むこと、つまり2 atmにする事とします。平衡定数は活動度aiで出すとして、活動度係数をγi、モル分率をxiとします。Activityは標準状態と考えている状態の化学ポテンシャルをそれぞれμ°, μとしたときμ-μ°=RTlnaで定義しています。この時1気圧のもとでai=γixiと書きます。CO2はFugacityを使う建前でしょうが、1気圧を基準とした圧、P/Poを使えることにします。(Pをatm単位で測ったことになります。)そうするとBaCO3, BaOをそれぞれ番号1, 2として K=(a2*(P/Po))/a1={γ2x2(P/Po)}/(γ1x2)...(1) ということになります。面倒なのでγ2/γ1の項は1とします。すると K=(P/Po)x2/x1...(2) となります。ここで生成物のBaOは中にBaCO3に溶けているとしています。(溶けていると看做せる状態になるものなのかどうかは知りませんが...) こここでP/Poは1、x2=x1=1/2で平衡だったので K=1...(3) となります。以上能書きをならべているわりには、大幅簡略化ばかりして大した計算はやっていません。γ2/γ1を1として消してしまっているのもその正当性は定かでないです。 ここでCO2を加えます。その結果BaCO3は1+x、BaOは1-xになるとします。もともと両者1 molだったのでx molの出入りとみなせます。このときCO2の圧は2-xとなります。(2 molからx mol消えると2気圧から2-x気圧になると考えております。)固相モル分率としてはBaCO3が(1+x)/2、BaOが(1-x)/2で結局 K=1=(2-x)(1-x)/(1+x) x^2-4x+1=0 x=2±√3 これで2-√3しか解になれないので x=0.268 つまりBaOとBaCO3が溶け合うものならば、BaCO3が1.268 mol、BaOが0.732 mol、CO2が1.732 atmということに一応なるのですが...
- 101325
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> これって明らかに条件が足りなすぎるような気がします。 はい。気のせいではないです。条件が足りません。物質量がどうなるかをいうためには、温度が一定であるだけではなく、容積(BaCO3とBaOとCO2が入っている入れ物の容積)が一定である、という条件が必要です。あと、暗黙の了解として省略されることが多いのですけど、「これらの固体は固溶体を作らないものとする」という条件を補うと、簡単に答えが導けます。 > すなわちCO2の分圧は一定なのでその物質量も一定。 分圧が一定なので物質量も一定である、というためには温度だけでなく容積が一定である、という条件が必要です。 > CO2は1molのままなので、それぞれ2,0,1molになる はい。容積が一定ならば、そのとおりです。BaOとちょうど反応するだけのCO2が加えられたので、BaOは全て反応してしまって物質量がゼロになります。この状態にさらにCO2を加えると、CO2の分圧が上がります。 > あまりにもおかしいので、この場で質問させて頂きました。 「平衡反応なのに、ある成分が全くなくなってしまうのはおかしい」ということでしょうか。それならば、ある成分がなくなると同時に相が一つ消える、というところに気づけば納得できるかもしれません。ふつうの溶液中の平衡反応とは違って、今の場合、化学平衡だけでなく、相平衡も成り立っています。温度と容積が一定の条件下で系が相平衡状態にあるとき、ある一定量以上の成分を系に加えたり除いたりすることにより、相の数を減らすことができます。今の場合は、始めに気相とBaCO3相とBaO相の三相が共存していますが、これにCO2を加えていくことで、BaO相の占める体積がだんだん小さくなっていきます。そして、CO3がちょうど1mol加えられたときに、BaO相が消えてなくなります。 モル分率や活量を使って考えると途方もなく面倒な話になるので やめた方が無難じゃないかなと私は思います。それよりも、「BaCO3とBaOは固溶体を作らないものとする」という条件を補って考えた方が楽です。
- c80s3xxx
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平衡に効くのは物質量ではなく活量やフガシティなので,物質量だけを云々するのは問題として成立していません. その辺をきちんと論じてやれば正解になるでしょう.
確かに、変な問題です。 平衡定数は必ずしも「圧」を使う必要は無いので、モル分率を使えばもう少しまともな値になるでしょうが、 >BaCO3(s) →← BaO(s) + CO2(g) で各1molで平衡ということは「室温」ではあり得ません。 その様な温度、多分かなりの高温、での平衡になるでしょう。 モル分率を使って考えてみて下さい。